映画1980年代の映画1982年の映画

E.T.

4.0
ドリュー・バリモア(E.T.) 映画
ドリュー・バリモア(E.T.)
E.T.は、1982年のアメリカのSF映画。原題は「E.T. The Extra-Terrestrial」。製作・監督はスティーヴン・スピルバーグ、脚本はメリッサ・マシスンが務め、ディー・ウォレス、ヘンリー・トーマス、ピーター・コヨーテ、ロバート・マクノートン、ドリュー・バリモアなどが出演した。地球に取り残された地球外生命体(E.T.)と少年エリオットとの交流を描いた物語。
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E.T.の感想

愛らしいガーティーを演じたのは7歳のドリュー・バリモアで、本作で天才子役と言われ、翌年の「炎の少女チャーリー」では主役に抜擢された。

クライマックスのBMXとのカーチェイスから自転車の浮遊、宇宙船の到着、別れのラストカット、そしてエンドクレジットまでを一気に見せてしまうジョン・ウィリアムスのスコアは本当に素晴らしく、この伴奏なしに本作は語れないと思わせる。しかし、ウィリアムスはなぜかクライマックスの映像に演奏を合わせることができず、しかたなくスピルバーグのほうで、編集を演奏に合わせたという。

E.T.の見どころ

本作の最大の魅力のひとつは、音楽が物語・演出と完全に呼応し、感情と物語の“飛翔”を音楽で描ききっている点にある。

  1. 音楽が“宇宙と心”をつなぐ物語装置
    ウィリアムズの音楽は、単なるBGMではなく「E.T.とエリオットの心の接続、そして観客の感情へのナビゲーター」として機能する。
    E.T.が登場するたびに奏でられる木管や弦の哀しげで不安定な旋律は、彼の孤独と異質性を表す。エリオットや家族と過ごす時間には、温かくも繊細なメロディで人間的な絆を補強している。
    とくに感情の揺らぎとともに音楽が微細に変化する様子は、まるでウィリアムズが登場人物の心を先読みしているかのような「感情の同調装置」となっている。
  2. クライマックス“空を飛ぶ自転車”=シンフォニックな昇華
    最大の名場面は、エリオットたちが自転車で空を飛ぶシーン(The Flying Theme)。ここでウィリアムズは、高揚感あふれるホルンと弦のユニゾン、管弦の分厚いレイヤーが一気に旋律を押し上げ、音楽が“飛ぶ”ことそのものを表現する、という構造で、“自転車が空を飛ぶ”という非現実の映像に理屈ではない信じる心=魔法を添えた。
    映画史に残る“映像と音楽の完全融合”の瞬間であり、試写段階でスピルバーグが「編集より音楽を優先させた」と伝えられるほど、音楽を信頼していた象徴的場面である。
  3. 「別れ」と「再会の希望」を支える音楽設計
    E.T.との別れの場面では、**主旋律がゆっくりと、しかし確かに昇華していく。木管とピアノ、ハープのささやきから始まり、少しずつオーケストラが重なり、最後は「また会える」と確信するような和音で閉じる。この構成が、涙を誘う最大の演出となっている。台詞や演技以上に、ウィリアムズのスコアが「再会を信じていい」と語りかける。
  4. 音楽が「観客の童心」を呼び起こす
    ウィリアムズの『E.T.』スコアは、どこまでもロマンティックで、観る者の“子ども心”を引き出すことに成功している。単純なメロディの反復、大人ではなく“子ども目線”に寄り添うリズムやテンポ、音色に“おとぎ話”的な幻想性。これにより、『E.T.』という物語そのものが“現代の童話”として完成している。

E.T.のあらすじ

宇宙船から取り残された宇宙人E.T.を、少年エリオットが自宅に隠し、交流を始める。E.T.は念力や通信機作成など不思議な能力を見せ、エリオットと感覚を共有する。ハロウィーンに森へ連れ出し、故郷へ連絡しようとするが、E.T.は瀕死に。科学者に発見され一度は死亡と判断されるが、エリオットの呼びかけで蘇生。マイケルたちの協力で森へ逃げ、宇宙船が迎えに来る。E.T.は別れを告げ、空には虹がかかった。

E.T.を観るには?

E.T.のキャスト

エリオット – ヘンリー・トーマス
メアリー – ディー・ウォレス
マイケル – ロバート・マクノートン
ガーティ – ドリュー・バリモア
鍵の男 – ピーター・コヨーテ
グレッグ – K・C・マーテル
スティーブ – ショーン・フライ
タイラー – トム・ハウエル
プリティ・ガール – エリカ・エレニアック
E.T.の声 – パット・ウェルシュ

E.T.のスタッフ

監督 – スティーヴン・スピルバーグ
脚本 – メリッサ・マシスン
製作 – スティーヴン・スピルバーグ、キャスリーン・ケネディ

『E.T.』は、映画史に残る、映像と音楽が完全に融合した作品です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。

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