1989年にオーストラリアで製作されたサスペンス映画。原題は「Dead Calm」。チャールズ・ウィリアムズの同名小説を原作としている。日本では劇場公開されずビデオスルー。テレビ東京での地上波放送字の副題は『デッド・カーム/死の航海・狙われた人妻』。
ジョージ・ミラー製作のオーストラリア映画で、ニコール・キッドマン19歳の出世作である(本作を見たトム・クルーズがハリウッドに招いた)。
登場人物がほぼ3人だけで、しかも1人と2人に分かれてしまう海の上の密室劇なのだが、チャールズ・ウィリアムズという作家の原作があり、なんとオーソン・ウェルズも映画化を試みていたとか。
事故で息子を亡くした夫婦が悲しみを忘れるためにヨットの旅に出るが、沈みかけている謎の船からボートでやってきたアブない男にヨットを乗っ取られ、夫(海軍所属)は謎の船に閉じ込められてしまうという話。息子を亡くしたくだりはそっくり蛇足である。
キッドマンはカーリーヘアで、大半のシーンが半裸ということもあってシガニー・ウィーバーにそっくり。やたらと彼女の顔のクローズアップが多い映画である。
男(「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のビフの取り巻きだったビリー・ゼインである)の正体は詳らかにされないのだが、無料でクルージングができるというチラシに釣られて参加したらAV撮影の下働きで、こき使われて逆上して一行を皆殺しにしたというところか。それだけでは船が沈みかけている理由も、その後の展開も説明できないのだが、とにかくキッドマンは男に犯され(ボディダブルなしだそうだ)、それから反撃ターンになり、夫を救うために大活躍する。最後の方はビリー・ゼインが何度も復活するスリラー展開になり、それなりに飽きさせない映画だった。
キャスト
レイ・イングラム:ニコール・キッドマン
ジョン・イングラム:サム・ニール
ヒューイ・ワーリナー:ビリー・ゼイン
ラッセル・ベローズ:ロッド・マリナー
スタッフ
監督:フィリップ・ノイス
脚本:テリー・ヘイズ
原作:チャールズ・ウィリアムズ
製作:ジョージ・ミラー、ダグ・ミッチェル、テリー・ヘイズ