2013年公開の韓国映画。原題は「더 테러 라이브」。脚本・監督はキム・ビョンウ、主演はハ・ジョンウ。ラジオアナウンサーがテロの脅迫電話を受けてからその様子を生中継し、事件が解決するまでをほぼリアルタイムで描いている。2024年10月、本作の日本リメイク版である『ショウタイムセブン』が2025年2月に公開されることが発表された。
テロ、ライブのあらすじ
元人気キャスターの男はある日、ラジオの生放送中にリスナーからの電話で爆弾テロの犯行予告を受ける。いたずらと思い相手にしなかったが、その直後、実際に爆破事件が起こる。一大スクープと確信した男は、視聴率獲得のため犯人との通話をテレビで独占生中継する。そして、さらなるテロの脅威が迫る中、彼の使っているイヤホンに小型爆弾が仕掛けられていることが判明する。
刻々と変化する心理を演じるハ・ジョンウのすごさ(テロ、ライブの感想)
昨日公開の「ショウタイムセブン」というのは本作のリメイクなのか、と見終わってから知った私。
ラジオの生トーク番組に爆破予告の電話がかかってきて、すぐに局ビル前のマポ大橋が爆発炎上。左遷されたテレビアナウンサーの主人公は脳をフル回転させ、自らの復帰のため、このスクープ(テロリストとのリアルタイムの対話)を利用することを思いつく。
テロの動機は橋建設時の作業員死亡事故に政府が何も補償しなかったことにあり、その要求は、大統領の謝罪なのだが、謝ったら死ぬのはどこの政治家も同じ、ましてや韓国コンテンツにおいては政治家や警察は面子第一で腐敗しているため(本作はセウォル号事件直前の2013年に公開されている)、交渉は進まず次々と爆発が起こって事態は悪化していく。テロ対策のプロ(チョン・ヘジン)も投入されるが、役に立たないばかりか、人質より視聴率を優先する報道局長はヘジンの指示と逆のことを主人公に命じる。
主人公を演じるのはナ・ホンジンの映画でおなじみのハ・ジョンウ。映画はほぼリアルタイムでスタジオ内で進行し(スタジオを出るとイヤホンが爆発する設定になっている)、密室で刻々と変化する野心的なアナウンサーの心理を演じきっている。
細かいところでは説明不足や矛盾があったりするが(チョン・ヘジンはどうなってしまったのか?)、怒涛の展開で最後まで迷いなく引っ張る力技こそ、日本にはないコンテンツ力と言える。阿部寛のリメイク版はどうだろうか。
テロ、ライブのキャスト
ユン・ヨンファ:ハ・ジョンウ
チャ・デウン報道局長:イ・ギョンヨン
パク・ジョンミン主任:チョン・ヘジン
パク・シヌ:イ・ダウィ
パク・シヌ(声):キム・デミョン
イ・ジス記者:キム・ソジン
ジュ・ジンチョル長官:キム・ホンパ
ノ・ヒョンジン:キム・ヘイン
テロ、ライブのスタッフ
監督 – キム・ビョンウ
脚本 – キム・ビョンウ
製作 – イ・チュニョン
音楽 – イ・ジュノ
撮影 – ピョン・ボンソン
編集 – キム・チャンジュ
製作会社 – CINE2000
公開 – 韓国 2013年7月31日、日本 2014年8月30日
上映時間 – 98分
テロ、ライブを観る
テロ、ライブを観た人の感想
面白くて、時代性豊かで、なにより現実を予見した先見の明。「テロ,ライブ」は、いままさに必見の韓国の骨太なエンターテイメント映画である。
(前田有一の超映画批評★)
こういう映画、なんで日本ではなかなか作れないんだろう。
またしても韓国映画のパワーに圧倒された1時間40分だった。
テロ,ライブ 96点(ネタバレ)(「油式」映画批評ドットコム)
お金とかキャストの制約があるからこそ面白い映画ができるという工夫は、ホント心が惹かれますなぁ。
突然ですが、ハ・ジョンウについて(夜な夜な文庫)