一徹の支持でマウンドより後ろに下げた飛雄馬の投球位置が、日に日にマウンドに近づいてくる。
その一歩一歩が、星雲野球部の成長の歩みなのである。
一徹は来たる地区予選戦に備え、レギュラー対補欠チームで先発メンバーを決めるという。
そして飛雄馬のマウンドからの投球を許した。
天野先生は、どうせあんたの息子をレギュラーにするんでショ、と渋い顔。
飛雄馬も、ついに父ちゃんは墓穴を掘ったか?と思うのだが、一徹はレギュラーチームの監督になり、補欠チームの監督が天野先生になると聞き、
父ちゃんが敵監督だなんて、あんまりだ・・・とショックを隠せないのだった。
天野先生は、まだ一徹が飛雄馬を選ぶための茶番だと思い、同じ見方のレギュラーチームの一塁手とムダ話。
3塁から猛スピードの送球で、ブラブラさせている一塁手のグローブめがけ・・・
折よくやってきた新聞部の三島がアンパイヤを頼まれる。
そしていよいよ試合開始、紅白試合だから5回まで。
「さあ飛雄馬よ、もう父ではない――」と一徹は意気込む。
投手の河野先輩も、「俺とてエースと言われる男だ」と張りきる。
飛雄馬、「俺にバックなんて必要ないぜ」と調子よく4回までは三振をとり続け、4回表には伴がホームランをかっ飛ばしたところまではよかったが・・・
ボールを受け取って伴はアウト、ホームランは取り消しになってしまった。
さらに裏でなにやら作戦をたてるレギュラーチーム。
レギュラーチームに一徹がかける声、「へそ作戦だ!」
「へそ??」と思いながら投げた飛雄馬の速球、いきなり打たれてピッチャー強襲。
「まぐれ当たりだ、くそっ」
しかし次も一塁打。
「まぐれが二度重なってパーフェクトが崩れたに過ぎん!」
あくまでも牽強付会な飛雄馬である。
心配した伴、柔道でもこういうことがあると忠告しに出てくる(参考にならない意見)。
「速いことは速いが、ちょっと一本調子過ぎるんじゃないか?」
しかしそんなことで人の言うことを聞く飛雄馬ではなかった。
「ほほう伴宙太さんよ、いつから俺にコーチできる名捕手になったんだ?」
と厭味たっぷりである。
しかし疑心暗鬼ながらも伴の言葉にしたがってスローボールを投げると、打者はいきなり腰砕けに。
へそ作戦はスローボールには効かないらしいのだった。
回が変わって、いよいよ最後の攻撃。
飛雄馬、ホームランを打ってやると意気込むが・・・
一徹の巧みな投球指示で打ち気をそらされ、クソボールを大根切りしてしまう。
それでも点を入れたい飛雄馬は無理してランニングホーマーを目指す。
外野からホームへの返球は!?
「アウトォ!」
飛雄馬は当然抗議。
「なんの恨みがあってアウトだというんだ!」小学生かwww
ついに無得点のまま攻撃を終える。
俺はこれまで星雲高校野球部・最高の優等生だった
その俺がこんなに打たれているのは、全部とうちゃんのせいだ・・・
デター、自己中心の逆恨み思考!
そして、謎のへそ打法で飛雄馬はどんどん打たれ続ける(あれっ、スローボール作戦は?)。
飛雄馬、自信を失い、だんだんコワレてきて、ついにサイケ描写の始まりである。
注目すべきは、これらの描写にちゃんとSEが入っていることである。
後年のアニメにもドラマにも映画にも、多大の影響を残した手法である。カイジが負けてグニャ~という描写も派生だろう。
飛雄馬が悩みつづける間に、今回は終わり・・・