ホワット・ライズ・ビニース

ミシェル・ファイファー(ホワット・ライズ・ビニース)
ミシェル・ファイファー(ホワット・ライズ・ビニース)

2000年のアメリカ映画。原題は「What lies Beneath」。ハリソン・フォード、ミシェル・ファイファー主演のサスペンス・スリラー。アルフレッド・ヒッチコックの映画技法を意識した作品でもある。

ホワット・ライズ・ビニースのあらすじ

ノーマンとクレアの夫婦は、娘のケイトリンが大学進学のために入寮して独立したことをきっかけに、ノーマンの父が所有していたヴァーモント州の湖畔沿いにある家に引っ越してきた。自然に囲まれる中で、夫婦ではなく恋人同士の時代を思い返す二人、しかし、隣の家でこそこそと“大きな人型の荷物を捨てる”住人に不信感を抱き、また家の中では奇妙な音が鳴り始め、クレアは都会とは違う奇妙な出来事に興味を持ちはじめ、探偵まがいの撮影・録音などを楽しむようになる。
一方、ノーマンは何故か全く興味を示さず、クレアは説明を繰り返しながら不満が募っていった。
やがて、クレアの心の中に忘れていた1年前の自殺未遂事件の記憶が蘇ってきた。なぜ忘れていたのか、どういう事情があったのか、自分のことなのに自分の記憶の曖昧さにも疑問を抱き、誠実に受け答えはするが行動が一致しない夫へも不信感と疑問を強くする。

ホワット・ライズ・ビニースの感想

脚本が悪いといえば、最近見た中では「ホワット・ライズ・ビニース」に尽きるだろう。
ロバード・ゼメキスは、これをヒチコックへのオマージュだなどと本当に言ったのか。
プロット序盤の「隣家の夫婦」がなんの伏線にもなっていないばかりか、中盤も過ぎて初めて、キーとなる「主人公の過去の謎の行動」が観客に明かされる(謎の行動の理由ではなく、行動自体が伏せられている)。
これを明示してしまうと観客には先が読めてしまうからだが、これはサスペンスとしては大失格だし、ほかにも無駄なエピソードやほのめかしなどが多数。

ドリームワークスの映画らしくCGがふんだんに用いられているのだが、これだけの予算をかけてB級映画をつくることがあらかじめ失敗作を運命づけられていたのは、むしろ自明のことと言える。
案の定、大部分の観客に与えられたのは、「いちばん怖かったのは音楽の強弱」という印象だったのだ。運命に気づかぬ顔をして 130分もの長すぎる映画を完成させてしまった監督の罪は重い。

ホワット・ライズ・ビニースのキャスト

ノーマン・スペンサー(数学者) – ハリソン・フォード
クレア・スペンサー(ノーマンの妻) – ミシェル・ファイファー
ジョディ(クレアの友人) – ダイアナ・スカーウィッド
ドクター・ドレイトン(精神科医) – ジョー・モートン
ウォーレン・フューアー(スペンサー夫妻の隣人) – ジェームズ・レマー
メアリー・フューアー(ウォーレンの妻) – ミランダ・オットー
マディソン・エリザベス・フランク(ノーマンの教え子) – アンバー・ヴァレッタ
ケイリトン・スペンサー(ノーマンとクレアの娘) – キャサリーン・トーネ
ドクター・スタン・ポーエル(クレアの友人) – レイ・ベイカー
エレナ(スタンの恋人) – ウェンディ・クルーソン

ホワット・ライズ・ビニースのスタッフ

監督 – ロバート・ゼメキス
脚本 – クラーク・グレッグ
製作 – スティーヴ・スターキー、ロバート・ゼメキス、ジャック・ラプケ
製作総指揮 – ジョーン・ブラッドショウ、マーク・ジョンソン
音楽 – アラン・シルヴェストリ
撮影 – ドン・バージェス
編集 – アーサー・シュミット
公開 – アメリカ 2000年7月21日、日本 2000年12月9日
上映時間 – 130分

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