2014年のカナダのサスペンス映画。原題は「Reasonable Doubt」。ピーター・ハウイット監督。キャッチコピーは「ゲームの勝者はどっちだ」。
ダウト・ゲームのあらすじ
新進気鋭の検察官ミッチ・ブロックデン(ドミニク・クーパー)は妻との間に娘を授かり、公私ともに充実した日々を過ごしていたが、ある夜、同僚と飲んだ帰りに、突然飛び出してきたセシル・アッカーマンを飲酒運転ではねてしまう。妻子のことが脳裏によぎったミッチは、救急車を呼んでその場を立ち去った。翌日、クリントン・デイヴィス(サミュエル・L・ジャクソン)がアッカーマン殺害の容疑者として連行された。デイヴィスは妻子を殺された傷ましい過去を持ち、当事件の裁判を担当することになったミッチは自責の念に駆られ、彼を擁護する。裁判後、デイヴィスが連続殺人事件に絡んでいることが判明し、ミッチは義兄のジミー(ライアン・ロビンズ)と2人で事件の全貌を明らかにしようと動くのだった。
(ダウト・ゲームの感想)
「合理的な疑い」という意味の原題(邦題には意味がなさすぎる)を口にするのは、強盗に妻子を殺されて復讐鬼と化した サミュエル・L・ジャクスンなのだが、自動車修理工がいかにもな法曹用語を口にするのはわざとらしく、白ける。
主人公 ドミニク・クーパーは(FBIっぽく見えるのは姓のためか)有望な新人検察官で、出産したばかりの妻と前途洋々の人生をおくっていたが、ある夜、パトカーを気にしながら飲酒運転をするうち、思いきり人をはねてしまう。人生が終わると思った彼はそのまま逃げたが、翌日、サミュエル・L・ジャクスンがひき逃げで逮捕されて驚く。ただ一人冤罪を知っている彼は事件を担当し、義兄に偽証させてまでサミュエルの無実を立証。しかし、無事釈放されたサミュエルは、 グロリア・ルーベン刑事が睨んだ通り、実は連続殺人の犯人だった。
ということで、妻子を殺してドミニクへの恩を仇で返そうとするサミュエルのが吐いた台詞が「合理的な疑い」。わかりにくいが、自分の境遇をドミニクに味わせようという魂胆なのである。
ドミニクの味方はグロリア刑事のみで、そもそもサミュエルの殺人を見抜き、ドミニクが仕組んだ偽証も疑うなど、デキる刑事ふうにもかかわらず、ちっとも捜査というものをしないし、疑いもなくドミニクを逮捕するなどキャラがぶれており、観ている側は「どっちやねん」と言いたくなる。結局、辻褄合わせのようにラストシーンに現れてドミニクを救い、映画はめでたしめでたしで終わる。よく考えると、事件後、主人公がひき逃げの罪で服役した様子がないのは、やっぱりおかしすぎる。めでたくないのだ。
ダウト・ゲームのキャスト
ミッチ・ブロックデン(検察官) – ドミニク・クーパー
クリントン・デイヴィス(自動車修理工) – サミュエル・L・ジャクソン
レイチェル・ブロックデン(ミッチの妻) – エリン・カルプラック
ブレイク・キャノン(刑事) – グロリア・ルーベン
ジミー・ローガン(ミッチの義兄) – ライアン・ロビンズ
スチュアート・ウィルソン(ミッチの同僚) – ディラン・テイラー
ジョーンズ(裁判長) – フィリップ・ベニンクメイアー
マケナ – ジョン・B・ロー
ブラウン博士 – ケリー・ウルフマン
ダウト・ゲームのスタッフ
監督 – ピーター・ハウイット
脚本 – ピーター・A・ダウリング
製作 – フランク・ブックス、フレドリック・マルムベルイ、シルビオ・ムラグリア、デビッド・バロウ、ダニエル・ワグナー
音楽 – ジェームズ・ジャンドリッシュ
撮影 – ブライアン・ピアソン
編集 – リチャード・スチュウィードル
公開 – アメリカ 2014年1月17日
上映時間 – 91分
ダウト・ゲームを観る
ダウト・ゲームの考察
-
テーマのようなものが中途半端で、目を引く様なイベントもありません。
ダウト・ゲーム|罪を逃れた男と罪を被った男の対決を描くクライムサスペンス。(映画の秘密基地アベルケイン・ドットコム) -
駄作ではないと思うので、サスペンスとか好きなら見てもいいんじゃないかと思います。
[映画] 嘘の上塗りと真の正義『ダウト・ゲーム』(珍士の沈思黙考) -
モヤモヤが爆発してしまうのは、飲酒運転でひき逃げした主人公の扱いに困惑するからだろう。
BOOKCITES