パンチドランク・ウーマン -脱獄まであと××日-の感想
ファーストインプレッション
絶望感漂う画面作りはなかなか凝っていて、氷川拘置所は合成、内部は海軍航空隊記念館やら競輪場やら浄水場やらで撮影されている。拘置所には若頭率いるヤクザ軍団と特殊犯罪グループの半グレ集団がいて「あしたのジョー」の鑑別所並みに治安が悪く、しかもなぜか信者を集団自殺させた教団教祖が死刑を待っているという異常な環境。
52歳の篠原涼子は48歳という微妙にサバを読んだ刑務官を演じているのだが、この年齢設定が鍵になっているようで、捜査一課の藤木直人と、ジェシーが殺したとされる竹財輝之助の3人が同い年の大学同窓生。
タイトル通り、26歳のジェシーと篠原が赤いスポーツカーで脱獄している3ヶ月後のシーンがドラマ冒頭に流されたのだが(鈴木亜希乃Pのコメントによれば、米アラバマ州の刑務所で実際にあった事件が元ネタらしい)、見た目通りの「愛の逃避行」ではなく、母子の逃避行ということになるので、どういうドラマに仕立てるのか、脚本の腕の見せどころだろう。
第1話で3度も復唱された篠原のルール(それで私は「あしたのジョー」を思い出したのだ)とは、次のようなものだ。
ルール1: 他人に干渉するな
ルール2: 感情に流されるな
ルール3: 即興はよせ 予測しろ
ルール4: 誰も信じるな
ルール5: 希望を捨てろ
ルール6: 忘れるな これは平穏な毎日のためだ 決して難しいことじゃない
最後のはルールと言えるのか疑問だが、いずみ吉紘の脚本はなかなかかっこいい。
ジェシーの親殺しは、まあ冤罪ということなのだろうが、3人の48歳の過去と篠原の屈託に加え、女区の知英、トランスジェンダーの沢村玲、ヤクザと半グレと教祖といった囚人たちの絡みなども楽しみである。
最終回まで観て
ああ、最終回まで観てしまった・・・
覚醒してからの篠原涼子の手はずが完璧すぎて笑った。
最後の教会シーンで、「じつは私はあなたの母親」と告白するものとばかり思っていたが、その結末は先送り。話がすべて振り出しに戻り、続き(シーズン2)はHuluで、ってひどくないか・・・
パンチドランク・ウーマン -脱獄まであと××日-のあらすじ
氷川拘置所女区区長の冬木こずえ(篠原涼子)は常に規律正しく冷静沈着、他人に干渉せず感情に流されず、実直に職務を遂行する。ある日、父親殺人容疑で移送されてきた日下怜治(ジェシー)の顔に、こずえは息をのむ。刑務官たちは怜治を徹底マークするが、怜治は次々と問題を起こす。こずえの中で何かが少しずつ崩れ始め、怜治の事件を担当する警視庁捜査一課刑事・佐伯雄介(藤木直人)と共に激動の渦にのまれていく――。こずえの過去に一体何があったのか? 怜治の事件の真相は?
パンチドランク・ウーマン -脱獄まであと××日-を観るには?
パンチドランク・ウーマン -脱獄まであと××日- キャスト
日下怜治(強盗殺人で起訴中) – ジェシー(SixTONES)
佐伯雄介(捜査一課警部補) – 藤木直人
■氷川拘置所
●収容者
パク・ハユン(殺人未遂容疑) – 知英
渡海憲二(ヤクザ若頭) – 高橋努
羽田美波(大麻取締法違反容疑) – 尾碕真花
内村優(トランスジェンダー) – 沢村玲(ONE N’ ONLY)
鎧塚弘泰(教団教祖) – 河内大和
沼田貴史(殺人容疑) – 久保田悠来
西城直哉(殺人容疑) – 小久保寿人
小豆務(窃盗罪) – 団長安田(安田大サーカス)
河北竜馬(半グレ) – カルマ
●刑務官
海老原秀彦(副看守長、主任) – 小関裕太
知念智明(看守) – 柏木悠(超特急)
関川信也(看守長、区長) – 新納慎也
仲間加世子(副看守長、主任) – 中島ひろ子
熊沢一太郎(警備隊長、副看守長、主任) – 高岸宏行(ティモンディ)
高田彩月(看守) – 星乃夢奈[8]
刑務官 – 村内孝志、小川大二郎、佐藤竜太郎、高山陽平
小柳太介(矯正副長、処遇部長) – 宇梶剛士
長田竜司(所長) – ベンガル
●その他の職員
白井宗政(医務官) – 遠山俊也
仲間篤志(介護士) – 越村友一
■周辺人物
●冬木家
冬木誠子(こずえの母) – 山下容莉枝
●日下家
日下寿々(怜治の妹) – 梶原叶渚
日下秋彦(怜治の伯父) – 大澄賢也
日下春臣(怜治の父) – 竹財輝之助
日下在賢(怜治の祖父) – 山田明郷
●警察
反町耕作(捜査一課巡査部長) – 柾木玲弥
パンチドランク・ウーマン -脱獄まであと××日-スタッフ
演出 – 中茎強、南雲聖一、菅原伸太郎、茂山佳則
音楽 – 中島ノブユキ
主題歌 – 鈴木雅之 feat. 篠原涼子「Canaria」(Sony Music Labels)
オープニングテーマ – SixTONES「Rebellion」(Sony Music Labels)
チーフプロデューサー – 荻野哲弘
プロデューサー – 鈴木亜希乃、福井芽衣
制作協力 – AX-ON
製作著作 – 日本テレビ
【完全ネタバレ】パンチドランク・ウーマン -脱獄まであと××日-は結局どうなったのか
ついに脱獄に成功した沼田貴史・日下怜治・冬木こずえだったが、公安はこずえが共犯である可能性を考慮してマンションを家宅捜索する。
一方、こずえ一行は教団の隠れ家へ着く。沼田は教団本部から「こずえと怜治を始末しろ」と言われていた。
怜治はこずえのパスポートも作るように沼田に頼み、その前に、別荘に監禁された妹・寿々を助けに行くというので、こずえが残って沼田を見張ることに。拳銃を出した沼田を裸絞めにしたこずえは、車のキーと拳銃、金、トランシーバーを奪って隠れ家を出る。
そのころ怜治は別荘で寿々を助け出すが、佐伯に見つかってしまう。佐伯は「お前を殺す。こずえはお前のために罪を犯した。けどお前はこずえのために何かしたか?お前はこずえを幸せにはできない」と怜治を撃とうとするが、寿々に突き飛ばされ、怜治は逃げてこずえに合流した。寿々は警察に保護された。
怜治が「沼田は?」と聞くと、こずえは「逃げられた」と答えるが、その手には傷があった。
二人は検問を突破し、密入国の船が出る港まで歩いていくことに。森の中の無人の教会に身をひそめる。
肩を寄せ合ううち眠ってしまうこずえ。怜治はスマホで脱獄関連のニュースを開き、コメント欄を見て悩む。
こずえが目を覚ますと、祭壇にはロウソクが灯され、十字架の前で怜治はこずえを妻にすることを誓った。
しかしそこに機動隊が突入。先頭には佐伯の姿があった。佐伯はこずえとの関係を「男女の関係じゃないんだな!」と大声で確認。怜治は「こんなおばさんと結婚するかよ!」と怒鳴る。
じつは、こずえが眠っている隙に怜治は佐伯に電話し、もう一度自分を撃つように頼んで教会の場所を教えたのである。
佐伯は怜治に銃口を向けたが、次の瞬間、こずえは怜治から拳銃を奪って「日下怜治を確保しました!」と叫び、怜治に「必ずあなたを守るから」と囁いた。



