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悪夢の逃避行の感想
舞台はオレゴン州ポートランド。主人公はレストランの駐車係だが、客が食事をしている間に空き巣に入る常習犯である。ところがその晩車を預けたのはサイコパスの金持ちで、家に忍び込むと女性(ケリー・コンドン)が監禁されていた。警察に通報したがコソ泥の言うことなど信用してもらえるわけもなく……というサイコスリラー。
見るからにイカレていて異様にめざといサイコパスを、ドクターフーで知られるデビッド・テナントが演じる。監禁を知られたことを悟った彼は主人公を粘着的に追いつめ、駐車係をクビにさせるわ、親もクビにさせるわ、恋人のヌードをネットにさらして半殺しにするわ、親友の一家を皆殺しにするわで、いささかやり過ぎ。
満身創痍の主人公は、監禁されていた女性の手を借りてなんとかリベンジを試みるのだが、最後まで情けないままで、サイコパスを背後から殴り倒したケリー・コンドンいわく「人を助けるならこれぐらいやりなさいよ!」。これには笑った。
タイトル(原題は「悪いサマリア人」)が意味する教訓は「判断を誤るな」である。
最初に監禁を見つけたとき、ビビって大人しく車を返したのが失敗と言いたいようだ(武器になりそうなボルトカッターも助手席にあったのだ)。
ボルトカッターは終盤あらためて手にされるが、やはり役に立たずに終わっている。
悪夢の逃避行 見どころ
- デヴィッド・テナントの怪演
凶悪なサイコパスであるケイル・エレンドライヒを演じるデヴィッド・テナントの怪演。この人はイギリスの国民的俳優だが、本作では、表向きは紳士的でありながら、裏では残忍な顔を持つ異常者を不気味かつ魅力的に演じる。その冷酷な笑みや狂気に満ちた眼差しが強烈な印象を残した。 - ロバート・シーハンの絶体絶命のサバイバル
主人公のショーンを演じるロバート・シーハンは、自らも犯罪者でありながら、より巨大な悪に巻き込まれてしまう青年の戸惑いや恐怖、そして必死のサバイバルをリアルに表現。命がけの逃避行と、正義感との間で揺れ動く葛藤が見どころ。 - 息詰まるような心理戦と追跡劇
ショーンとケイルの間で繰り広げられる、高度な心理戦と息詰まるような追跡劇が中心。ケイルがショーンを精神的にも肉体的にも追い詰めていく過程は緊張感に満ちている。 - 善意と悪意の境界線
「善きサマリア人(バッド・サマリタン)」というタイトルが示唆するように、善意が裏目に出たり、悪意が善意を引き起こしたりと、人間の行動の動機や、善悪の境界線について考えさせられる。 - スリリングな展開とダークな雰囲気
監督のディーン・デヴリンは、この手のサスペンスを得意とする監督であり、予測不能な展開と、全体的にダークで不穏な雰囲気が映画を覆っている。
悪夢の逃避行のあらすじ
レストランで車をプールに止める仕事をしているショーン・ファルコは客の情報を利用して窃盗に入っていたが、ある夜、いつものように盗みに入ったファルコは思わぬものを目撃する。そこにはケイティと名乗る女性がおり、「頭のおかしい家主に監禁されているから助けてくれ」と言う。自らの犯行を目撃された焦りから、ファルコは逃走したが、家主のケイルに知られるところとなり、命を狙われることになる。
悪夢の逃避行を観るには?
悪夢の逃避行のキャスト
ショーン・ファルコ: ロバート・シーハン
デレク・サンドヴァル: カーリト・オリヴェロ
ケイティ: ケリー・コンドン
ライリー・シーブルック: ジャクリーン・バイヤーズ
ヘレン・レイトン: リサ・ブレナー
悪夢の逃避行のスタッフ
脚本 – ブランドン・ボイス
製作 – ディーン・デヴリン、マーク・ロスキン、レイチェル・オルシャン
製作総指揮 – ブランドン・ラムディン、カーステン・H・W・ローレンツ
『悪夢の逃避行』は、緻密なプロットによるハイテンションなバイオレンス・スリラー映画です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。