結婚できない男

夏川結衣(結婚できない男)
夏川結衣(結婚できない男)

関西テレビ放送(KTV・カンテレ)の企画、同局とメディアミックス・ジャパン(MMJ)の共同制作により、2006年7月4日~9月19日にフジテレビ系列の火曜夜10時枠にてまで放送。全12回。主演は阿部寛、脚本は尾崎将也。偏屈で独善的、皮肉屋だがどこか憎めない主人公が1人の女性との出会いを契機に恋愛、そして結婚を模索するまでの日常をコミカルに描く。
13年後を舞台とする続編『まだ結婚できない男』が同じくカンテレとMMJの共同制作により、同系列の火曜夜9時(「火9ドラマ」)枠にて2019年10月8日~12月10日まで放送された。

結婚できない男のあらすじ

建築家・桑野信介は、仕事の評価は高くルックスも悪くないが、皮肉屋で偏屈のため、女性や結婚に対して嫌悪感を示し、40歳になっても独身。高級マンションに1人暮らし、1人きりで食事をして買い物をするという気ままな独身生活を楽しんではいるが、どこか空しさも感じ始めていた。

結婚できない男の感想

2012年冬季ドラマで見逃したくないほど面白かったのは、本作のBS再放送と「ストロベリーナイト」だった。

ジャック・ニコルソンの「恋愛小説家」を念頭において作られたとのことだが、これはかなりフシギなドラマである。かたくなに守られたフォーマットの合間に毎回のストーリーが進行し、阿部寛の演じる桑野という男の謎が図式的に深まる仕掛けになっている。例えば、「金田」とは、一体、何なのか。

レンタルビデオショップ、コンビニ、運河を渡る橋等々。これらの場所も金田も、すべて阿部寛の生きる、孤独で心地良い日常の心象描写と言える(すべての場所は決まった角度からしか映らない。阿部寛の部屋には寝室があるはずだが、ついぞ描写されたことはなかった)。

阿部だけではなく、夏川結衣国仲涼子も、漫画喫茶やタンメンの店といった「彼女たちの場所」を持っており、登場人物は互いの場所を侵されないように行動する(レンタルビデオショップは例外)。

国仲が阿部を好きになるというクライマックスには、違和感が残る。何よりも国仲自身が首をひねっているのが興味深い。それを経て、夏川と阿部の感動的な邂逅が起こる。キスも抱擁もない、およそドラマとして信じがたい恋愛成就がたいへん素晴らしい。

阿部の計算された演技はいちいちおかしく、夏川結衣もいちいち可愛く、魅力的だった。

2023年の「すべて忘れてしまうから」での阿部の行動もこのドラマとほとんど同じだったから、阿部は20年も同じ空気感で演技をしていることになる。

結婚できない男のキャスト

主要人物
 桑野信介 – 阿部寛
 村上英治 – 塚本高史
 中川良雄 – 尾美としのり
 中川圭子 – 三浦理恵子
 中川ゆみ – 平岡映美→平祐奈
 桑野育代 – 草笛光子
 早坂夏美 – 夏川結衣
 田村みちる – 国仲涼子
 吉川沙織 – さくら
 金田裕之 – 高知東生
 沢崎摩耶 – 高島礼子
 小沢真理 – 西丸優子
 江森和美 – 高松いく
 KEN – こつぶ

結婚できない男のスタッフ

脚本 – 尾崎将也
音楽 – 仲西匡
主題歌 – Every Little Thing 「スイミー」(avex trax)
建築指導・監修 – ベースメント(朝妻義征)
プロデューサー – 安藤和久(関西テレビ)、東城祐司(MMJ)、伊藤達哉(MMJ)
演出 – 三宅喜重(関西テレビ)、小松隆志(MMJ)、植田尚(MMJ)
制作 – 関西テレビ→カンテレ、MMJ

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