けんかえれじい

浅野順子(けんかえれじい)
浅野順子(けんかえれじい)

鈴木隆の小説(1966年理論社刊)を原作として、1966年に鈴木清順監督、高橋英樹主演で公開された映画。製作は日活で、鈴木清順が先に手掛けた『東京流れ者』の続編『続東京流れ者 海は真っ赤な恋の色』(森永健次郎監督)と2本立てで公開された。他に、1973年5月~6月までNHK少年ドラマシリーズで6回放送されたドラマがある。

けんかえれじいの原作

鈴木 隆「けんかえれじい」 (角川文庫)

鈴木 隆「けんかえれじい」 (角川文庫)

けんかえれじいの原作を読んだ人の感想

映画けんかえれじいのあらすじ

旧制岡山第二中学校の生徒・南部麒六は、夢見がちで柔らかい物腰の学生だったが、憧れの道子を馬鹿にした上級生たちとケンカになり、上級生を叩きのめしてしまう。その様子を見ていたOBでケンカの達人・スッポンは、麒六のケンカの才能を見込んで、麒六にケンカの極意を伝授。麒六はたちまち学校の不良たちを制圧し、学校最大の勢力OSMS団(岡山セカンドミドルスクール団)の副団長に祭り上げられたが、学校に軍事教練にやってきた教官と衝突し、岡山を出奔することとなる。
会津若松の親戚の家に転がり込んだ麒六は、喜多方中学に入学し、ここでも地元のバンカラ集団昭和白虎隊と死闘を展開。地元のカフェで出会った不気味な男が北一輝であることを二・二六事件の新聞報道で知った麒六は、道子との恋にも破れ、更に大きなケンカを求めに東京行きの列車に飛び乗った。

映画けんかえれじいの感想

浅野順子の障子のシーンはまさに映画そのものと言える(その直後の走り去る彼女がするりと暖簾(?)を落としていく完璧なショットまで含めて)。
コントラストの効いた美学的な構図、ダイナミックなキャメラ移動、清順的なおかしなショットなど、やはり不朽の名作である。
40年前、入ったばかりの大学サークルでこの映画の上映会を企画していたことを思い出す。あれは、終盤の軍靴に蹴散らされる浅野(大橋巨泉夫人である)、北一輝(緑川宏である)のクローズアップからラストカットにいたる画面の熱気がもたらした、時代的な興奮だったのだろうか(公開当時の全共闘の興奮を共有することは難しい)。
その部分が蛇足だとは思わないけれども、あまりにも美しすぎるシーンが多すぎる。

それにしても、浅野順子(葵わかなに似ている)の「身体の欠陥」って、何だったのかな。

映画けんかえれじいのキャスト

南部麒六 – 高橋英樹
道子 – 浅野順子
スッポン – 川津祐介
道子の母ヨシノ – 宮城千賀子
マンモス先生 – 加藤武
喜多方中学校長 – 玉川伊佐男
アヒル先生 – 浜村純
近藤大尉 – 佐野浅夫
みさ子 – 松尾嘉代
剣道先生 – 長弘
麒六の父 – 恩田清二郎
タクアン – 片岡光雄
ガニ股先生 – 日野道夫
叔父 – 福原秀雄
金田 – 野呂圭介
ウドン屋の娘 – 夏山愛子
柔道先生 – 晴海勇三
杉田 – 杉山元
千代田弘
カッパ – 田畑善彦
叔父の若い妻 – 横田陽子
橋谷田 – 加川景二
喜多方の百姓 – 久松洪介荒井岩衛
二二六事件の張り紙を読む通行人 – 水木京一近江大介
スッポンの同志 – 本目雅昭(方言指導兼)
昭和白虎隊隊長 – 高橋明
二二六事件の張り紙を読む通行人 – 小林亘伊豆見英輔
北一輝 – 緑川宏
昭和白虎隊隊員 – 岩手征四郎
大庭喜儀
昭和白虎隊隊員 – 立川博
高緒弘志(方言指導)
水川国也
石川恵一
カッパの仲間 – 熱海弘到
麟六の同級生 – 矢藤昌宏
赤司健介
村井健二
溝口拳
式田賢一
小永井孝
小見山玉樹
昭和白虎隊隊員 – 中平哲仟
岡山第二中同上級生 – 根本義幸
北上忠行
大前田武
佐藤了一
片岡正弘
技斗 – 高瀬将敏

映画けんかえれじいのスタッフ

監督 – 鈴木清順
企画 – 大塚和
原作 – 鈴木隆
脚本 – 新藤兼人
撮影 – 萩原憲治
美術 – 木村威夫
照明 – 熊谷秀夫
音楽 – 山本直純
録音 – 秋野能伸
編集 – 丹治睦夫
助監督 – 葛生雅美
凝斗 – 高瀬将敏

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