エイリアン:アースの感想
ファーストインプレッション
「エイリアン」の2年前、2020年の地球が舞台である。
冒頭でレトロな緑色のデジタルフォントでこの世界の設定が示される。それによれば、この世界には3種類の「不死の存在」があるという。ひとつはサイボーグ(身体の一部が機械)、そしてシンセ(人工知能体)、さらにハイブリッド(人間の意識を取り込んだシンセ)である。
これまでのエイリアンシリーズでは人類とエイリアンの他には、ウェイランド者が開発したアンドロイド(人工身体に人工意識)しかいなかった。3種の不死体はなぜ姿を消したのか。とはいえ、本作はシリーズと直接のつながりはないとされている(シガニー・ウィーバーのいない世界)。
また、この世界は、南北アメリカと火星・土星を牛耳るウェイランド・ユタニ社のほかに、月を支配するダイナミック社、シンセを創造したプロディジー・コーポレーションなど5つの企業が支配しているらしい。GAFAMを念頭に置いた設定らしい。
物語はノストロノモ号にそっくりな貨物船マジノ号(ウェイランド・ユタニ社所有)から始まる。コールドスリープから覚めて食事を始めるクルーたちの描写は「エイリアン」と同じだ。アンドロイドならぬサイボーグもいて、さりげなく差別されている。猫もいる。
船にはどう見てもヤバそうな標本がたくさんあり、案の定それ(すでにゼノモーフに成長している)が脱走したことでクルーは全員死亡、マジノ号はアンドロイドのモリーによって無人のまま地球、それもプロディジーシティの中心地に突っ込んだ。
一方、地球ではプロディジーの研究島ネバーランドで、マーシーという少女が人類で初めてシンセになる実験に加わっていた。用意された身体がウェンディである。目を覚ましたウェンディは人間ではありえない身体能力をもつが、シンセは成長せず、感情もない存在らしいが、ネバーランドのウェンディだから、子どもっぽい無邪気さは有している。ウェンディ(マーシー)は、プロディジーの衛生兵である兄ジョーを遠隔カメラで追いかけている。ジョーは妹は死んだと思っているのだが、運の悪いことにマジノ号が突っ込んだ災害現場に衛生兵として派遣されることになった。
ユタニの女社長はプロディジーCEOのカヴァリエに映話をかけ、船の積み荷を回収したいと言うが、カヴァリエ(少年といってもいい年齢の天才)はそれを拒否。何が積まれていたのかを調べるためにウェンディたちを向かわせる。兄も派遣されていることを知っているウェンディはうきうきと出動するのだが……
というところまでが、第1話のあらましである。
8月15日現在、2話までしかないのだが、すでにゼノモーフは大暴れで、プロディジーのセキュリティサービスはバタバタとなぎ倒されており、おなじみのフェイスハガーが潜む卵の巣も発見された。もう、目が離せないのである。
エイリアン:アースのあらすじ
2120年、地球と太陽系は5つの企業によって支配されていた。ウェイランド・ユタニ社の研究船USCSSマジノ号は、65年間の地球外生物探査を経て地球に接近するが、故障により航行不能となり、ゼノモーフ(エイリアン)が船内で暴れ、乗組員を殺害。マジノ号はプロディジー社の拠点であるニューサイアムのタワーに墜落する。
一方、プロディジー社では、末期症状の少女マーシーが合成人間の体に移されてウェンディと改名し、他のハイブリッドたちを監督していた。CEOのボーイ・カヴァリエは、ハイブリッドは人工知能に対抗するためのもので、ウェンディに特別な能力を与えたと明かす。
マジノ号の積荷を巡り、カヴァリエはウェイランド・ユタニ社の要請を拒否し、プロディジーの所有権を主張。ウェンディと合成人間の指導者カーシュは、墜落現場の捜索救助に向かい、ゼノモーフに追われる兄ジョー・ハーミットを救うため行動を起こす。ハイブリッドたちはゼノモーフの卵が発見するが、ハーミットはゼノモーフに引きずられていき……
エイリアン:アースを観るには?
エイリアン:アース キャスト
フローレンス・ベンスバーグ – マーシー(ウェンディの本来の姿)
アレックス・ロウザー – ジョセフ・D・ハーミット(プロディジー警備会社の衛生兵、ウェンディの兄)
エッシー・デイヴィス – デイム・シルヴィア(プロディジーの従業員でアーサーの妻)
サミュエル・ブレンキン – ボーイ・カヴァリエ(プロディジーCEO)
バブー・シーセイ – 警備員モロー(USCSSマジノのサイボーグ)
アダルシュ・ゴウラヴ – スライトリー(ハイブリッド)
リシ・クッパ – アーラッシュ(スライトリーの本来の人間の姿)
エラナ・ジェームズ – カーリー(ハイブリッド)
リリー・ニューマーク – ニブス(ハイブリッド)
ジョナサン・アジャイ – スミー(ハイブリッド)
デイヴィッド・リスダール – アーサー・シルヴィア(科学者、デイム・シルヴィアの夫)
ディエム・カミーユ – シベリアン(プロディジーのセキュリティサービス兵士)
モー・バー・エル – ラシディ(プロディジーのセキュリティサービス兵士)
エイドリアン・エドモンドソン – アトム・アインツ(プロディジーの上級社員)
ティモシー・オリファント – カーシュ(プロディジーの主任合成科学者、ウェンディの指導者兼トレーナー)