新感染 ファイナル・エクスプレス

キム・スアン(新感染 ファイナル・エクスプレス)
キム・スアン(新感染 ファイナル・エクスプレス)

2016年の韓国のアクションホラー映画で原題は「부산행」。監督はヨン・サンホ。2017年9月1日には日本で劇場公開。時速300キロメートル以上で走行中の高速鉄道の車内を主な舞台として、ゾンビのパンデミックによる恐怖と、それに巻き込まれた人々の人間模様を描く。
カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング部門に特別招待作品として出品されたほか、ファンタジア国際映画祭で最優秀作品賞、シッチェス・カタロニア国際映画祭で監督賞・視覚効果賞を獲得するなど、国際的に高い評価を受けた。
自国公開当時の韓国ではゾンビ映画はヒットしないと思われていたため、「ゾンビ」という単語はNGとされて作中で用いられなかったうえ、スタッフやキャストも「あれ」や「それ」と言ってごまかしていたそう。鉄道シーンの撮影には韓国鉄道公社(KORAIL)の協力を得ている。

駄作風の邦題で期待なしで見始めたが(KTXはTGV方式らしいのでこの邦題はミスリードである)、オーソドックスなストーリーを丁寧に作っていて最後まで面白かった。
KTXは北京から釜山まで半島(続編のタイトルだ)を南北に貫いており、天安牙山、大田、東大邱と撤退しながら南下していくイメージは朝鮮戦争が元になっているという。セウォル号船長に類似する人物も出てくるし、いろいろ目端も利いているのである。

走る列車内の直線通路1本だけでのアクションというと「トレイン・ミッション」を思い出すが、こちらでは一切銃を使わないきわめてリアルな戦闘であり、リーアム・ニーソンのように屋根や床下を進むようなスタントもない。感染者用の車両を通過してトイレブースに退避した味方を救出するという設定は映画的ですばらしい。

細かい振りまでつけ、無双的な群衆描写から、「圧力」としてガラスを割るゾンビ描写もアニメ作家らしい新しいアイデアである。

あえてオリジナリティに完全に欠けるストーリーライン、人物設定ながら、丁寧に積み重ねていけばここまで面白いものができるという信念がいいと思った。

新感染 ファイナル・エクスプレス(吹替版) PrimeVideo

新感染 ファイナル・エクスプレス(吹替版) PrimeVideo

キャスト

ソ・ソグ – コン・ユ
スアン – キム・スアン
ソンギョン – チョン・ユミ
ユン・サンファ – マ・ドンソク
ミン・ヨングク – チェ・ウシク
キム・ジニ – アン・ソヒ
ヨンソク – キム・ウィソン
ジョンギル – パク・ミョンシン
インギル – イェ・スジョン
ギチョル – チャン・ヒョクチン
ホームレス – チェ・グィファ
感染者の女 – シム・ウンギョン
運転士 – チョン・ソギョン
キム代理 – キム・チャンファン
チーム長 – ハン・ソンス

スタッフ

監督:ヨン・サンホ
脚本:パク・ジュスクジョースーク・パーク
製作:イ・ドンハ
製作総指揮:キム・ウテク

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