『乱』は、黒澤明監督による1985年に公開された日仏合作の歴史映画で、主演は仲代達矢。カラー、ビスタ、162分。
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乱の感想
原田美枝子(同じくシェイクスピアを戦国時代に再現した「蜘蛛巣城」の山田五十鈴を念頭に置いている)の、登場シーンごとに異なる衣裳が素晴らしい。
3人の息子を色分けしたのも同じワダ・エミによるものらしいが、それでこの映画のかなりの部分が定まったのではないか。
上のカットはこの映画の数少ないクローズアップのひとつ。ほとんどゾンビのようなメイクをした仲代達矢は、一度もアップになっていないと思う。
乱 見どころ
- 黒澤明監督による圧倒的な映像美とスケール
黒澤監督の集大成ともいえる本作は、広大なロケ地、精緻に作り込まれた衣装や甲冑、大規模なエキストラを動員した合戦シーンなど、その圧倒的な映像美とスケールを誇る。まるで絵画のような構図、色彩豊かな画面、そして緻密に計算されたロングショットの数々は、観る者を戦国絵巻の世界へと誘う。 - 仲代達矢の鬼気迫る演技
仲代達矢が、老境に達し全てを失って狂気に陥っていく一文字秀虎を鬼気迫る演技で表現。無表情の中に宿る深い絶望感は、観る者の心に深く刻まれる。 - シェイクスピア『リア王』と「三本の矢」の融合
『リア王』のテーマ(老王が王国を分与し、娘たちの裏切りに遭う)と、日本の毛利元就の「三本の矢」の故事(結束の教え)が融合し、普遍的な親子の愛憎と、人間の愚かさを描く。東西の融合が作品に奥行きと普遍性を与える。 - 人間の業と戦争の虚しさ
登場人物たちの際限ない欲望、裏切り、そして争いがもたらす悲劇は、人間の深い業と、戦争の虚しさを痛烈に描き出す。壮絶な殺戮シーンを通して、命の尊さや、平和の尊さが問いかけられる。 - 豪華なキャスト陣とアンサンブル
長男役の寺尾聰、次男役の根津甚八、三男役の隆大介など、実力派俳優陣が複雑な家族関係と人間の欲望を演じ切る。それぞれのキャラクターの存在感が物語に重厚感を与える。
乱 あらすじ
老境に達した一国の大名、一文字秀虎(仲代達矢)は、広大な領地を三人の息子たち、長男の太郎孝虎(寺尾聰)、次男の次郎正虎(根津甚八)、三男の三郎直虎(隆大介)に分け与え、自らは隠居することを決意し、三本の矢の故事になぞらえて、息子たちに結束を訴える。しかし、末弟の三郎は、父の考えが甘いと公然と批判し、秀虎の怒りを買って追放される。残された太郎と次郎は、父の言葉に表面上は従うが、秀虎が隠居した途端、その本性を現し、互いに裏切り、血で血を洗う骨肉の争いを繰り広げ始める。
かつて絶対的な権力を握っていた秀虎は、息子たちの争いに巻き込まれ、次第に全ての居場所を失い、正気を失っていく。壮絶な裏切りと、人間の愚かさが描かれる中で、戦国の世の虚しさ、そして人間の業が浮き彫りになる。
乱を観るには?
乱 キャスト
一文字秀虎:仲代達矢
一文字太郎孝虎:寺尾聰
一文字次郎正虎:根津甚八
一文字三郎直虎:隆大介
楓の方:原田美枝子
末の方:宮崎美子
鶴丸:野村武司
鉄修理:井川比佐志
狂阿弥:ピーター
平山丹後:油井昌由樹
生駒勘解由:加藤和夫
小倉主馬助:松井範雄
長沼主水:伊藤敏八
藤巻の老将:鈴木平八郎
白根左門:児玉謙次
藤巻の老将:渡辺隆
楓の老女:東郷晴子
秀虎の側室:南條玲子
末の老女:神田時枝
秀虎の側室:古知佐知子
秀虎の側室の老女:音羽久米子
畠山小彌太:加藤武
綾部政治:田崎潤
藤巻信弘:植木等
畠山小彌太の声:加藤精三 ※ノンクレジット
頭師孝雄、頭師佳孝、天田益男、木村栄、山田明郷、須藤正裕、渡辺哲、高橋利道 ほか
一文字太郎孝虎:寺尾聰
一文字次郎正虎:根津甚八
一文字三郎直虎:隆大介
楓の方:原田美枝子
末の方:宮崎美子
鶴丸:野村武司
鉄修理:井川比佐志
狂阿弥:ピーター
平山丹後:油井昌由樹
生駒勘解由:加藤和夫
小倉主馬助:松井範雄
長沼主水:伊藤敏八
藤巻の老将:鈴木平八郎
白根左門:児玉謙次
藤巻の老将:渡辺隆
楓の老女:東郷晴子
秀虎の側室:南條玲子
末の老女:神田時枝
秀虎の側室:古知佐知子
秀虎の側室の老女:音羽久米子
畠山小彌太:加藤武
綾部政治:田崎潤
藤巻信弘:植木等
畠山小彌太の声:加藤精三 ※ノンクレジット
頭師孝雄、頭師佳孝、天田益男、木村栄、山田明郷、須藤正裕、渡辺哲、高橋利道 ほか
乱 スタッフ
監督・編集:黒澤明
エグゼグティブプロデューサー:古川勝巳
プロデューサー:セルジュ・シルベルマン、原正人
プロダクションコーディネーター:黒澤久雄
脚本:黒澤明、小國英雄、井手雅人
演出補佐:本多猪四郎
撮影:斎藤孝雄、上田正治
撮影協力:中井朝一
美術:村木与四郎、村木忍
照明:佐野武治
録音:矢野口文雄、吉田庄太郎
整音:西尾昇、安藤精八
音響効果:三縄一郎
衣裳デザイナー:ワダ・エミ
助監督:岡田文亮
ゼネラル・プロダクション・マネージャー:ウーリー・ピカール
プロダクションマネージャー:野上照代、飯泉征吉、井関惺
アシスタント・プロダクション・コーディネーター:ベルナルド・コーン
音楽:武満徹
指揮:岩城宏之
演奏:札幌交響楽団
狂言指導:野村万作
能作法指導:本田光洋
横笛演奏指導:鯉沼廣行
殺陣:久世竜、久世浩
題字:今井凌雪
監督助手:小泉堯史、山本伊知郎、米田興弘、渡辺恭子、ビットレオ・ダッレ・オレ、野崎邦夫
ネガ編集:南とめ
アクション:久世七曜会、ジャパン・アクション・クラブ、若駒
協力:デン・フィルム・エフェクト、東宝録音センター、東宝効果集団
現像:東洋現像所
撮影協力:大分県、熊本市、御殿場市、九重町、阿蘇町、庄内町、大分県観光協会、熊本県観光協会、九重町観光協会、姫路城、熊本城、名護屋城、東亜国内航空、ほか
エグゼグティブプロデューサー:古川勝巳
プロデューサー:セルジュ・シルベルマン、原正人
プロダクションコーディネーター:黒澤久雄
脚本:黒澤明、小國英雄、井手雅人
演出補佐:本多猪四郎
撮影:斎藤孝雄、上田正治
撮影協力:中井朝一
美術:村木与四郎、村木忍
照明:佐野武治
録音:矢野口文雄、吉田庄太郎
整音:西尾昇、安藤精八
音響効果:三縄一郎
衣裳デザイナー:ワダ・エミ
助監督:岡田文亮
ゼネラル・プロダクション・マネージャー:ウーリー・ピカール
プロダクションマネージャー:野上照代、飯泉征吉、井関惺
アシスタント・プロダクション・コーディネーター:ベルナルド・コーン
音楽:武満徹
指揮:岩城宏之
演奏:札幌交響楽団
狂言指導:野村万作
能作法指導:本田光洋
横笛演奏指導:鯉沼廣行
殺陣:久世竜、久世浩
題字:今井凌雪
監督助手:小泉堯史、山本伊知郎、米田興弘、渡辺恭子、ビットレオ・ダッレ・オレ、野崎邦夫
ネガ編集:南とめ
アクション:久世七曜会、ジャパン・アクション・クラブ、若駒
協力:デン・フィルム・エフェクト、東宝録音センター、東宝効果集団
現像:東洋現像所
撮影協力:大分県、熊本市、御殿場市、九重町、阿蘇町、庄内町、大分県観光協会、熊本県観光協会、九重町観光協会、姫路城、熊本城、名護屋城、東亜国内航空、ほか
『乱』は、黒澤明監督の芸術性、哲学的なテーマ、そして壮大なスケールが融合した、日本映画史に残る傑作です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。