早春スケッチブック

樋口可南子(早春スケッチブック)
樋口可南子(早春スケッチブック)

フジテレビ系列「金曜劇場」枠で1983年1月7日~3月25日まで放映。全12話。地人会が本作の舞台版を1984年に制作し、三越ロイヤルシアターにて初演された。原作・脚本は共に山田太一。

早春スケッチブックのあらすじ

一見普通の4人家族である望月家は、娘・良子(中1)が父・省一の前妻との子、息子・和彦(高3)が母・都の昔の男との子という複雑な4人家族だった。国立一流大学を目指し共通一次試験を控える和彦の前に、突然謎の女が現れ、和彦の実の父親・元写真家の沢田竜彦の前に連れて行く。
竜彦の登場により望月家のの家族関係にはヒビが入る。収束しようとする母、家族を守ろうと必死の父、強烈なショックを受けた和彦、そんな3人に気を揉む良子。しかし竜彦は重い病に冒され、余命幾ばくもなかった。
望月家の4人は竜彦の存在によって、「本当の家族とは何か」、「死を直前にした人間にしてやるべきことは何か」といったことを真剣に突き付けられる。竜彦を疎ましく思いながらも心を開いていく省一….さまざまな思いが交錯し、それぞれがそれぞれを思いやりながら、物語は大団円へ。

早春スケッチブックの感想

「お前らは、骨の髄までありきたりだ。」という台詞で有名な1983年の山田太一作品。高校3年の鶴見辰吾、その母親に岩下志麻、謎の女に樋口可南子、そして鶴見の実の父親に山崎努というキャスティング。脇をかためる河原崎長一郎二階堂千寿も良く、私は当時テレビをほとんど見ていなかったが(本作も初見)、いい時代だと思う。
舞台は相鉄線希望ヶ丘で、希望ヶ丘駅や希望ヶ丘商店街、河原崎の勤める八千代信用金庫瀬谷支店、鶴見や二階堂の通う希望ヶ丘高校・中学などが、すべて実名のまま登場し、八千代信金などは行内でロケされている。また、懐かしい雑誌「写楽」のページをめくる鶴見が、樋口可南子のヌード(篠山紀信撮影)を発見するシーンがあったりする(樋口は新村明美という役名のモデルという設定)。問題のヌードも画面にばっちり入っている。今ではこんなドラマは作れまい。

ついでに、樋口は愛車ピアッツァを運転している。ああ83年!

早春スケッチブックのキャスト

望月 都 – 岩下志麻
望月 省一 – 河原崎長一郎
望月 和彦 – 鶴見辰吾
望月 良子 – 二階堂千寿
沢田 竜彦 – 山﨑努
新村 明美 – 樋口可南子
三枝 多恵子 – 荒井玉青
大沢 誠 – すのうち滋之
丸山 – 水谷貞雄
渡辺 – 高村玄二
衣笠 真弓 – 中村亜子

早春スケッチブックのスタッフ

脚本 – 山田太一
プロデューサー – 中村敏夫
演出 – 富永卓二河村雄太郎
音楽 – 小室等
制作著作 – フジテレビ

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