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空から降る一億の星の感想
2002年の春シーズン月9で、深津絵里は前シーズンの「恋のチカラ」に引き続いてのヒロインと絶好調だったと思う。「踊る大捜査線」(97年〜)で有名になった人だが、90年代にもたくさんドラマには出ていて、なかなか脚光が当たらなかった。
一方、柴咲コウは「バトルロワイヤル」でデビューしたものの、美貌に演技力が追いつかずという状態だった(ただし前年に、金城一紀が柴咲に当て書きした「GO」では賞を総なめにしている)。
柴咲コウ(から降る一億の星)
ドラマは北川悦吏子らしい無神経なサスペンスで、木村拓哉のいやらしさが全開である。韓国でリメイクもされたらしい。
空から降る一億の星の見どころ
本作はラブストーリーとしては層に響く一方で、ミステリーとしての構造や緊張感が中途半端、登場人物の深みや動機づけが弱く説得力に乏しく、クライマックスでの伏線回収が雑で感情消化が甘いといった、サスペンス映画やドラマとしては「惜しい出来」に終わっている。
恋愛偏重で“謎解き要素”が薄まる
サスペンス部分(連続殺人や秘密)が前面に出されつつも、実際には木村拓哉演じる涼と深津絵里演じる由紀の恋愛ドラマ色が強すぎ、ミステリーとしての緊張感はぼやけている。「サスペンスと思って見始めたら恋愛多めで脱落した」という意見も散見される。
登場人物の“脇役たち”がサスペンスに寄与しきれず
明石家さんま扮する刑事・完三や柴咲コウの由紀を除き、他のキャラは存在感や個性が弱く、殺人事件への関与も曖昧。「登場人物がおかしい」「関わった人間を悉く不幸にしてポイ」「涼のサイコパスぶりは言語を絶する酷さ」と酷評されている。
サイコパスとしての木村拓哉に乖離感
暗い過去を持つ“闇の男”を演じる木村拓哉だが、“一見カッコいいが裏に狂気あり”を突き詰め切れず、中途半端。その結果、「悪役としての深みが浅い」「サスペンス面の説得力に欠ける」と感じさせてしまい、サスペンスファンにとっては薄味のサイコドラマに終わっている。
ミステリーパズルとして“予想外”でも“消化不良”
クライマックスの衝撃展開は一瞬“サスペンスっぽい驚き”をもたらすが、ラストにかけてはやや説明不足で、全体として伏線回収が甘く、消化不良感が残る。
キムタクファンに支持されたとはいえ、推理の構造としては、もっと深く抉ってほしかった。
ミステリー+恋愛=“中途半端な構成”という落とし穴
恋愛ドラマ、心理サスペンス、社会派設定…と多様な要素を盛り込みすぎ、どれか一つに尖らせ切れずバランスが拡散した。「作品自体のスタイルに一貫性がなく“サスペンスなのか恋愛なのか”判断つかない」と批判された。
空から降る一億の星のあらすじ
独身の刑事、堂島完三(明石家さんま)は妹の優子(深津絵里)と二人暮らし。完三は女子大生殺害事件の担当になり、西原美羽(井川遥)の誕生日パーティーで出会ったコック見習いの片瀬涼(木村拓哉)に目をつける。一方、優子は涼に惹かれていくが、完三と優子、そして涼にはそれぞれ秘密があった。涼が失われた記憶を探る中、事態は悲劇へと向かっていく。
空から降る一億の星を観るには?
サスペンスファンへのおすすめ度
- 恋愛よりミステリー重視 ★☆☆☆☆(恋愛多めなので注意)
- 心理サイコ描写を深く分析したい ★★☆☆☆(浅くもカッコよく映る涼に飽きる)
- 設定と映像美を楽しみたい ★★★☆☆(演出やキャストの魅力はある)
- 鋭く緊張感あるサスペンスが好み ☆☆☆☆☆(期待してはいけない)
空から降る一億の星のキャスト
堂島 完三 – 明石家さんま
片瀬 涼 – 木村拓哉
堂島 優子 – 深津絵里
その他
西原 美羽 – 井川遥
宮下 由紀 – 柴咲コウ
大沢 隆 – 田山涼成
日下 圭太 – 八嶋智人
柏木 直哉 – 大澄賢也
向井 裕希 – 金子貴俊
杉田 琴子 – 森下愛子
角野刑事 – 福本伸一
溝口刑事 – 林泰文
半沢 – 半海一晃
山崎 – 櫻庭博道
田中 – 菊池均也
大熊 敬吾 – 村田充
三鷹 啓子 – せきぐちきみこ
柏木 小百合 – とよた真帆
裕希の父 – 村松利史
カヨ – 宮内順子
西原 京子 – 泉晶子
西原 建造 – 鹿内孝
医者 – 桜井センリ
事務員・野村 – 増子倭文江
捜査係長 – 並樹史朗
「ほしのこ園」シスター – 市川千恵子
空から降る一億の星のスタッフ
演出 – 中江功、平野眞
劇伴 – 吉俣良
メインテーマ – 吉俣良「Resolver」
主題歌 – エルヴィス・コステロ「スマイル」(ユニバーサル・ミュージック)
挿入歌 – 坂本九「見上げてごらん夜の星を」
企画 – 石原隆
プロデューサー – 高井一郎、牧野正
制作著作 – フジテレビ
『空から降る一億の星』は、サスペンスというより、恋愛の儚さをライトに楽しむのがおすすめのドラマです。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。