地区予選を勝ち抜き甲子園出場を決めた星雲高校。甲子園への出発前夜、飛雄馬は母の思い出に浸る。母はるえは野球のせいで不幸になったから自分の甲子園出場を喜ばないだろうと悩むのだったが、一徹は、はるえが飛雄馬のために巨人のユニフォームを用意していたこと、飛雄馬が3歳で母の墓参りに着ていたことを明かす。母は飛雄馬が野球をすることを望んでいたのだ。翌日、東京駅で涙ぐむ明子が見送る中、ホームの端に現れた一徹が飛雄馬に「V」サインを送った。
さあ、夢にまで見た甲子園球場!
遅いのう――とイライラ伴が待っているのは、対戦相手決めのくじ引きの結果。
しかし、エース河野が引き当てたのは、昨年の優勝校、愛知の三河高校だった。
そのエース立川は予選でヒットを一本も許していない。決め球のドロップはプロでも通用するといわれているらしい。
つまり、スラムダンクの湘北が早々に山王に当たるようなものである。
そして開幕式が始まる。
玄関で下駄を飛ばして帰宅した一徹、「明子、テレビはまだか!」
どうやら甲子園の放送に合わせてテレビを新調したらしいのだが、まだ届いていないのである。
以前たしかにあった白黒のやつは、飛雄馬が小学生のとき、一徹が酔って壊したのである。
待ちきれずに、「ええい、いつもの蕎麦屋で見る!」
蕎麦屋に走る一徹
一方、大造は会議に出席中、重役の報告を上の空で聞いている。
「・・・そういうわけでありまして、わが伴自動車工業の将来は、東南アジア方面へ輸出をまず第一に考えまして・・・」
高度成長期だなあ
しびれを切らして報告を急かす大造は、ついにテレビを見ながらの会議にしてしまう。
さて選手入場。
まず三河高校、秋津高校、十勝商業、興沖高校、そして左門(熊本農林高校)、花形(紅洋高校)、そして青雲高校・・・
あれが優勝旗か!とキラーン
選手宣誓は花形、文部大臣による始球も終わり、第一試合は左門の熊本農林 対 東海高校。
左門、打球がピッチャー強襲からグーンと伸びて、そのままホームラン。
どんだけすごい弾丸ランナーなんだ。アストロ球児並みである。
第三試合は花形の紅洋高校 対 五徳高校。
花形も大ホームラン
打球が叩いたのは左門と同じ場所だ
さて、開会式からかれこれ6時間も蕎麦屋のテレビにかじりついている一徹。
手を付けてない蕎麦、もうとっくに汁がない
そこへ明子が「テレビが来ましたよ」と呼びに来た
「ちょうどよかった、これから青雲の試合だ」
グラウンドに降りた青雲ナインだが、相手校、立川の投球練習に息を呑む。
す、すんごいドロップである。。。
飛雄馬も負けじと豪速球で練習
立川もさらに力を入れ・・・両校とも、試合前から投手が全力で体力消耗してるww
一徹がテレビをフルヴォリュームにしたものだから、長屋じゅうから人が集まってきた。
「やいやい、あんただけが住んでるんじゃねえんだぜ!」
ところが飛雄馬の大写しに、あっと驚く一同だった。
そんなこととはつゆ知らず…とペコペコ。
一徹が巨大化ww
さあ、後攻の青雲、飛雄馬の第一球は──!?
星雲高校対三河高校戦。飛雄馬の豪速球と立川のドロップ魔球が互角の投手戦を展開し、8回まで0対0の膠着状態が続く。9回表、立川は意味不明のバントで三振。これは疲労を隠すための策略だった。9回裏、立川は制球が乱れ、星雲にランナーを許す。飛雄馬が打席に立ち、立川の秘密を見抜いてバントを決行。相手の疲労で一塁も間に合わず、星雲がサヨナラ勝ち。花形と左門は試合を観戦し、互いに飛雄馬打倒の決意を新たにするのだった。(第35話|魔球対豪速球)