ふきげんな過去

二階堂ふみ(ふきげんな過去)
二階堂ふみ(ふきげんな過去)

2016年6月25日公開。監督・脚本は前田司郎で、本作が監督第2作目のオリジナルストーリー。主演は小泉今日子と二階堂ふみ。第19回上海国際映画祭パノラマ部門出品作品。

ふきげんな過去のあらすじ

東京・北品川の食堂「蓮月庵」を営むサチの下で暮らしている高校三年生・果子は夏休みだが、厭世的な持論をつぶやいてばかり。界隈では、運河に現れる大ワニに子供を食われたと言う海苔屋の本田の奥さんが竿を持って佇んでいたり、過去に起きた子供誘拐「やすのりちゃん事件」など不穏な噂が飛び交っているが、そんな中冷めている果子は喫茶店で文庫本を読むのが日課。そこへ、18年前にとある事件で行方不明のまま他界したはずの未来子が蓮月庵に突然帰ってきた。とある事件で前科者になった未来子は蓮月庵二階の果子の部屋に身を隠し、警察の目や訪問者には気を遣っていたものの、緊迫感が無く、のんきな未来子に果子はイライラを募らせる。

二階堂ふみのまっすぐな四肢がまぶしい(ふきげんな過去の感想)

前田司郎という人が書いた「 徒歩7分」というNHKドラマにいたく感動したのは、本作の前年だった。その後ひそかに注目していたのだが、「 空想大河ドラマ 小田信夫」など、ひねりすぎた変な作品でしかその名を見ることができていない。謎が謎のまま終わるというのが特徴らしいのだが、本作はそれが全開になっている。

舞台は北品川の運河側のレトロな街並み、22歳の 二階堂ふみが、ベテラン 梅沢昌代の切り盛りする食堂の娘(女子高生)を演じていて、名前は果子。この年、二階堂は本作を含め5本も映画に出ていてそのうち4本はヒロイン(ドラマでもヒロイン3本)、まさに絶好調である。

そこに32歳差の 小泉今日子(名前は未来子)が帰ってくる。18年前に死んだことになっており、警察からも「組織」からも追われているそぶりだが、今までどこで何をしていたのかは本人にも曖昧である。爆弾製造に関わっているというのがまるで70年代の人のようで、映画の時制がだんだんわからなくなる。

二階堂は、子どもを食ったと噂されるワニが姿を現さないかと運河を見に行ったり、自分が生まれた頃の誘拐「やすのりちゃん事件」について調べたりしているのだが、自由な小泉にカクランされてますます不機嫌になる。

この二人の取っ組み合いが映画後半のちょっとした見せ場になっているのだが、案の定というか、二人は母娘なのである。その後もいろいろあって、二階堂は小泉をビニール傘で刺し、小泉はそれで(おそらく)死んだらしい。すると運河に死んだワニが打ち上げられる、というオチである。

何もわからなさすぎて、あまり評判が良くない映画だが、二階堂のまっすぐな四肢がまぶしく、北品川の運河がなんとも言えない空気感で、私は気に入った。

ふきげんな過去のキャスト

果子(北品川の食堂「蓮月庵」に暮らす高校生三年生) – 二階堂ふみ
未来子(サチの長女) – 小泉今日子
サトエ(サチの次女) – 兵藤公美
レイ(サチの三女) – 黒川芽以
カナ(サチの孫) – 山田望叶
サチ(食堂「蓮月庵」の店主) – 梅沢昌代
タイチ(妻のサトエと「蓮月庵」を手伝っている) – 板尾創路
野村アリ(「蓮月庵」の料理人) – AHMAD ALI
康則(謎の男) – 高良健吾
義足の男(蓮月庵の三人娘達の幼馴染) – 児玉貴志
ヒサシ(果子の彼氏) – 山田裕貴
果子の同級生() – 相楽樹
蓮月庵の前店主(故人) – 大竹まこと(写真のみ)
近所の店主 – きたろう
蓮月庵の常連客 – 斉木しげる

ふきげんな過去のスタッフ

脚本・監督 – 前田司郎
音楽 – 岡田徹
主題歌 – 佐藤奈々子「花の夜」
撮影 – 佐々木靖之
美術 – 安宅紀史、田中直純
照明 – 友田直孝
録音 – 吉田憲義
編集 – 佐藤崇
スタイリスト – 伊賀大介
衣装 – 渡部祥子
ヘアメイク – 竹下フミ
助監督 – 小南敏也
制作担当 – 刈谷真
ラインプロデューサー – 金森保
アクションコーディネーター – 中村嘉夫
MA – アオイスタジオ
ラボ – IMAGICA
プロデューサー – 森山敦、西ヶ谷寿一
アソシエイトプロデューサー – 西宮由貴、山下義久
製作 – 重村博文、太田和宏
企画・製作幹事 – キングレコード
制作・配給 – 東京テアトル
制作協力 – キリシマ1945
宣伝 – ブリッジヘッド、ブラウニー
製作 – 2016「ふきげんな過去」製作委員会(キングレコード、東京テアトル)
公開 – 2016年6月25日
上映時間 – 2時間

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