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エイリアン2の感想
やはり本作の白眉は、みんな大好きバスクェスを演じたジェニット・ゴールドスタインだろう。
この人は元々重量挙げの選手だったらしいが、筋肉美女が好物のジェームズ・キャメロン(「ターミネーター2」でリンダ・ハミルトンの肉体を改造させ、とうとう結婚までしてしまった)に気に入られて女優デビュー。「ターミネーター2」にも「タイタニック」にも出ている。
植民地海兵隊の面々が冷凍睡眠からの目覚めの悪さに顔をしかめる中、まずは懸垂でひと汗流すバスクェスは、ブリーフィング前にも懸垂仲間の機銃手と何やらじゃれあっている様子が描写されているが、ひとたび戦地に投入されると、ひときわ大袈裟な機銃を構えて先頭に立つ戦士となる。
最初の核融合炉施設への侵入作戦でも一行を先導しているが、単なるフェチストというわけでもないらしく、直後の悪夢のような撤退の中で、強酸を浴びた懸垂仲間を助けようとする漢気の人でもある。これに限らず危険地帯に乗り込む際には常に先頭もしくはしんがりを務めており、最初から犬死にの予感がある。
コロニーから放送塔までの脱出において、ついに多勢に無勢の絶体絶命に陥るが、最初の失敗以来役立たず扱いしていた中尉(本隊指揮系統のボス)が戻ってきて、二人で自爆する際の最期の台詞「あんたって本当にダメな男ね」は、あまたの戦争映画ファンを泣かせるのだが、本作を見るたび、この「植民地海兵隊」というのはどこまで本気の軍隊なのだろうと思わざるを得ない。
黒人の鬼軍曹、レイバンサングラスの女性降下艇機長など、パロディそのものであり、ウェイランド・ユタニ社はコストをケチって誇大妄想狂たちの自称軍隊ユニット(企業に雇われているのだから私兵である)を調達してしまったのではないかと思うのである。
エイリアン2のあらすじ
宇宙を57年漂流していたリプリーが救出され、娘の死を知る。前作でのエイリアン遭遇を訴えるも信用されず航海士資格を失う。入植地LV-426との連絡が途絶え、調査のため植民地海兵隊に戦略アドバイザーとして同行することに。
LV-426にて少女ニュートを保護するが、海兵隊はエイリアンの巣で奇襲され壊滅。生存者はバリケードを築くも、核融合炉の冷却停止で4時間後に大爆発の危機に。脱出を試みる中、社員バークの裏切りや、エイリアンの追撃で隊員が次々犠牲に。
リプリーはエイリアン・クイーンの巣を発見・破壊し、ニュートを救出して脱出に成功。しかし船にしがみついてきたクイーンとパワーローダーで対決し、宇宙空間に放り出す。生存者はニュートをリプリーが「ママ」として受け入れ、ハイパースリープへ入った。
エイリアン2 見どころ
ホラー要素が強かった前作から打って変わり、『ターミネーター』で一躍名を馳せたジェームズ・キャメロンを脚本・監督に迎え、原題が示す通り無数に繁殖したエイリアンと未来兵器に身を固めた兵士との戦いを描くアクション映画として製作された。
当時はCG技術がまだ未発達だったためすべて実写で制作され、エイリアンが画面に一度に登場する数は数体だったが、動体探知機が何十体もいるように反応する画面を表示したり、カット割りによって多数のエイリアンがいるように見えるように工夫された。
1986年のアカデミー賞では視覚効果賞、音響効果編集賞を受賞。2009年、イギリスの雑誌『エンパイア』が発表した「史上最高の続編映画」で1位に、2014年に情報誌『タイム・アウト(英語版)』ロンドン版にて映画監督、作家、科学者や評論家150名が選定した「SF映画ベスト100」にて第5位にランクインした。
エイリアン2を観る
エイリアン2のキャスト
エレン・リプリー – シガニー・ウィーバー
ニュート – キャリー・ヘン
ビショップ – ランス・ヘンリクセン
ラス・ジョーダン – ジェイ・ベネディクト
ティモシー・ジョーダン – クリストファー・ヘン
■植民地海兵隊
ドウェイン・ヒックス – マイケル・ビーン
ウィリアム・ハドソン – ビル・パクストン
ジェニット・バスクエス – ジェニット・ゴールドスタイン
スコット・ゴーマン – ウィリアム・ホープ
マーク・ドレイク – マーク・ロルストン
アル・エイポーン – アル・マシューズ
リッコ・フロスト – リッコ・ロス
シンシア・ディートリック – シンシア・デイル・スコット
トレヴァー・ウィズボウスキー – トレヴァー・スティードマン
ティム・クロウ – ティップ・ティッピング
コレット・フェッロ – コレット・ヒラー
ダニエル・スパンクマイヤー – ダニエル・カッシュ
■その他
カーター・J・バーク – ポール・ライザー
ヴァン・リューエン – ポール・マクスウェル
ライデッカー – ウィリアム・アームストロング
救助隊隊長 – スチュアート・ミリガン
エイリアン2のスタッフ
脚本 – ジェームズ・キャメロン
原案 – ジェームズ・キャメロン、デヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル
原作 – キャラクター創造 ダン・オバノン、ロナルド・シャセット
製作 – ゲイル・アン・ハード
製作総指揮 – ゴードン・キャロル、デヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル
音楽 – ジェームズ・ホーナー
撮影 – エイドリアン・ビドル
編集 – レイ・ラヴジョイ
公開 – アメリカ合衆国の旗 1986年7月18日
日本の旗 1986年8月30日
上映時間 – 劇場公開版137分/完全版154分
『エイリアン2』は不朽の名作映画です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。