53歳の石田ひかりを見ていると、どこか「何を考えているかわからない」印象が残る。それは若貴ブーム真っ最中の朝ドラ「ひらり」(1992)の昔から変わらないのだが、本作ではその曖昧さが逆にリアリティとして機能している。
鬼女の棲む家の感想
ファーストインプレッション
本作で特に印象的なのは、石田ひかりの表情だ。
作られた演技というより、「何を考えているかわからない人間の顔」そのものに見える瞬間があり、そこに妙なリアリティがある。
(石田ひかり本人も、おそらく楽しんで演じていると想像できる)
そもそも「鬼女」と呼ばれる存在自体が曖昧だ。
2ちゃんの既婚女性板で驚異的なリサーチ力を誇る特定班のことを指しているが、それが本当に主婦なのか、誰が書き込んでいるのかは、実際、今に至るも不明である。この「正体のなさ」こそが、このドラマの本質であり、匿名の集合体が一つの人格のように振る舞う怖さを生んでいる。
ということで、本作はキャスティングの時点で方向性が明確で、特に石田ひかりの起用は作品の不気味さを底上げしている。
鬼女の棲む家のあらすじ
平凡な主婦の星野明香里(石田ひかり)の裏の顔は鬼女(ネット上の既婚女性掲示板、略して“既女”=“鬼女”)だった。主婦たちのひまつぶしは次第に度を越え、時に超人気タレントや大物政治家を破滅に追い込むまでの影響を持つほどに。その日も迷惑系YouTuberを見つけて特定に乗り出し、社会的制裁を下す快感に溺れていた。しかしある日、謎の人物から「炎上させてほしい人間がいる」 というDMが届く。断れば次に晒されるのは自分かもしれない――
鬼女の棲む家の考察
この作品で描かれるのは、「制裁の快感」。誰かを断罪することが正義として成立し、それが徐々にエスカレートしていく。
初話の最後に、謎の人物からDMが届き、「抜けられない構造」の厄介さが明確になる。
断れば自分が標的になる。つまり、加害と被害の境界が常に揺らぐ展開が予想される。
石田ひかりの夫はキャバクラ通いをしているし、娘はyoutubeデビューをしたばかり、そして顔を見せない引きこもりの小学生の長男がいる炎。“特定班”が出動すれば、炎上の種だらけと言える。
そこから、名うての「鬼女」としてどう逆転を図るかがこのドラマの見どころであろう。
鬼女の棲む家をおすすめしたい人
鬼女の棲む家の初話は、派手な初速で押すタイプではないが、不気味さと匿名性のテーマでじわじわ展開だった。
結論から言えば、本作は万人向けではない。
ただし、「炎上」「特定」などSNS特有の現代社会の描写に興味がある人には、強く刺さる作品だろう。
- SNS炎上やネット社会に関心がある人
- じわじわくるタイプのドラマが好きな人
向いていない人
- テンポの速い展開を求める人
- スカッとする物語を期待する人
鬼女の棲む家を観るには?
鬼女の棲む家 キャスト
■星野家
星野咲良(主婦で鬼女) – 熊井戸花
星野歩夢(長女) – 三浦綺羅
星野透(夫) – 竹財輝之助
■周辺人物
金井静香(スーパーの同僚) – 伊藤修子
若宮和樹 – 井内悠陽
里中萌(さとなか もえ) – 宮迫翠月
鬼女の棲む家 スタッフ
音楽 – 伊藤翼
主題歌 – hitomi「Tokey-Dokey」(maximum10)
監督 – 木村ひさし、坂本栄隆、雨宮由衣
制作 – 笠井知己(中京テレビ)
編成 – 奥谷莉里花、辻村享、加藤義広、安藤愛優美(中京テレビ)
広報 – 竹内千尋、小澤昌史、鈴木詩織(中京テレビ)
チーフプロデューサー – 栗田美和(CTV MID ENJIN)
プロデューサー – 次屋尚(CTV MID ENJIN)、林弘幸(CTV MID ENJIN)、有賀聡(ワタナベエンターテインメント)、加藤康介(ワタナベエンターテインメント)
制作 – CTV MID ENJIN
制作協力 – ワタナベエンターテインメント
製作著作 – 中京テレビ



