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1999年のアメリカ合衆国の伝記青春映画。原題は「Girl, Interrupted」。2000年日本公開。原作は1994年に出版されたスザンナ・ケイセンの自伝(日本語訳『思春期病棟の少女たち』(吉田利子訳/草思社/1994))。
17歳のカルテのあらすじ
1967年のニューイングランドで自殺未遂後、精神科病院に入院したスザンナ・ケイセンは、自分の診断に疑問を持ちながらも病院環境に適応していく。病棟のカリスマ的存在リサに魅了され、次第に病院を居場所と感じるようになるが、リサが元患者を自殺に追い込む残酷な行動を目の当たりにし、彼女の生き方に疑問を抱き始める。リサに反発したスザンナは孤立するが、最終的に対決を経て、リサが病院の外では生きられないのに対し、自分には外の世界で生きる選択肢があると悟る。この気づきが彼女を社会復帰へと導き、退院という新たな一歩を踏み出す。
17歳のカルテの感想
スザンナ・ケイセンがそれと診断される <境界性人格障害> は、病状の程度も人それぞれで治療が困難な精神病と言われる。見捨てられることに過敏になり、対人関係が不安定、浪費、過剰なセックス、無謀な運転、暴飲暴食など自傷行為の繰り返し、イライラ、不安、慢性的な空虚感、激しい怒りを抑えることができなくなるという。いっぽう、アンジェリーナ・ジョリーが演じる <反社会性人格障害> は、規範意識が低く、自己中心的で、道徳的価値を内面化することができず、自己や他者の安全を脅かす行為によって特徴づけられるもので、 <神経性大食症> のブリタニー・マーフィーを攻撃して自死に追い込んでしまう。
DVD版では、美術館に迷い込んだスザンナがフェルメールの「Girls Interruppted at her music(中断された音楽の稽古)」に出会う未公開シーンが収録されている。映画の原題「Girl, Interrupted」に通じる、「その絵の中の少女と目が合ってから境界を越えてしまった」というシーンだ。クレイムアの少女たちの回復を阻むであろう、混乱のまっただなかにある60年代アメリカのニュース映像や、ウィノナの <迂回された帰途> をあらわすのであろう「オズの魔法使い」をはじめ、思ったより媒介物の多い映画である。
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17歳のカルテのキャスト
リサ・ロウ – アンジェリーナ・ジョリー
ジョージーナ・タスキン – クレア・デュヴァル
デイジー・ランドン – ブリタニー・マーフィ
ポリー・クラーク – エリザベス・モス
ジャネット・ウェバー – アンジェラ・ベティス
シンシア・クロウリー – ジリアン・アルメナンテ
ジョン – トラヴィス・ファイン
クランブル医師 – カートウッド・スミス
メルヴィン・ポッツ医師 – ジェフリー・タンバー
アネット・ケイセン – ジョアンナ・カーンズ
カール・ケイセン – レイ・ベイカー
トビー・ジェイコブス – ジャレッド・レト
ソニア・ウィック医師 – ヴァネッサ・レッドグレイヴ
ヴァレリー・オーウェンス – ウーピー・ゴールドバーグ
ギルクレスト教授 – ブルース・アルトマン
バーバラ・ギルクレスト – メアリー・ケイ・プレイス
ボニー・ギルクレスト – ケイディー・ストリックランド
テレサ・マカリアン – ロビン・レック
トニー – ミーシャ・コリンズ
グレッタ – アリソン・クレア
17歳のカルテのスタッフ
監督 – ジェームズ・マンゴールド
脚本 – ジェームズ・マンゴールド、リサ・ルーマー、アンナ・ハミルトン=フェラン
原作 – スザンナ・ケイセン『思春期病棟の少女たち』
製作 – キャシー・コンラッド、ダグラス・ウィック
製作総指揮 – ウィノナ・ライダー、カロル・ボディ
音楽 – マイケル・ダナ
撮影 – ジャック・グリーン
編集 – ケヴィン・テント
配給 – ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
公開 – アメリカ 1999年12月21日、日本 2000年9月2日
上映時間 – 127分
17歳のカルテを観るには?
17歳のカルテを観た人の感想
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「19歳がつらい年齢だということは、誰にとっても言えることだと思うのです」(ウィノナ・ライダー)
『17歳のカルテ』永遠を生きるウィノナ・ライダーの自画像(CINEMORE) -
リサを演じるアンジェリーナ・ジョリーの、能動性や堂々とした振る舞いと脆さがないまぜになった演技が特に印象的だった。
感想:映画『17歳のカルテ』 長居できない”居場所”(水煮缶) -
今の子どもたちに必要なのは理想やファンタジーではなく、本音と建前の間で苦悩して生きる人間の覚悟、社会の矛盾した感情を、大人たちが伝えることかもしれません。
境界性パーソパリティー障害を描いた「17歳のカルテ」(1999)(長崎大学医学部)
17歳のカルテの原作・スザンナ ケイセン「思春期病棟の少女たち」
私は18歳で精神病棟に入れられた──。今は作家である著者が、病棟で出会った少女たちの素顔をいきいきと描く。狂気と正気の危うい境界を捉えた米ベストセラー。ウィノナ・ライダー、アンジェリーナ・ジョリー出演映画『17歳のカルテ』原作。