（ドント・ブリーズ2の感想）
よせばいいものを、つい続編を見てしまった。同じ2人が脚本を共同執筆しているのは同じだが、監督は前回とは逆の人である（ロド・サヤゲス）。
主人公の老人を演じるのは前作と同じスティーヴン・ラングだが、ノーマンという名前を与えられている。また侵入者たちは全員軍人であり、さしもの老人も劣勢になって、さらわれた娘を取り返そうとする展開になるので、観る者は誰を信じるべきかわからず混乱する。しかもギミックだらけの館は中盤であっさり焼け落ちてしまい、町外れの廃墟ホテルに舞台が移るので、前作のような密室性も失われてしまった。犬の嗅覚を頼りにたどり着くのはいいとしても、初めて来た廃墟で盲人がブレイカーを落としたりできるのは、ちょっと無理がある。
そもそも前作の8年後に老人が少女と一緒に暮らしているつながりがないし、侵入者たちが心臓目当てに少女をさらうのも唐突で（フィオナ・オシャーグネッシーという気味の悪い女優が実の母を演じる）、前作の取り柄だった設定のシンプルさが皆無の駄作になっている。
ドント・ブリーズ2 あらすじ
盲目の元SEAL隊員ノーマン・ノードストロームは、8年前に廃墟で見つけた少女フェニックスを自分の娘として育てていた。ある日、フェニックスが誘拐され、犯人は彼女の実父レイランだと名乗る。
実はフェニックス（本名タラ）の実母ジョセフィンは薬物製造中の爆発で重傷を負い、娘の心臓を移植するために誘拐したのだった。ノーマンは犬の助けを借りて彼らの隠れ家を突き止め、闘いの中でジョセフィンはレイランの流れ弾で死亡。
重傷を負ったノーマンは真実を告白しタラに逃げるよう命じるが、レイランの最後の襲撃でノーマンは致命傷を負う。タラはレイランを殺し、養育施設へ向かい「フェニックス」と名乗る。エンドロールでノーマンがまだ生きていることが暗示される。
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ドント・ブリーズ2 見どころ
ノーマンとフェニックスの関係性や、道徳的な曖昧さが物語の中心となっており、前作とは異なるジャンルやテーマに挑戦している。新鮮だという意見もあるが、緊張感やホラー要素が薄れたり、ノーマンのキャラがぶれたことに違和感を覚える意見も。
- 見どころ1：ジャンルの変化
前作のホラー要素から一転し、本作はリベンジ・アクションになっている。まるで『ランボー』シリーズのようだと評する者もいる。 - 見どころ2：視覚的演出
暗闇の中での戦闘シーンや、ノーマンの盲目を活かした演出は続行。家の中での戦闘シーンは緊張感が高い。 - 見どころ3：スティーヴン・ラングの演技
敵役だったノーマンがフェニックスを守る存在に。完全に善人というわけではない。 - 見どころ4：マデリン・グレイスの存在
ノーマンに育てられた少女の成長や葛藤が描かれる。 - 見どころ5：道徳的にどうか
過去の罪を考慮すると、ノーマンを完全なヒーローとして描くのは無理がある。 - 見どころ6：贖罪なのか？
フェニックスを守るのはノーマンの贖罪の意志なのかもしれない。
ドント・ブリーズ2 キャスト
レイラン（武装集団のリーダー） – ブレンダン・セクストン3世
フェニックス（ノーマンの養女） – マデリン・グレイス
ジョセフィン（フェニックスの実の母） – フィオナ・オシャーグネッシー
ヘルナンデス – ステファニー・アルシラ
ジム・ボブ – アダム・ヤング
ジャレッド – ボビー・スコフィールド
デューク – ロッチ・ウィリアムズ
外科医 – ステファン・ロードリ
ビリー – ディアナ・バブニコワ
ラウル – クリスチャン・ザギア
ドント・ブリーズ2 作品情報
脚本 – フェデ・アルバレス、ロド・サヤゲス
製作 – フェデ・アルバレス、サム・ライミ、ロバート・タパート、ロド・サヤゲス
音楽 – ロケ・バニョス
撮影 – ペドロ・ルーク
編集 – ジャン・コヴァック
製作会社 – スクリーン ジェムズ、ステージ6・フィルムズ、ゴースト・ハウス・ピクチャーズ、グッド・ユニバース
公開 – アメリカ・日本 2021年8月13日
上映時間 – 99分
『ドント・ブリーズ2』は、前作とは打って変わったリベンジアクション映画です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。
