最高の教師-1年後、私は生徒に■された

最高の教師(松岡茉優)
最高の教師(松岡茉優)
最高の教師(芦田愛菜)

最高の教師(芦田愛菜)

2023年7月15日から9月23日まで日本テレビ系「土曜ドラマ」枠で放送されたテレビドラマ。主演は日本テレビ系連続ドラマ初主演となる松岡茉優。2019年1月期に同局「日曜ドラマ」枠で放送された『3年A組-今から皆さんは、人質です-』を手掛けたプロデューサーと監督による、完全オリジナル脚本作品。卒業式の日、「担任生徒の誰か」に突き落とされた教師が1年前の始業式の日に時を遡ったことから、自分を殺害する「30人の容疑者」である生徒たちと向き合い、再教育する物語。

すでにメジャーだった永野芽郁、上白石萌歌、川栄李奈、福原遥はともかくとして、秋田汐梨、富田望生、堀田真由、今田美桜、大原優乃、横田真悠、森七菜まで含む錚々たる面子の足がかりになった「3年A組-今から皆さんは、人質です-」のPと監督による、オリジナル脚本のドラマである。かのドラマと同様に、芦田愛菜 をはじめ、莉子當真あみ茅島みずき玉牧そら詩羽などがまるでオーディションのごとく顔をならべる。

松岡茉優その人自身、北村匠海土屋太鳳三浦透子小野花梨矢作穂香などを生んだ問題作「鈴木先生」(2011)の卒業生であることも忘れてはならない。

「3年A組」は、同じ世界観で「ニッポンノワール」「桜の塔」も書いた武藤将吾の脚本だったが、今回その名はなく、ツバキマサタカという謎の人物(武藤とも、菅田将暉とも噂される)がクレジットされている。

さてドラマは「女王の教室」なみにセンセーショナルなもので、初回の鮮やかさは今季一番の出来だった。天海祐希に比べれば小柄な松岡茉優 はパンツスーツで迫力に欠けるが、目が座っていて、これまでの演技とは一線を画す。

そしてやはり芦田愛菜である。序盤で問題が解決してしまったので(そこまでの演技はそう目新しいものではなかった)、この後どうするのかと思っていたら、ドラマに緊張感を与える通低音の役割を果たし、中盤過ぎで、みごとな長台詞をこなして物語から消えてしまった。

中心を担う女優が半ばでいなくなり、その真相を暴くクライマックスという変則的な構成になったわけだが、松岡は「犯人探しはしない、私たちは受け止めねばならない」と宣言する。最終回まで何度も繰り返されるこの台詞はきわめて倫理的なもので、重要である。松岡を突き落とした「犯人」の造形もまた学園ドラマの範疇を超えるものだったと思う。

そもそもの「2周目」というトリッキーな設定(ただし本作は伏線探しのドラマではない)と、それをタイトルの伏せ字に収斂させた最終回の手際も良かった。最終回が良かったドラマは、今季2本目だ。

2023ベストドラマ

キャスト

主要人物
九条里奈(くじょう りな) – 松岡茉優
鵜久森叶(うぐもり かなう) – 芦田愛菜
星崎透(ほしざき とおる) – 奥平大兼
相楽琉偉(さがら るい) – 加藤清史郎
東風谷葵(こちや あおい) – 當真あみ
西野美月(にしの みつき) – 茅島みずき
九条蓮(くじょう れん) – 松下洸平
鳳来高校
3年D組
阿久津由利(あくつ ゆり) – 藤﨑ゆみあ
生田やよい(いくた やよい) – 莉子
瓜生陽介(うりゅう ようすけ) – 山時聡真
江波美里(えなみ みさと) – 本田仁美(AKB48)
神楽誠(かぐら まこと) – 丈太郎
金澤優芽(かなざわ ゆめ) – 田鍋梨々花
貴島千里子(きじま ちりこ) – 藤嶋花音
倉知夕夏(くらち ゆうか) – 岡井みおん
向坂俊二(こうさか しゅんじ) – 浅野竣哉
迫田竜輝(さこた りゅうき) – 橘優輝
栖原竜太郎(すはら りゅうたろう) – 窪塚愛流
月野春香(つきの はるか) – 柿原りんか
遠山泰次郎(とうやま たいじろう) – 岩瀬洋志
中園胡桃(なかぞの くるみ) – 寺本莉緒
野辺桐子(のべ きりこ) – 田牧そら
日暮有河(ひぐらし あるが) – 萩原護
藤原大志(ふじわら たいし) – 山下幸輝
穂積渚(ほづみ なぎさ) – 白倉碧空
眉村紘一(まゆむら こういち) – 福崎那由他
瑞奈ニカ(みずな ニカ) – 詩羽
目白直紀(めじろ なおき) – 川本光貴
森海悠仁(もりうみ ゆうと) – 阪本颯希
蓬田健斗(よもぎだ けんと) – 夏生大湖
渡会華(わたらい はな) – 田中美久(HKT48)
教員
我修院学(がしゅういん まなぶ) – 荒川良々
花村千代子(はなむら ちよこ) – 長井短
森育男(もり いくお) – 細田善彦
林結起哉(はやし ゆきや) – 犬飼貴丈
巡渉(めぐり わたる) – 粟大和
宮崎彰(みやざき あきら) – 黄地裕樹
里奈と叶の関係者
浜岡修吾(はまおか しゅうご) – 青木柚(第5話 – 最終話)
勝見夏穂(かつみ かほ) – サーヤ(ラランド)
早乙女智美 – 森田望智(第2話 – 最終話)
鵜久森美雪(うぐもり みゆき) – 吉田羊(第4話・第6話 – 第9話)
ゲスト
第1話
美山志乃(みやま しの) – 齊藤なぎさ(第5話)
木下幹太(きのした かんた) – 杢代和人(第5話)
第2話
瓜生梓(うりゅう あずさ) – 中島亜梨沙
瓜生亮二(うりゅう りょうじ)、瓜生勇樹(うりゅう ゆうき) – 鳥羽涼太、川田琥太郎
第4話
浜岡の仲間 – 坪井楓侑、村井良輔
江波優里 – 大賀埜々
江波美紀 – 葛西杏也菜
第5話
伴ひかり(ばん ひかり) – 畑芽育
二色愛未 – 志田こはく
加賀凛(かが りん) – 菊地姫奈
鍋島聖衣良 – みとゆな
第6話
東風谷葵の母 – 小林桃子(第7話)
第7話
高田香子 – 高田和加子
記者 – 松林慶知
第8話
浜岡の手下 – 塩谷惣一朗(第9話)
第9話
雀荘の客 – 碓井英司

スタッフ

脚本 – ツバキマサタカ
演出 – 鈴木勇馬二宮崇
プロデューサー – 福井雄太鈴木努秋元孝之
土曜ドラマ

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