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臨場 続章

内野聖陽(臨場 続章) ドラマ
内野聖陽(臨場 続章)

『臨場』は、横山秀夫の『臨場』を原作とし、テレビ朝日によって製作された日本の実写映像化作品シリーズである。主演は内野聖陽。
2010年4月7日~6月23日放送の「続章」は、「第一章」(2009年4月15日~6月24日放送)の続編として、単行本未収録の作品と原作をベースにしたオリジナル脚本で製作され、先立つ「第一章」とは異なり、映画フィルム調の画質にした映像が全編で使われている。
続章の平均視聴率17.6%は2010年の民放の連続ドラマとしてはトップとなった。また、2010年の連続ドラマでは、NHKも含めて唯一、全放送回が16%以上を記録した。

内野聖陽の圧倒的な存在感に見ごたえ(臨場続章の感想)

ドラマを見るようになったのは2009年頃のことであって、だから俳優の名前などの知識は、じつは90年代でストップしている。トレンディドラマの全盛期は、テレビ自体ほとんど見なかった。

先日、林先生の精神科Q&Aで、立て続けに「先天性相貌失認」の症例(人の顔がおぼえられない)がアップされていた。
松たか子と松嶋菜々子と竹内結子の顔を区別できない、という症例などを読むと思わずドキリとする。
言うまでもなく、ドラマの楽しみのひとつはキャステイングにあるが、ギャル系のタレントもしばしば区別がつかなかったりするから、その楽しみの多くを取り逃がしているような気がする。わが敬愛する故ナンシー関もそう言うであろう。

それはさておき、内野聖陽という人は、やっぱり知らなくて、これは「JIN -仁-」を見ていなかったせいである。
このドラマで初めて見て(第1章も見たことなかった)、その、ゲホゲホむせ返るほどの男くささにびっくり。
よく考えると、坂本龍馬のままなのである。
文学座の人で、NHKにはずいぶん出ているが、やはり見てないからよくわからない。

さて、本作は構造的に人情話だし、レギュラー女優は今となってはあまり華のない松下由樹だし、ぜんたいにかなり地味めのドラマなのだが、とにかく内野聖陽の圧倒的な存在感ですごく見ごたえがあった。
内野演じるところの“野蛮な健康”である倉石は、毎回、自宅の庭で採ったキュウリやらトマトやらを片手に現場に乗り込むのだが、陳腐になりかねないそんな設定も、内野が演じるとぴったりである。
(これはドラマオリジナルで、横山秀夫の原作にはない設定だそうだ)

斬新さはなくても、驚くほどしっかりしたつくりで、最終回まで緊張を保ったドラマであった。

一応付記しておくと、第2話だけは再放送されない。これは小嶺麗奈がゲスト出演しているからである。第2話がどんな話かというと……

第2話「赤い名刺」

検視官心得の一ノ瀬(渡辺大)の仕事ぶりに、お前を見込んだのは間違いなかったと立原管理官(高嶋政伸)も満足げ。そお夜、一之瀬は留美を誘って飲みに行った帰り、偶然、以前付き合っていたホステスのゆかり(小嶺麗奈)と再会。ゆかりはルビーの指輪を自慢し、一ノ瀬が知っている男との結婚が近いことをアピールするが、それが誰かは教えてくれない。一ノ瀬は「俺の名刺を返してくれ」と言うが断られる。
その後、アパートの自室で遺体が発見される。ぶらさがり健康器に首を吊ったゆかりを発見したのは母・尚子(松本留美)だ。一ノ瀬は、自分の出世の妨げになるかもしれないと思い、茫然としながら現場へ。
部屋のドアはなぜか内開き。一ノ瀬は自殺であってくれと祈るがが、典型的な縊死の死後兆候に少し安心。倉石はゆかりの左薬指の指輪痕を発見したが、ルビーの指輪は現場から消えていた。さらに、ゆかりのワンピースには白い粉が。
一ノ瀬は首吊り自殺と推定するが、倉石は「俺のとは違う。これは殺しだ」。
そしてゆかりの部屋から一ノ瀬の指紋が出た。さらに一ノ瀬の名刺も。取調べを受け、問い詰められた一ノ瀬は、キャバクラで知り合ったゆかりとの関係を認めるる。刑事は婚約指輪を贈ったのも一ノ瀬だと疑う。ゆかりのアパート周辺での一ノ瀬の目撃情報も多かった。
また、ゆかりの胃の中からは睡眠薬が出て、しかも妊娠中だったことがわかる。しかしこれはDNA鑑定で一ノ瀬とは一致しなかった。
白い粉の正体はケーキ作りなどに使われるコーンスターチだった。ただし部屋にはコーンスターチはない。ゴム手袋をはめる時に粉が散って服を汚すので、滑りやすいようにパウダーの入った古いタイプの手袋がある。活材として使われているのはコーンスターチだった。
ゆかりが言っていた、一ノ瀬が知る人物だという婚約相手、二次会で同期が呼んだ人間、谷田部だった。倉石は、ゆかりの部屋のドアが内開きであることを知っていたことから、犯行が谷田部のものであることを見破る。谷田部の鞄には旧式のゴム手袋が入っていた。動機は妊娠を告げられたことだったという。

なかなか良い話ではないか。



臨場続章のキャスト

警視庁刑事部鑑識課 倉石班
 倉石義男 – 内野聖陽
 小坂留美 – 松下由樹
 永嶋武文 – 平山浩行
 神山 – 上川路啓志
 矢木 – 八巻博史
 尾形 – おのさなえ
警視庁刑事部捜査一課
 一ノ瀬和之 – 渡辺大
 坂東治久 – 隆大介
 江川康平 – 辻谷嘉真
 秋田 – 石原茂史
 馬場 – 櫻井麻樹
 千原 – 津阪雄一
 立原真澄 – 高嶋政伸
警視庁
 福園盛人 – 草川祐馬
警察関係者の親族
 早坂真里子 – 伊藤裕子
 倉石雪絵 – 京野ことみ
季)
 内藤佳苗 – 水木薫
 永嶋善三 – 並樹史朗
その他
 西田守 – 小林勝也

臨場続章のスタッフ

原作 – 横山秀夫(『臨場』光文社文庫)
脚本 – 坂田義和佐伯俊道尾西兼一吉本昌弘
音楽 – 吉川清之
監督 – 橋本一藤岡浩二郎石川一郎
エンディングテーマ – 平原綾香「威風堂々」(ドリーミュージック)
プロデューサー – 佐藤凉一(テレビ朝日)、目黒正之横塚孝弘(東映)
制作 – テレビ朝日・東映

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