2024年4月5日よりNetflixオリジナルの韓国ドラマとして制作・公開されたWEBドラマ。原作は岩明均による漫画『寄生獣』で、原作の主人公・泉新一が登場することなどを除いて韓国を舞台とした完全オリジナルストーリー。
寄生獣-ザ・グレイ-の感想
岩明均が「モーニングオープン増刊」という雑誌に中編「寄生獣」を掲載したのは、思えば80年代のことで(アフタヌーンでの本編連載は90年から)、幻のハリウッド映画化(権利を保持したまま結局製作されなかった)のため、アニメ化、映画化まで20年を要することになった。
本作はさらにそれから10年を経て「新感染」とその続編、「地獄が呼んでいる」などのヨン・サンホが撮ったNetflixドラマである。
コンパクトな6話構成で、最終回のラストシーンに泉新一を名乗る菅田将暉が登場するのは続編を示唆していると巷で期待されているが、私はむしろ続編を作らない宣言のように感じた。
寄生生物が柘榴状に頭部を弾けさせて正体を表す描写は、それによる被害者の身体損壊と対になっていて、「遊星からの物体X」の影響だとか、逆に「ターミネーター2」に影響を与えたとか言われるが(それらと同時代の漫画なのだ)、描写以前に、この物語における寄生生物がユニークなのは、種としての哲学性を意識しているところである。本作もそれを継承するかに見えて、やや浅い、どちらかというと社会学的な存在になっていたのは惜しいところだ(韓国人的な発想だと思う)。
本作では韓国当局はいち早く寄生生物を関知しており、特殊部隊をに壊滅指令を出している。そのチーム長が「新感染半島」のヒロイン、イ・ジョンヒョンなのだが、寄生された夫に耳を引きちぎられるという凄味のある設定で、つまり寄生生物ではない。ヒロインであるチョン・ソニは顔の一部がビローンと伸びて戦う。原作のジョーもこんな感じか。
寄生獣-ザ・グレイ-の原案:「寄生獣」(岩明均)
寄生獣-ザ・グレイ-の原案:「寄生獣」(岩明均)のレビュー
寄生獣-ザ・グレイ-のキャスト
チョン・スイン – チョン・ソニ
ソル・ガンウ – ク・ギョファン
チェ・ジュンギョン – イ・ジョンヒョン
キム・チョルミン – クォン・ヘヒョ
カン・ウォンソク – キム・イングォン
クォン・ヒョクジュ – イ・ヒョンギュン
ギョンヒ – ユン・ヒョンギル
イズミ・シンイチ –菅田将暉
寄生獣-ザ・グレイ-の人物相関図
寄生獣-ザ・グレイ-のスタッフ
監督・脚本:ヨン・サンホ
制作:ヨン・サンホ、リュ・ヨンジェ
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