中3の飛雄馬は進学に悩んでいたが、花形はすでに光洋高校野球部に入部し「甲子園で会おう」と声をかける。一方、川上哲治は一徹を巨人軍コーチに誘う。そんな中、一徹が怪我で入院。家計が苦しくなり、明子は花形家から学費を借りようとするが、飛雄馬は「おべっかを使っている」と姉を責める。翌日、花形の強い要望で光洋高校の紅白試合に投手として呼ばれた飛雄馬。明子から花形の手の怪我を知らされ、全力を出せなかった飛雄馬は花形にホームランを打たれてしまう。試合後、花形に殴られた飛雄馬は、学費援助を断って「自分の力で高校に行く」と宣言。真意を知った花形は自分を殴るよう飛雄馬に頼み、二人は和解。この光景を見た一徹は川上のコーチ就任要請を断るのだった。
ショートタイトルで着ているユニフォームも星雲高校のものになった。
日暮れの長屋の俯瞰から始まるが、いきなり絵がキレイになっている
躍動感あふれる飛雄馬のジャンプシーン
壁の穴に球を投げるのは相変わらずである。
一方。就職活動をしていた明子に電報が届く。
ちらりと映る星家の住所は「東京都足立区堀之内1-97-11」
ほんとに川の傍である |
今は首都高の下、長屋があったのはこのあたりだろうか…… |
飛雄馬は、死んだ母ちゃん似のおばさんの荷車を押してお駄賃100円をもらう。
(陸橋をエッチラ荷車を引いている光景、たしかに昔は見たなあ)
この時代の100円は、お駄賃としてはかなり高額のような気がするが……
先生への謝恩で、プレゼントはライターに決定。
集金するが、飛雄馬は持っている100円を渡したくないので、持っていないとウソをつく
しかし集めた金が100円足りないという騒ぎになり、
飛雄馬が一徹にプレゼントする軍手を100円で買っているところを目撃されたため、くすねたにちがいないと疑われる。
よくある展開ではあるが、それなりに複雑なわりには、話が大変スムーズに進み、昔の脚本家はこういう話を書くのがうまかったんだなー。
喧嘩になったところを先生に見つかり、なぜ100円持っていたのに隠していたか、なぜ軍手を買ったのかという弁明をしないので、飛雄馬は教師にまで疑われることになる。
言えなかったのは、おばさんが母ちゃんに似ていたからなのであった。
姉ちゃん、この事件のおかげでせっかく決まった倉成商事への就職がふいになった。
いやに話が伝わるのが早いと思ったら、PTA会長が倉成氏だったのだった。
悲しくて食事が喉を通らない明子は、一徹に問いただされて訳を話す。
一徹は、飛雄馬がウソをついているかどうかをピッチングで判定
嘘をついていないとわかった一徹は、学校に乗り込んで父兄会の開催を要請する。
その父兄会でも、なお荷車のおばさんのことを話さない飛雄馬だったが、一徹の熱弁で、教室の床まで剥がしてもう一度捜索することになった。
100円は倉成君の足の裏にくっついていたのがわかり、よかったよかった、わかってくれればいいんだよという終わりである。
星雲学園受験に向けて準備を始める星家。入学金20万円を心配する飛雄馬に、一徹は腹巻から預金通帳を取り出して安心させる。一方、ガソリンスタンドでバイト中の明子のもとに花形が訪れるが、赤川一味が花形の車にぶつかるトラブルが発生。飛雄馬は投げ石で花形を救うが、逆に「英単語を覚えろ」と説教される。模擬試験で4番の成績を取った飛雄馬だが、一徹は「なぜ1番になれない」と厳しく叱責。いよいよ星雲の入試日、面接で父親の職業を聞かれ、「父ちゃんは日本一の日雇い人夫です」と誇らしく答えるが、伴は「前代未聞だ」と差別的な発言をして大笑いするのだった。(第10話|日本一の父 一徹)