1991年(平成3年)7月4日-9月19日にフジテレビ系列「木曜劇場」枠で放送。タイトルはヴァンサンカン・マリアージュと読む。安田成美演じるOLが、青年医師とかつて愛した18歳年上の上司との間で揺れ動き、人生の選択に直面する様を、当時連続ドラマを担当するようになった大石静が脚本を担当し描いた作品。菊池桃子扮する「右子(みぎこ)」が好感を持って受け止められ「右子現象」なる言葉が女性週刊誌を飾った。
ヴァンサンカン・結婚の感想
キザったらしい小林稔侍(広告代理店の営業部長)と、当時から犬みたいな石黒賢(青年医師)の間で、24歳の安田成美が心を揺らすというドラマ。当時の24歳は、結婚するか、それとも仕事に生きるかという決断を迫られる年齢である。
舞台は91年で、安田がDCブランド(!)のプレスというトレンディっぽい設定でありながら、実は小林が不治の病に冒されていたりする不穏さがバブル崩壊直後の不安な世情を伝える。一度見たら忘れられなさそうなファーストシーンでは、安田が西新宿の小林のマンションからブラインド越しに東京都庁(まだ建設中)を眺め、「できあがったら悪魔の建物みたい」とつぶやく。部屋の壁にはニューシネマが映写され、ボブ・ディランの「I Shall Be Released」が流れている。けだし、崩壊の予感である。
菊池桃子が演じるイケイケの女性の生き方が「右子現象」なるものを生んだというのだが、何のことを言っているのかもはやわからない。
ヴァンサンカン・結婚のキャスト
片島朝子 – 安田成美
松永右子 – 菊池桃子
向井薫平 – 石黒賢
森脇玲子 – 中村あずさ
宮原七重 – 相原勇
須賀今日子 – 床嶋佳子
広瀬貴子 – 磯野貴理子
市河清志 – 西村和彦
諸岡慎 – 村井国夫
友部俊一 – 水島新太郎
伊東幸江 – 溝渕美保
坂崎隆司 – 小林稔侍
ヴァンサンカン・結婚のスタッフ
企画 – 宅間秋史、石原隆
脚本 – 大石静(全話)
演出 – 藤田明二、星田良子
プロデュース – 中山和記
音楽 – 本多俊之
テーマ曲 – 上田知華「I WILL」
エンディングテーマ – Sugar beat「五番目のde ja vu」
劇中挿入歌 – 本多俊之「Vingt-Cinq ans」
制作 – フジテレビ、共同テレビ