とげ 小市民 倉永晴之の逆襲

田辺誠一(とげ 小市民 倉永晴之の逆襲)
田辺誠一(とげ 小市民 倉永晴之の逆襲)

山本甲士の小説『とげ』(2005年3月小学館刊)を原作として、『とげ 小市民 倉永晴之の逆襲』のタイトルで2016年10月8日~11月26日の毎週土曜23時40分-翌0時35分に東海テレビ制作・フジテレビ系「オトナの土ドラ」枠で放送。主演の田辺誠一はフジテレビ系の連続ドラマでは初主演。

とげ 小市民 倉永晴之の逆襲の原作


倉永晴之は南海市役所の市民相談室で働く公務員。現在の役職は主査、一般企業でいえば中間管理職の係長である。南海市は巨大ワニの化石が発見され一躍全国に名を知られることになるが、倉永の心は晴れない。市内の公園で本物のワニが泳いでいるという通報が入り現地確認に出かける。時間外の仕事を終え家に帰ると、今度は自家用車のタイヤが空気を抜かれている。そのうえ職場で上司の不祥事が発覚し、火の粉が倉永に降りかかってくる。度重なる不幸の連鎖から倉永はいかにして脱出するのか。「どろ」「かび」の作者が描いた巻き込まれ型小説の決定版。

とげ 小市民 倉永晴之の逆襲の原作を読んだ人の感想

ドラマ とげ 小市民 倉永晴之の逆襲

あらすじ

わにのくに市役所の市民相談室主査・倉永晴之は、日々市民の苦情対応に追われる毎日を送っている。特に「モンスタークレイマー」と呼ばれる白銀佳代は、週に一度は晴之を指名して問題を持ち込む。
市長の常磐栄太は「市民の声をたらい回しにしない」と公言するが、実際は周囲をイエスマンで固めている。そんな中、土地開発公社の空き地管理費問題が市民団体の標的となり、住吉課長は責任を晴之に押し付ける。
家庭でも晴之はトラブルに見舞われている。自家用車のタイヤに穴を開けられるなど嫌がらせが続き、妻の裕美は市民相談室の仕事が原因だと考え、異動願いを迫る。さらに裕美は、自身が閑職に追いやられたことや、息子が学校でいじめの首謀者とされそうな状況に不満を募らせる。
こうした状況の中、晴之の唯一のストレス解消法は、発泡酒を飲みながら飼い魚のアロワナに話しかけることだった。

感想

火の粉」「朝が来た」「ノンママ白書」とビミョーな線を衝く東海テレビの「オトナの土ドラ」枠だが、一貫して底流にあるのは「世間と悪意」だ。

見るほどにストレスがたまりそうなモチーフで視聴者を惹きつけ、そして受け入れられるためには、何より極端な表現が求められる。きわめてテレビ的なこの発想から生まれたのが、この局が長年こだわる昼ドラの諸作であった。
極端のレベルの上げ下げだけで、どうにでも展開を操作できるドラマと言える。
「役所の市民窓口」というのは、ドラマでも映画でも、その原作でも定番すぎるモチーフだが、当作は上記した意味で異色なものとなるだろう。

田辺誠一画伯は、2011年の「11人もいる!」(またクドカンだ)以来のファン。



キャスト

倉永 晴之(市民生活部市民相談室主査(係長)) – 田辺誠一
倉永 裕美(晴之の妻) – 西田尚美
倉永 真也(晴之と裕美の息子) – 五十嵐陽向
白銀 佳代(常連クレーマー) – 木の実ナナ
鳥塚 陽一(市民相談室室長) – 山口良一
加納 民夫(市民相談室主幹) – 日野陽仁
船津 真紀(市民相談室職員) – 原扶貴子
原山 武史(市民相談室職員) – 内田滋
橘 絵里加(市民相談室職員) – 瀧内公美
柿園 まみ(真也のクラスメートの母) – 遊井亮子
三池 徹(総務部長) – 大河内浩
長田 孝治(環境部環境課長) – 西村和彦
樋口 信吾(企画部長) – 三浦浩一
八嶋 健次郎(記者) – 清水伸
岬 俊介(刑事) – まいど豊
常磐 栄太(わにのくに市長) – 鹿賀丈史

スタッフ

原作 – 山本甲士『とげ』
脚本 – 三國月々子大林利江子小川眞住枝
監督 – 本橋圭太岡嶋純一
プロデューサー – 西本淳一(東海テレビ)
岩﨑文(ユニオン映画)
制作 – 東海テレビ放送
製作 – ユニオン映画
放送期間 – 2016年10月8日 – 11月26日
放送時間 – 土曜 23:40 – 翌0:35
放送枠 – オトナの土ドラ
放送分 – 55分

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