奈落のマンホール

キム・ヘジュン(奈落のマイホーム)
キム・ヘジュン(奈落のマイホーム)

2021年制作の韓国のパニック映画。原題は「싱크홀」。「悪いやつら」のキム・ソンギュンがドンウォン、「ハイヒールの男」のチャ・スンウォンが隣人マンスを演じる。「ザ・タワー 超高層ビル大火災」「第7鉱区」のキム・ジフンが監督を務めた。ソウルの中心で起こった地盤沈下によって、突如現れた巨大なシンクホール(巨大陥没穴)の地下500mへと落下したマンションに取り残された人たちのサバイバルを描く。2021年の韓国映画興行収入第2位。原題の「싱크홀」は、上記のシンクホールを意味する。

奈落のマンホールのあらすじ

中堅会社の課長ドンウォンは、念願叶ってソウルの会社近くに新築マンションをローンで購入した。妻、幼い息子スチャンと新生活を始めるが、床の傾きや壁の亀裂などがあった。ドンウォンは引越し祝いに部下たちを招き、酔ったキム代理と女子インターンのウンジュは泊まり、翌朝、夫たちが寝ている間に妻とスチャンが買い物に出た途端、突然、マンションが一棟まるごと深い縦穴に沈下。シンクホールで500メートルは土中に沈んだとキム代理は推察する。昨晩からの断水で住人の多くが建物を離れていたため、地下に閉じ込められたのはドンウォンたち、何でも屋のマンス、その息子のスンテだけのようだった。携帯は電波が届かない……

奈落のマンホールの感想

油断して見はじめたら、想像を超える佳作だったので得した気分。

異状が起こるや、登場人物たちがすぐに「シンクホールだ!」と叫ぶのだが、ロッテワールドタワー建設に起因する(と言われる)陥没をはじめ、韓国では年間900件も同様の事故が発生していて、ソウル市民にとっては非常に関心度の高いモチーフのようなのだ。世界最大のシンクホールは中国楽業県にある360×150mのものらしいが、それとて深さは192m。この映画のそれは500mという突飛な設定で、ディザスター映画としてかなり斬新である。

5階建マンションが丸ごと陥没し、各フロアには1、2戸しかないので、登場人物たちはもっぱら屋上から駐車場までを上下に移動することになる。隣のビルなどが崩れてきたりして上空からの飛来物が危ないし、下からは地下水が湧いてくるので上に逃げなければならない。人死にがないわけではないのだが(ソンフンの死因がわからない)、一気に浮上して手に汗握らせるクライマックスはカタルシスがあった(この監督の前作は、超高層ビル火災に挑む消防士物である)。水から逃れるパニック映画として「252 生存者あり」を思い出したのだが、水田伸生も本作を見たら悔しがるのではないか。

俳優は、「毒戦 BELIEVER」のチャ・スンウォンがまた癖のある演技をしているが、(見ていないが)「キングダム」で有名らしい、紅一点のキム・ヘジュンが伊藤万理華みたいで可愛らしかった(「殺し屋たちの店」が面白そうだ!)。

奈落のマンホールのキャスト

パク・ドンウォン:キム・ソンギュン
チョン・マンス:チャ・スンウォン
キム・スンヒョン(キム代理):イ・グァンス
ホン・ウンジュ:キム・ヘジュン
チョン・スンテ:ナム・ダルム
パク・ヨンイ:クォン・ソヒョン
パク・スチャン:キム・ゴヌ
ソンフンの母:パク・オクチョル
ソンフン:オ・ジャフン

奈落のマンホールのスタッフ

監督:キム・ジフン
脚本:チョン・チョルホンキム・ジョンハン
音楽:キム・テソン
撮影:シン・テホ
公開:韓国 2021年8月11日 日本 2022年11月11日
上映時間 114分

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奈落のマンホールの予告映像

奈落のマンホールを観た人の感想

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