台湾キャンプに参加した飛雄馬は金田投手に変化球の伝授を請い、「日本人独自の魔球を創れ」と一喝される。自らの暴投に魔球へのヒントを見出した飛雄馬の「大リーグボール」開発に向けた挑戦が幕を開けた。

花形、金田、左門という面々が並んで、コーナー名は「かえってくる巨人軍」。
花形も左門もユニフォーム姿である。
(野球選手って、昔はテレビに出るときはそう決まっていたのかね?)
金田、さっそく「練習やっとるか?」と花形をくさし、
「顔に書いてあるぞ、僕みたいな天才はおかしくて練習なんてできるかってな」
新人相手とはいえ、他球団の選手にずいぶん失礼な物言いであるw
花形、一笑に付して、「金田さん、お手柔らかにお願いしますよ」
次に星の話題となり、紅白試合の模様が流れる。
「星はどんな変化球を投げたんや?」
と金田は思わず聞いて、速球だけと聞いて肩を落とし、
「まだ途中かいな…」
完全に余計な独り言。
だが、運良くそれが聞こえなかった花形、
「星君は自分で自分の首を絞めたんです」
と言うと、いきなり涙を流して、

カメラ、ググーッと近づく
「なぜなら――ぼくが今星君と顔を合わせたら、
まるでバッティング投手のように彼の球をメッタ打ちにするでしょう」

テレビを見ていた一徹、ガガーン
司会「あのう、もう一度・・・バッティング投手みたいに、何ですか?」
花形「メッタ打ちにします。それがはっきりしているのが僕は悲しい…」

左門も負けじと「わしも泣いとります」
「わしは子供のころから涙ばこらえる癖がついとるとです。
じゃけん今は涙を流しとりましぇん。泣いとるのはわしの心ですたい」
と、涙が出ていないことを言い訳する。←どうでもよくない?
「理由は同じ、わしとて今の星君ごと軽々と打ち込んで見せますたい!」
「黙れ、このヒヨコども!」
と怒りながら、金田は内心、「おそろしいやつら・・・」と舌を巻く。
(だが、こいつらの知らんこともあるでえ)
と変化球のことを思い出す金田だった。
「もしもやで、星が新しい変化球で挑んできたらどないする?」
と完全にネタばらししてしまう。
「でも、星投手は速球一本槍でいくそうですよ」
司会者がそれに釘を刺すと、

星のどあほうめが!

「乗るかい、左門君」
互いに今の飛雄馬を打ち崩せることを確認しあう。

飛雄馬めったうちのイメージ
一方、帰国の飛行機、まだ紅白戦勝利の余韻に浸る飛雄馬。
速球投手として再出発の第一歩だ、と金田と話したことなどすっかり忘れた様子だ。
しかし、花形と左門のメッタ打ち宣言を記者から聞かされ、

ガガーン
「くわしいことは金田さんに聞きたまえよ」
と言われて金田を探し、
「速球投手としての自信を取り戻した」
と報告したのだが、

好きにしたらええ・・・と金田はつれない返事
速球でいけるならそれにこしたことはないじゃないか、と思う飛雄馬だが、
明日は宮崎キャンプへ合流と聞いてがっかりする。
速球投手としての自信を父ちゃんに話して、喜んでもらうつもりだったのだ。
せっかくのいい気分に水をさしてくれた花形と左門のイメージを拭き消す飛雄馬だった。

フキフキ
*
一方、星家は朝からご馳走だった。

おかしら、とんかつ、巻き寿司
飛雄馬が来ると思って、明子が腕をふるったのである。
「お父さんの助言を聞きにくればいいのに…」
という明子の台詞に、
「わしにはもうそんなことをしてやる力はない」

一徹の新聞をもつ手がふるえる
「明子――もし飛雄馬が野球に敗れて帰ってきたら、暖かく迎えてやってくれんか」

やさしい目の一徹であった
「それでいいのよ、やっと普通のお父さんに戻っただけなんだから」
「今さら、わしがそんなものになれるかのう」
明子は思い直し、
「飛雄馬がみじめな負け犬のように帰ってくるわけがないわ!」

だって飛雄馬の体にはお父さんの血が!
飛雄馬は宮崎で伴と再会し、台湾での活躍をみんなにホメられた。
星の自信満々ぶりに不安になった伴は、花形からの手紙を渡す。
開いてみると、改めてホームランを予告する手紙である。

うぬぬ、花形のやつ…!

そこへ左門からも速達

くそう、どいつもこいつも俺をよってたかって!
負けるもんか、こうなったら何がなんでもお返しをしてやる!
伴の内心の声――「お前の快投の影には、なにか周りの早合点があるんじゃないか?」
大リーグボールからまた遠ざかってしまった68回であった。
甲子園へ登板した飛雄馬に花形は絶望し、かつての宿敵が「カモ」になった悲劇に涙を流す。本塁打は辛くも免れたものの、「次は左門が打つ」と非情に断言。ライバルの心情を知らぬ飛雄馬は、左門への独りよがりな闘志を燃やす。(第69話|過信と涙の甲子園)

