神奈川代表決定戦の視察に向かう飛雄馬と伴の本命は、花形率いる紅洋高校である。前日、花形は元チームメイト滝の初ステージを見に銀座のクラブを訪れる。滝の下手な歌に客は冷ややかで、落ち込む滝を励ます。帰途、花形は交通事故で足首を負傷。翌日の決勝戦、紅洋は初回から2点を失う。7回裏、片足の花形は代打で打席に立つが凡退。しかし8回には片足で守備につき奮闘。9回裏、満塁の場面で打席に立った花形は決勝ホームランを放ち紅洋の優勝を決める。この姿は落ち込んでいた滝に勇気を与え、花形は甲子園での再会を飛雄馬に約束する。
ついに地区予選で優勝した青雲、明日はいよいよ甲子園に出発である。
ちやほやと息子の面倒をみる青木のお母さんを観て、
お母さん、か・・・
と飛雄馬は羨ましそう。
星さん、ですか? 息子が本当にお世話になりまして・・・
アラお顔に何か黒いものが・・・ほうら、とれたわ
帰宅して母の写真を見つめる飛雄馬。
母ちゃんは俺が甲子園にいくことを喜んでくれるだろうか
いやそんなはずはない
飛雄馬が考えるに、母ちゃんにとって野球はカタキのはずなのである。
一徹は魔送球で失業し、大酒飲んで暴れるようになったのだから・・・
「母さんがどうした、うん?」(帰ってきた一徹の顔が優しいww)
父ちゃん飲みなよ、俺ついでやるよ
しかし一徹は猪口を伏せ、「やはり今日はやめにしよう」
ここで飲んだら、あいつの笑い声が聞こえるようだ
※
ここでモノクロ映像の回想──
野球の絵を描いている飛雄馬
ネクタイ締めた一徹が帰宅。土産は紅白饅頭
うちの会社で建てたビルが完成したんだ
って一徹、建設会社の社員だったの??
しかし飛雄馬が描いているのが「魔球」と知って顔色を変える
お前までが野球に狂ったら・・・!
そこにナレーション
母はるえが発作を起こしたのはそのときだった
医者を呼びに行った明子が帰ったときには、すでにこときれていたのだった…
※
「ちょうどこんな雨の日だった、わしが巨人軍を去ったのは…」
と、また回想シーンに戻る。
明子がカワイイ
泥酔して帰った一徹に水をぶっかけるはるえ。
野球に命をかけた男の気持ちが女なんかにわかってたまるか!
わかります、わたしはその男の妻ですから
と言われて、
それからわしは深酒をやめた・・・
酒はやめてもタバコはやめないのか??
みたび、回想――
さっきの、こときれる寸前の場面である
悲しく回るメリーゴーランド
はるえに言われて箪笥を開け、驚いている一徹。
こ、これは子供のユニフォーム!
しかも巨人の、である。
お父さんが魔送球で追われたとき、飛雄馬の運命は決まったの
と、はるえはオソロシイことを言う。
だってあの子の体には星一徹の血が流れているんですもの
そういうのを呪われた血というんじゃないかねえ・・・
そして母さんの星は、巨人の星になった・・・
※
うそだ! 母ちゃんは野球に一番ひどい目にあっているのに!
一徹の話を信じられない飛雄馬である。
俺は甲子園でがんばればがんばるほど、母ちゃんに憎まれていくんだ!
どこをどうしたら、そんなひねくれすぎた考え方ができるのか(^_^;)
しかし一徹がわざわざ証拠として子供のユニフォームを出してきて、
「お前は3歳のとき、それを着て母さんの墓参りに行ったんだぞ」
と言うと、あっさりと感動して、
「おれやります、やってきます!」と母に誓うのだった
イヤ、態度変えるの早すぎだから・・・ww
※
そして翌日、東京駅は「超特急」ひかり号。
ホームではしゃぐ大造の姿に、「およびでないオヤジだ」と流行語を呟く伴。
みんな父兄が見送りにきている・・・とまた寂しがりやの飛雄馬。
おれも父ちゃんにもう一度会いたかったぜ・・・
でも、涙うるうるの明子が来てくれた
そしてホームの端にはなんと一徹が!そして・・・
ぶい!!
あまりにも有名な名シーンであった――
甲子園大会が開幕。星雲高校は抽選で昨年優勝校の三河高校と対戦が決まる。三河のエース立川は予選無被安打、決め球のドロップが強力。一徹は自宅で新調したテレビが届かず蕎麦屋で6時間も観戦、大造は重役会議中もテレビに夢中。開会式では各校が入場し、選手宣誓は花形が務めた。初日の試合で左門と花形はそれぞれホームランを放つ。自宅にテレビが届いた一徹が声を張り上げたため近所中から苦情が来るが、画面に映る飛雄馬に皆驚く。いよいよ星雲vs三河の投手戦が始まろうとしていた。(第34話|甲子園大会開幕)