武富健治の漫画(『漫画アクション』不定期連載2005年13号~2011年2号、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞)を原作として、テレビ東京系列で2011年4月25日~6月27日の毎週月曜日22:00-22:54に放送。主演は長谷川博己。長谷川は今作が連続ドラマ初主演。ギャラクシー賞月間賞、第49回ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞、平成23年日本民間放送連盟賞 テレビドラマ番組部門最優秀賞受賞、第38回放送文化基金賞 テレビドラマ番組賞。
鈴木先生の原作
「この漫画は―――最高にイケてるんじゃないか!?」と“漫ぶらぁ~”こと大西祥平氏も絶賛の本作。ささやかな問題も重大な試練も全力で挑む、まったく新しい教師像。『漫画アクション』で大好評のシリーズ連載いよいよ単行本化。
鈴木先生の原作を読んだ人の感想
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絵柄は地味と言えば地味で、垢抜けないというか、正直、ホラーっぽく感じる時さえあります。
僕の好きな漫画15「鈴木先生」(佐藤秀峰) -
世評は高いようだが、私にとってこの漫画はこんな印象だった。
武富健治の漫画「鈴木先生」(見て読んで聴いて書く) -
『話に引き込まれる』という言葉が似合うくらいの吸引力を持った作品だと思いますが、
絵柄的にも内容的にも人を選ぶ作品だと思います。
『鈴木先生 4巻』の感想(まんが栄養素)
ドラマ 鈴木先生
あらすじ
中学校の教師である鈴木’は、『ごく普通』の生徒たちの心の問題に向き合うことを自身の教育方針として、自分の受け持つクラスや教え子たちの周りで起こる些細な、ときに重大な事件の数々を誠実に、情熱的に対応している。しかし、その一方では教え子の一人である小川蘇美に対する歪んだ欲望や交際相手である麻美との関係など、自身の心の問題にもひたすら悩む日々を送っている。そうした鈴木の内面を饒舌にかつ克明に描写していく。
鈴木先生の感想
第1話|最後まで挑戦的でいられるか?
今季の学級運営モノは「ハガネの女」(小学校)、「高校生レストラン」(高校)、「アスコーマーチ」(工業高校)、そして本作(中学校)である。相変わらず多い。ゴールデンである21~22時台の12本中3本で25%、23時台まで入れると13本中4本(31%)となる。ドラマ視聴者の4分の1強がこの層だということか。
たしかに、古くから、ドラマは学校という共同体で共有され、口コミの温床(温床という言葉が悪い意味にしか使われないのはなぜだろう)であったりしたが、学校という場所では、今でも「昨夜のドラマの筋」が話題になったりするものなのだろうか。
子供といっても小学生と高校生ではだいぶ違うが、扱っている問題にそこまで幅があるわけではなく、その意味で「ハガネの女」を単純に小学生並みのドラマと断ずることはできないが、本作を見た結果、まさにそれほどの差が二つのドラマにはあり、「鈴木先生」は圧勝していると感じられた。
これは原作の力の差でもあるが、プログレッシブカメラを駆使して陰翳でうまく効果を出している演出や、乾いた脚本などを見ても、スタッフのやる気が感じられるという点で、本作は期待できると思った。
原作を読んでいないので、あの「セカンドバージン」の長谷川博己の教師モノという予備知識だけで、正直、惰性で見始めたものなので、これは嬉しい驚きであった。
長谷川は、学級運営においてある教育理念の実験を行おうとしていると臼田あさ美(なぜか処女であることを長谷川に打ち明ける)に明かす。
詳細は不明だが、この実験は「不良や問題児がいてこそクラスは活性化する」という常識を打ち破るものだと説明される。
この実験には小川蘇美(土屋太鳳)という生徒が必要であり、長谷川はわざわざクラス決め会議で小細工までしていた。
誰でもそうと気づくことだが、「不良や問題児がいてこそクラスは活性化するという常識」とは、学級運営物ドラマの常識にほかならない。ドラマ「鈴木先生」は非常に挑戦的である。
初回に起こったのは、中学2年男子が小学4年生女子がコンドームを使ってセックスしているというセンセーショナル事件で、しかも話を聞いてみると、男の子は中学に入った頃から年上の子にセックスを教えられ、それから手当たり次第に相手を変えてきたが、誰とも長くは続かなかった、と長谷川博己に打ち明けるので、女の子の母親である手塚理美や健康な体育教師である山口智充のみならず、ドラマを見る側も思わず呆気にとられてしまうが、ドラマはそれに構わず淡々と進むので小気味良い。
この事件を「俺はどう裁くのか」と長谷川は繰り返し自問したあげくに結論を出すのだが、ここで「裁き」という言葉が使われている通り、長谷川の指導は「大岡裁き」を思わせる、奇妙に論理的なものである。ここが原作の読ませどころなのだろう。
こうした論理の積み重ねと、長谷川が実践しようとしている「実験」がどのように結びついていくのか、ということがこのドラマの展開を支えるダイナミズムであると思われる。
うまい気の惹き方だが、この挑戦的な始まりに見合う展開を最後まで堪能できるのか、見守りたいと思う。
第2話|鈴木先生は官僚的か
今週も面白かった。
先週でドラマの手法を理解していたので、謎を最後まで引っ張り、謎明かしのハードルを限界まで上げる長谷川博己の思考を追うのは楽しかった。
謎とは、出水正が給食中にカレーをグチャグチャにかき回しながら、「ゲリミソだな、これは…ニンジンも未消化だ」とつぶやいたりして、向いの席の中村加奈をはじめとしてクラスメートの不興をかった理由である。
出水正の父親は大学で教鞭をとっており、家の中ではきちんとした躾がなされているようなので、なぜそんなことをするのかわからないのである。しかし、この躾けられているということが謎解きのための伏線になっている。
長谷川は出水正から5日間の猶予を与えられて、この謎に取り組むのだが、はじめから理由はわかっているような気がしているのにはっきりと言葉にならないと述べている。つまり手がかりはすでに、すべて画面に映っているということだ。挑戦状を突きつけられているのは視聴者のほうで、このドラマは非常に古式ゆかしいミステリなのである。最後で明かされた真相は完全にフェアなものであった。
長谷川は前回のような“大岡さばき”を披露しない。クラスで話し合うこともしない。事実だけを淡々とクラスの生徒たちに明かし、各自で考えるように促す。
一方、樺山あきらという大食いの女子生徒が、みんなが残すスブタをひとりで美味しい美味しいとおかわりをしていたが、やはりスブタはメニューとしては人気が低いため、来月から給食のメニューからはずされるという給食便りが配布される事件が起こる。樺山がスブタを好んでいたのは、死んだおばあちゃんが作っていたスブタと同じ味だったからで、樺山はメニュー廃止に泣くほどのショックを受ける。
職員会議でこの問題を話し合い、長谷川博己と田畑智子は校内でアンケートをすることになった。
結果、どうしてもスブタを食べられない生徒は1クラスごとに4人ほどしかいないことがわかった。多数決でスブタの廃止が決まりかけるが、初回でいきなり多数決をとっていた富田靖子が、この多数決には反対する。富田の論旨は、スブタはあくまでもメインメニューであって、それを食べられない生徒が少なくともクラスに4人いるのなら、廃止するのが当然なのではないかというものだ。至極もっともな意見であり、長谷川も田畑もこれに賛成する。
こうして、学級運営モノとしては異質な結果が引き出されることになった。
ひとつは安易な“話し合い”の回避、もうひとつは“数字に隠された意味の発見”である。
これまでの学級運営モノにおいて、教師はとにかく話し合うことで問題を解決しようとしてきた。その一方で、生徒の多数の意見を汲み取るという体制的な役割もはたしてきた。鈴木先生の運営はこのふたつを使わないという点でじつに信頼できるものであった。ただし、このやり方にはどこか、高度に官僚的なにおいを感じる。
一方で、土屋太鳳の存在が不気味に大きくなっていく様子も描写されていた。どこへ向かうのかわからないが、先が楽しみである。
第3話|学級運営ジャンルとの訣別
今週はぐっさん壊れるという話で、意表を衝く深刻な展開であった。初回で教師の性欲発散の問題に軽くふれてはいたのだが、怒濤のような踏み込みである。ぐっさんの演技そのものは、まあソツのない、ありきたりのものだが、そこへの導入がうまいので、これは衝撃的だった。
思春期のオヤジキモイ病真っ盛りの神田マリは、自らも所属するバレー部顧問のぐっさんを傷つけるために教師の好感度ランキングコンテストを企画する。
部員の河辺彩香は捻挫したふくらはぎをぐっさんがさする姿に、ぐっさんの性的欲求不満を鋭く見抜いたからだが、当の河辺はぐっさんに優しくされるのがいやではなかったというオチつきである。
ランキングの結果は、
1位 鈴木先生 27票
(コメント)さいこーカッコイイ!
めっちゃいかす
メガネ姿が知的~ドキドキ
大スキドキドキ
2位 岡田先生 23票
(コメント)IドキドキOKADA
兄キ…
3位 槇田先生(誰?) 16票
(コメント)かわいいめっちゃ癒し系ラブリー
一方ワーストは…
1位 山崎先生(ぐっさんね) 34票
(コメント)うざい!!
きもいよあせる
女に飢えてるダウン
目がギラギラしすぎだよ汗
なんか生理的にムリ汗
さわらないでよね。
2位 江本先生(赤堀雅秋である) で20票
(コメント)昔自慢するなー
グチやめろむかっ
授業がつまらない
そして3位は鈴木先生、得票数は見えない。ワースト2位の赤堀雅秋は確信犯としての入賞であり、「なんで俺が2位なんだwww」とうそぶいているのだが…
キレたぐっさんが、ホームルームで、「大人しくしてたら、つけあがりやがって!」と怒鳴り散らすあたりから、通常の学級運営物からじわりと逸脱し始める空気。
宥めに入ってきた長谷川博己に、「裏切り者の平良の口封じに来たんだろう!」と罵声を浴びせ、「ほう、やっぱり可愛い子はぬかりなく手なずけてらっしゃる」。長谷川のクラスの女子を喜び組と決めつけ、はじめから攻撃色全開。
ここらで、学園ドラマという本音と建前の葛藤劇から完全に峻別した。
神田マリと河辺彩香の小競り合いをここに挟むのは演出上の計算にもとづくものだが、芸が細かい。神田がキーッと卒倒し、その場全員のテンションが上がりまくる中、「ハッハッハッハッ! 」と哄笑してさらにステージを上げるぐっさんは、もはや場を異化するトリックスターと化している。
「もう茶番はたくさんだ! 本当は全部お前が仕組んだんだろうが!いつもいつも人をダシにして自分だけいい顔しやがって…」
これは俺のせいなのか?と自問する長谷川をクローズアップし、シーンは閉じる。
後日談として、ぐっさんは慰めてくれた田畑智子に告白してさらに撃沈。連日のイメクラに通いでハイソックス萌えにひたり精神の回復をはかるが、もはや転落設定は躊躇はなく、このイメクラ嬢が河辺の姉だったという展開。行状が教育委員会にあらわになり、辞職を余儀なくされる。去っていくぐっさんと長谷川を対比し、「俺は向こう側へは行かない」と長谷川に内声で言わせる。
長谷川博己は「壊れていく鈴木先生」を演じることに意欲を燃やしていたという。
この物語は「鈴木メソッド」の実践による大岡裁きの物語ではなく、メソッドを夢みながら壊れ、再生(鈴木先生ふうに言えば「昇華」)していく鈴木先生を描くものとなるのだろうか。
一方、長谷川の彼女である臼田あさ美も職場ストレスが原因であきらかにうつ病を発症している。
長谷川は臼田を期待された形で引き受けることができないだろう。長谷川は臼田で妄想を育てることができない。土屋太鳳でしかスタートしない長谷川博己の妄想は、どこにつながろうとしているのか。
第4話|臼田あさ美はSPECホルダーなのか
前回の破壊力がすさまじかっただけに今回は題材的には地味である。
そりゃそーだよね、という視聴者も予想しているわけだが、これならどうだ!と言わんばかりの詰め方でオリジナリティを主張する展開で、
今回も目を離せなかった。
「学校のトイレでウンコ恥ずかしい」
「母親に言われて長靴で登校、恥ずかしい」
「面白いことを言って好きな女の子の気を惹きたい」
というだけの話なのだが、ここまで面白くできるのかと感心。
雷鳴が轟く昼休み、脇腹から血を流す女子とコンパスの針を手にしている男子、というドラマチックな導入から、時間を戻して事実を描写していく構成。前回はそうでもなかったが、論理の積み重ねがこのドラマの特徴である。
と書くと、また鈴木メソッドによる大岡裁きかと思うが、今回は長谷川博己はひたすら黙って座っているだけだ。
好きな女の子を笑わせようと、友達の長靴をしつこくからかっているところを、自分もウンコをしてたくせにと女子にバラされ、かっとなって突き飛ばし、たまたま床に落ちていたコンパスでケガさせてしまった男子。
どうしても自分の非を認めず、皆の前で演説することになる。
しかし「好きな女の子を笑わせようと」という部分を説明できないために、演説は支離滅裂になり、結局は「好きな女の子」にもそれを知られ、なおかつクラスの全員から「お前のウンコのことなんてどうでもいい」と思われ、しかもその女の子も長靴で来ていたことを知って、
自己正当化は完全に失敗して、生徒は真っ青になって嘔吐してしまう。
“最悪”だ、と談話室で突っ伏したまま動かない生徒に向かって、長谷川博己は「最悪だなんて言うなよ」と励ますのだが、しかしその後、職場の外で待ち伏せた臼田あさ美が、土屋太鳳をめぐる長谷川の妄想を正確に言い当てる驚くべきシーンが挟まる。
これはまた夢オチ?と思ってしまうのだが、そうではなく、ショックを受けた長谷川は自分のアパートに逃げこみ、台所のシンクに顔を突っ込んで「最悪だ」とつぶやくのである。
臼田あさ美はその前にも学校校舎に現れて長谷川を糾弾したりしていたのだが、あれも全部長谷川の幻視ではなく、SPECだということなのだろうか。
一方で、富田靖子にも危ういものを感じる。
富田は生徒の覚醒を目指す鈴木メソッドに危険なものを感じ、長谷川博己との対決の流れが作られつつある。
第5話|土屋太鳳はのんのん様
ぐっさんの後任として体育教師に就任した夕輝壽太は、終盤にいたって、土屋太鳳のことを「のんのん様」と呼んでいた。
まるで花輪和一の漫画のひとコマのようであるが、これは幼児語であって、「観世音菩薩・観音様」のことである。群馬、石川、静岡、兵庫、広島、香川、京都とかなり広範囲にわたって用いられているようだ。観世音菩薩は顔立ちも女性的であるし、「慈母観音」などという言葉から示されるように女性と見る向きが多い。
対して地蔵は男性の僧侶形の像容で、昔、これを踏まえた上で、永井豪の漫画で「観音開き」という、PTAを怒らせるネタがあって…まあそれはいいかwww(たしか「廃人二十面チョ」ではなかったか)
さて、臼田あさ美がSPECホルダーであるのかどうかは、まだ明らかではない。長谷川博己とよりを戻したように見えたが、臼田は長谷川を受け入れられるだろうか。
長谷川は次第に壊れ方が大きくなってきていて、職員室で自分を避難する教師たちの幻影を見たり、1時限分にわたってノートPCのキーボードを叩きまくるも、実際に打ち込まれていたのは記号だけだった、という具合である(これはでんでんや田畑智子に見られてしまった)。
富田靖子の存在と、その対決の構図は次第に輪郭が濃くなりつつある。
土屋太鳳はのんのん様として昇華し、誰が好きなのかという問題はすっかり矮小化されてしまう。土屋は先生は先生であり続けよと命じ、長谷川博己も夕輝壽太もひれ伏すと同時に教師であり続けるほかはなく、次週以降も壊れ続けていくのは必至である。
表面的にはたいしたことが起こっていないのだが、きたるクライマックスに向けて爆弾は何重にも埋め込まれている状態だ。
第6話|ユルい子の伝説
小野花梨ののたまうセリフが凄くて、文字通り頭がクラクラする。
そもそもこのドラマは、西井幸人が、隣のクラスの廣田亮平の小学4年生の妹とやっちゃった、という話から始まっていたから、こういった路線は既定なのだが、それでも、付き合っていた野球部の先輩・千葉一磨については、泣きながら、「会ってもエッチしかしたがらないし、しかもすごく乱暴なんだもん、濡れる前に入れてくるし!」。
新しい彼氏?の藤原薫については、「あいつは初めてで下手くそだったけど、でも私のお願い通りに丁寧にしてくれたの」と教師である長谷川博己にぶつけるセリフには、やはり目眩をおぼえる。
小学4年生を性交事件を起こした西井幸人は1年生のときの小野の彼氏?で、野球部の千葉一磨は、「こいつの処女を奪ったお前が一番許せねえんだよ!」
…この中学は三鷹市立緋桜山中学校なのだが、中央線は今やここまでDQNな環境なのだろうか、と、しょせんドラマであるかぎり荒唐無稽さを免れないと思いつつも、見ていて、これはいったい大丈夫なのだろうかと思ってしまう。
西井幸人は、小学4年生との事件について、中学に入った頃から年上の子にセックスを教えられ、それから手当たり次第に相手を変えてきたが、誰とも長くは続かなかった、と語っていた。おそらくその遍歴の中で小野花梨の処女を奪ったとおぼしい。小野はバレーで脚をくじいてさすってもらったことでぐっさん先生を追いつめた元凶となる事件を起こしていたのだが、あのときも「優しくされてイヤじゃなかった」と叫んでいた。優しくしてもらうとなんでもしてあげる自分に酔うという、伝説的に存在すると伝えられる、いわゆるユルい子の描き方がなにげにリアルである。
小野花梨は「犬飼さんちの犬」の長女でもあり、子役からのキャリアも長いのだが、ここではちょっと頭の足りない、可愛くもない子としてうまく演じている。
こういった環境に「コンドームを付けない主義」という鈴木先生を配置するスリルが、このドラマの面白さである。
「人間の営みにはつけてすることが許されている、
この選択を選ぶときお前はきっとまだ覚悟のできない自分を自覚するだろう。
その自覚と痛みを忘れないでくれ」
という長谷川博己のセリフには凄味がある。
第8話|富田靖子の怪演
小野花梨のなまなましい話が続く前回は、見はしたものの、レビューを書かずじまいで終わってしまった。
土屋太鳳の注目度も平常に戻り、話は一段落して、この第8話・9話を経て、その次がクライマックスになると思う。
視聴率的にはあまり良好とは言えない様子である。面白いし、ある意味、画期的なドラマなのになあ。
どこへ向かっているのかわからないところが魅力なのだが、視聴率がよくないのはそれが原因であろう。
それにしても、富田靖子の足子先生は怪演で怖すぎるぐらいだ。
第9話|かつてないクライマックスの問題作
もはや、いっときも目を離せない展開になっている。伏線を探すとか、そーゆーコトぬきに、出演者の演技が見逃せないのだ。
(伏線と言えばひとつだけ、下駄箱の後ろで頃合いを待っていた富田靖子が校内に足を踏み入れたとき、黒い鳥の羽のようなものがひらひらと待っていた。富田靖子はすでに暗黒面に堕ちており、人間の顔をかぶった異形の者と化しているのだろう)
それにしても、生徒たちの演技がすばらしい。
次週(最終回?)の裁判本編も楽しみなのだが、裁判が始まる前の生徒たちの言い争いというか、ぶつかり合いは、これまでのテレビドラマではちょっと見ることのできなかったようなものだ。編集は入っているものの、ほとんど長回しで撮っているかのような臨場感である。
これまでのエピソードがすべてこのシークエンスのためにあったかのような、キャラクターが重ねあわされたセリフと表情に、ひとつひとつ解説していきたくなるほど面白かった。
この間、この大事な場面に入る前のリハーサルで、「自分たちはどんな気持ちで、この場面に向かっていくか」を話し合いました。
今までたくさんの台詞について考えてきたし、演じてきたけど、
今回の話し合いは演技としてではなくて、自分たちの考えはどうなのか?
という話し合いだったので、みんな自分の言葉で話をしました。
最初はなかなか意見が出なかったけど、出水君の意見をきっかけに、
いろいろな人が自分の考えをどんどん出していって、
私はそれをホワイトボードにまとめていきました。土屋太鳳オフィシャルブログ「たおSpring day」かなり戦略的な作り方だと思う。
映画ならともかく、そんな手間をかけて撮っているドラマはないんじゃないかなあ。キャスト
緋桜山中学教師
鈴木章 – 長谷川博己(幼少期:首藤勇星):2-A担任 国語
山崎潔史 – 山口智充:2-B担任 体育
桃井里香 – 田畑智子:2-B副担任 数学
江本源三 – 赤堀雅秋:2-C担任 社会
岡田征志 – 山中聡:2-C副担任 体育
川野達郎 – でんでん:2年指導主任 英語
続木護 – 夕輝壽太:体育
足子瞳 – 富田靖子:3-B担任 家庭
五井正子 – 歌川椎子:3年指導主任 国語
槙谷ゆり – 澤山薫:1-B担任 美術
石垣健児 –戸田昌宏:英語
松沢先生 – 倉田麻由子:体育
幸本先生 – 荒木義彰
佐藤先生 – 山口知紗
一之谷先生 – 西尾くみこ : 音楽
伊福部直孝 – 斉木しげる:校長
給食のおばちゃん – 松山尚子、よしのよしこ
周辺人物
秦麻美 – 臼田あさ美(OL・鈴木先生の彼女)
宮下ともみ(鈴木先生の10年前の元彼女)
林田麻里(元彼女の友人)
あらいすみれ(鈴木先生の母親)
緋桜山中学生徒
2-A生徒 出席番号順01 東潤也 – 影山樹生弥
02 阿部悠貴 – 内田純→柿澤司
03 出水正 – 北村匠海
04 入江沙季 – 松本花奈
05 太田ルミ – 鈴木米香
06 小川蘇美 – 土屋太鳳
07 桂チカ – 中西夢乃
08 樺山あきら – 三浦透子
09 河辺彩香 – 小野花梨
10 岸茜 – 澤田優花
11 小菅小夜子 – 森野あすか
12 駒井駿司 – 三宅史
13 紺野徹平 – 齋藤隆成
14 竹地公彦 – 藤原薫
15 丹沢栞 – 馬渕有咲
16 土田理沙 – 山口愛
17 椿美久 – 安田彩奈
18 藤山高志 – 桑代貴明
19 徳永雫 – 吉永アユリ
20 戸塚尚之 – 伊藤凌
21 中村加奈 – 未来穂香
22 梨本くるみ – 久本愛実
23 新見葵 – 福地亜紗美
24 野呂光輝 – 小山燿
25 長谷部哲 – 中嶋和也
26 浜口航太 – 西本銀二郎
27 福田千夏 – 鈴木梨花
28 堀の内七海 – 松岡茉優
29 松野ユキ – 田中明
30 岬勇気 – 西井幸人
31 本木聡馬 – 中澤耀介
32 森大雅 – 米本来輝
33 山口克己 – 清水尚弥
34 横関康輔 – 岡駿斗
35 吉井丈志 – 下山葵他クラス生徒
遠野涼介 – 広田亮平
神田マリ – 工藤綾乃
平良美祝 – 刈谷友衣子
山際大成 – 千葉一磨
旧2-A生徒
丸山康子 – 滝澤史
増田寛香 – 山谷花純
大野豊 – 宮本弘佑
佐藤光輝 – 渡部駿太
金井まこと – 森大悟
緋桜山中学生徒保護者
2-A保護者
遠野緑 – 手塚理美 (遠野涼介、真名の母親)
竹地まゆみ – 濱田マリ(竹地公彦の母親)
小木茂光(出水正の父親)
星野光代(出水正の母親)
赤間麻里子(中村加奈の母親)
水崎綾女(河辺彩香の姉)
旧2-A保護者
桜井聖(丸山康子の父親)
児玉ちえ(丸山康子の母親)
その他
相馬大海(増田寛香の友達)
金子海音(増田寛香の友達)
近藤真彩(増田寛香の友達)スタッフ
脚本 – 古沢良太、岩下悠子
監督 – 河合勇人、橋本光二郎、滝本憲吾
音楽 – 大友良英
サウンドコーディネイト – 志田博英
技術協力 – オムニバスジャパン
美術協力 – アートインプレッション、俳優座劇場、アートワークス
照明協力 – 三和プロライト
編集・MA – アクティブ・シネ・クラブ
スタジオ – 日活撮影所
プロデューサー – 山鹿達也・阿部真士(テレビ東京)、豊島雅郎・竹内文恵(アスミック・エース)、守屋圭一郎(ROBOT)
制作協力 – ROBOT
制作 – テレビ東京、アスミック・エース
制作著作 – 「鈴木先生」製作委員会
主題歌ドラマ 鈴木先生を見た人の感想
神田は小川が原因でA組から外された訳ではないにせよ、少なくとも鈴木先生にとっては「必要のないピース」だったことがわかる。
『鈴木先生』考察|伏線と影の主人公とは(そら|肩書きのないnoter)原作の良いところを汲みつつ、とっつきにくさを構成とキャストでカバーした素晴らしいドラマでした~!
ドラマ「鈴木先生」を全話見たよ(Nao)鈴木先生を見て私が色んな事を考えたように、もし少しでも気になっている方は鈴木先生を見て同じように悩み考えて欲しいと思います。受け取り方は人それぞれ、様々な答えがあると思うから。
鈴木先生感想- 私たちは 許されているだけ。(nutrition)