【実況】巨人の星

第40話|血ぞめの決勝戦

【実況】巨人の星
【前回(第39話「雨の中の闘志」)のあらすじ】
左門戦で親指の爪を割った飛雄馬は、決勝戦の延期を願って雨が止まないことを祈る。無邪気にてるてるぼうずを作るチームメイトに怪我を打ち明けられず、代わりの小宮投手も自信なさげ。通りがかった伴大造の「負けたら各駅停車」という言葉に脅えて、白手袋を購入した飛雄馬は、大阪駅で帰郷する左門と再会し、左門が巨人のスカウト対象になったと知って涙する。左門は「明日の決勝戦、雨が止むよう祈ってます」と言い残して去って行った。飛雄馬はさらに切実に雨が続くことを祈る。

・・・しかし、雨はついに止んだのだった。
雨戸を開けた飛雄馬は、「ああっ、晴れてる…!」と絶望する。

一方、巨人の藤田コーチと荒川コーチも決勝戦を見るために甲子園球場に現れた。

ためしに一球投げてみた飛雄馬、「い…痛い…!」


すぐにスローボールに切り替えた。
「敵を気負いこませてヒョイッとスローボールではずす、これが名ピーッチャーの技でござい!」
伴は無神経なことを言っている。

* *

そしてプレイボール、星雲が先攻だが、例によって冴えない打撃。
みんなもう少し打ってくれてもいいじゃないか、俺に甘えすぎだ!と飛雄馬はひとりごち、マウンドに立つと、一斉に集まるスカウトたちの眼を意識せざるを得ない。
しかし、とりあえず投げられるのはスローボールだけ。
さすがに打たれたが、ピーゴロ、次はショートフライ。
三人目はショートゴロ、しかしボールがはねてランナーは一塁へ。
そして4番・花形登場――
「小宮さんに頼んでマウンドを降りようか、そうすればみんなは俺の不運に同情してもらえる…」
飛雄馬はまだイジイジと考えている。

しかし花形の眼は澄みきっている


スタンドで応援で大活躍の牧場の姿が見え、飛雄馬はそれを見て「みんなひたむきに若い命を燃やしている」と思い直す。
いや、オッサンかwww
ようやく腹を決めた飛雄馬は、伴になにごとか囁く。
長屋でテレビの前の一徹「やれ、やるんだ飛雄馬!」
勘の鋭い親父のはずが、今回は何も気づいていない。

* *

そしてコマーシャル明け、飛雄馬の策はなんと敬遠であった。

な ん だ っ て ・・・!

「ひきょうもの!」と罵りながら一塁に向かう花形

落胆するスカウトら

荒川コーチ「期待するほどでもなかったな」

それでも、藤田だけは何か気づいた様子。
「うーん、しかし、ちょっと気になる投げ方だな・・・」

一徹もまたようやく異変に気づく。
「あいつは死んでも敬遠などするわけがない」
「でも怪我をしたのなら、第二ピッチャーの小宮さんが…」と明子はもっともなことを言う。
「いや、どんな怪我をしても飛雄馬のほうが上。そこに飛雄馬の悩みがある」
小宮はどんだけヘボいのかww

落胆するスカウトら



スローボールを投げ続ける飛雄馬は、ついに出血していた。
そして花形の二打席目も敬遠。

アタマに来た花形は敬遠球を打つが…

 
場外になりそうなところをなんとかアウト。

ついに指からは血が噴き出す


ランナー2塁、そして花形の三打席目というピンチである。
飛雄馬「よし、父ちゃんに教わった作戦をやるか」

「むっ、『あれ』をやる気か!」

 

血がダラダラだが・・・

わざとインサイドボールで打たせ・・・

レフト前に転がし・・・

3塁を回ったランナーを・・・

ホームで殺す!

まんまとやられて悔しがる花形。
喜んだ伴だったが、ふと手元のボールを見て、

「血、血だ…!」


ベンチに戻った伴が顔色を変えているのを見て、飛雄馬は裏に引っ張りこむ。

「今日のお前は今までで一番かっこ悪かったぜ!」と感動する伴


頼まれた通りにボールに土をなすりつける

ピンチの中、花形4打席目。飛雄馬はすでに眼が霞んでいる。

「あと一球投げられるかどうか…」


テレビを見つめる明子「もう見てられないわ」

ゲッツーを狙って投げるつもりが、すっぽ抜けの球――

花形、大ホームラン

そして星雲は負けたのである。

「藤田さん、星は予想外でしたね」との記者の質問に、
藤田「いや、予想以上のピッチャーだよ、予想以上にすばらしかった」

記者たち「いやあ、またご冗談を…」

 

「星の腰抜け!」


マウンドに膝をついた飛雄馬は動けずにいる。
笑うやつは笑えっ、怒るやつは怒れっ…
父ちゃん、俺は逃げ出さなかったんだ、最後までマウンドから降りなかったんだ・・・

こうして星雲の甲子園は終わったのである。

 

【次回の巨人の星は!?】
花形はホームランボールの血から飛雄馬の状況を悟るが、飛雄馬はスカウトや小宮への影響を考えて花形を口止め。試合は紅洋高校の優勝で幕を閉じた。帰京した飛雄馬は帰宅をためらうが、家には伴と長屋の住人たちが集まっていた。一徹は「不死鳥伝説」を語って飛雄馬を励まし、「自分可愛さを捨てた瞬間の美しさ」を説く。伴と飛雄馬はあらためて友情を誓い合った。(第41話「よみがえれ飛雄馬」)
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