映画1980年代の映画1984年の映画

タイトロープ

4.0
アリソン・イーストウッド(タイトロープ) 映画
アリソン・イーストウッド(タイトロープ)
『タイトロープ』(原題:Tightrope)は、1984年制作のアメリカ合衆国のサスペンス・スリラー映画。クリント・イーストウッド主演兼製作。『アルカトラズからの脱出』の脚本を手掛けたリチャード・タッグルが脚本兼監督(初監督作品)。クリントの実の娘、アリソン・イーストウッド(当時12歳)が彼が扮する主人公の娘役で父子共演している。

タイトロープの感想

クレジットによれば監督はドン・シーゲルの「アルカトラズからの脱出」の脚本を書いたリチャード・タッグルということになっているが、実質的にはイーストウッドの演出だと伝えられる。

それにしてもなんと陰惨な映画であることか。
ニューオリンズのバーボンストリートで夜の女が次々と殺される事件をイーストウッドの刑事が追っていくのだが、離婚して二人の娘を育てている刑事が夜の闇に飲み込まれ、汚濁にまみれていくうちに、実は犯人とはイーストウッド本人なのではないかと、観客もイーストウッド自身も思い始める。

そこに現れるのがレイプセンターの所長を務めるジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド(「まぼろしの市街戦」(66年)で王女コクリコを演じた美少女で、デ・パルマの「愛のメモリー」(76年)での二役、「コーマ」(78年)のかわい子ちゃんぶりが忘れられない)だが、イーストウッドはビュジョルドを絞め殺す夢を見たりしていて、一貫して変態なのだ(ビュジョルドの起用は当時の愛人ソンドラ・ロックの勧めによるものらしい)。

ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド(タイトロープ)

ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド(タイトロープ)

当時は愛らしかった12歳の娘アリソン・イーストウッドを出演させ、犯人にレイプさせているのも、イーストウッドの変態ぶりを示すものだろう。

クライマックスには申し訳のようなアクションシーンがあるが、そのオチは、貨物列車に轢かれた真犯人の右腕である。

のちにイーストウッドは「運び屋」(2018)で自らの罪を懺悔しアリソンに許しを乞うことになるのだが、いやはや本当に罪深い男だと思う。

タイトロープのあらすじ

ニューオリンズ市警の刑事ウェス・ブロックは、歓楽街で続発する娼婦連続殺人を追う中、被害者の多くが自分と関係を持った女性であることに苦悩する。犯人は手錠と赤いリボンを使う異常性犯罪者で、ブロックの家族にも魔の手が迫る。捜査の末、かつてブロックが逮捕した元警官ロルフが容疑者として浮上。ロルフはブロックの恋人ベリルを襲撃するが、ブロックが追跡して対決。線路上で格闘の末、通過した列車によってロルフは死亡し、事件は終結する。

タイトロープを観るには?

タイトロープ キャスト

ウェス・ブロック(ニューオリンズ市警殺人課刑事) – クリント・イーストウッド
ベリル・ティボドー(レイプ・センターの職員) – ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド
モリナーリ(ブロックの部下) – ダン・ヘダヤ
ロルフ(殺人犯) – マルコ・セント・ジョン
アマンダ・ブロック(ウェスの娘) – アリソン・イーストウッド
ペニー・ブロック(ウェスの娘、アマンダの妹) – ジェニー・ベック
ベッキー(情婦) – レベッカ・パール

タイトロープ 作品情報

監督 – リチャード・タッグル
脚本 – リチャード・タッグル
製作 – クリント・イーストウッド、フリッツ・メインズ
音楽 – レニー・ニーハウス
撮影 – ブルース・サーティース
編集 – ジョエル・コックス
製作会社 – ワーナー・ブラザース
配給 – ワーナー・ブラザース
公開 – アメリカ:1984年8月17日、日本:1984年9月15日
上映時間 – 115分
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