2026年冬ドラマ総括

2026年冬ドラマ総括

2026年1月期は、それなりに豊作だったと評価できる。
傑作がひしめいていたわけではないが、最後まで追いかけたくなるドラマがいくつもあった。一方で、「ながら見では理解できない」「じっくり向き合わないと魅力が伝わらない」作品も多く、視聴者の時間をかなり要求するクールだったように思う。

2026年1月期の収穫作

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東京P.D. 警視庁広報2係

最大の収穫は、やはり『東京P.D.警視庁広報2係』である。警察組織とメディアの間で板挟みになる広報官たちを描いた骨太なドラマで、記者会見、情報統制、捜査部署との軋轢など、警察広報という部署が抱える構造的なスリルを丁寧に描いており、「お仕事ドラマではないのか」という予想をみごとに裏切ってくれたドラマで、毎週楽しみにしていた。それだけに、最終回で「続きはHuluで」となったのにはずっこけたが……。

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リブート

世間の評判も高かった『リブート』も外せない。黒岩勉らしい複雑な構造の脚本は、ながら見視聴者を次々と脱落させたようだが、二人の鈴木亮平(片方の中身はマツケン)が会話する場面のVFXは見応えがあった。ただし、世間の絶賛ぶりほどにはノレなかったのも事実である。次項に触れる『身代金は誘拐です』と同じで、最後までどんでん返しにこだわるという姿勢に疑問をもったせいもある。

鳴海唯(テミスの不確かな法廷)

テミスの不確かな法廷

王道の完成度という点では『テミスの不確かな法廷』が頭抜けていた。発達特性を抱えた主人公を演じる松山ケンイチは非常に研究されており、特性を「能力」として消費するのではなく、社会との折り合いの難しさを含めて表現していた。重厚な法廷劇としても見応えがあり、安心して薦められる作品だった。

最後まで見はしたが…

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身代金は誘拐です

一方、『身代金は誘拐です』『パンチドランク・ウーマン -脱獄まであと××日-』『夫に間違いありません』といったあたりは、毎回ツッコミを入れながらも結局最後まで見続けてしまったドラマである。特に『身代金は誘拐です』は地味なキャスティングが功を奏し、真犯人や黒幕をめぐってしつこく展開を調整し続けたことで記憶に残った。そこまでのどんでん返しを視聴者は本当に期待しているのか、と思わざるを得ない。『パンチドランク・ウーマン』も、絶望感の漂う画面つくり、篠原涼子の熱のこもった演技が光っていたと思う。
この2本は、名作というほどでもないが、どこまでやるのか、「続きが気になる」というドラマ本来の力を持っていた作品群と言える。

また、今期は「ながら見」しにくいドラマが多かった印象がある。

杉咲花(冬のなんかさ、春のなんかね)

冬のなんかさ、春のなんかね

たとえば『冬のなんかさ、春のなんかね』は、今泉力哉監督らしい何気ない会話の積み重ねを杉咲花がどう演じるかを味わうドラマであり、杉咲をもっと堪能する必要があった。
同様に『京都人の密かな愉しみ Rouge-継承-』も、シリーズの文脈や京都という土地の空気をじっくり味わう必要があったのだが、例によって源節が鼻につきすぎた。
というのは言い訳で、どちらも正当に評価する以前に、きちんと向き合う時間をなかなか確保できなかったことが悔やまれる。

一方で、話題もになったらしい『再会〜Silent Truth〜』は、あまり面白みを感じることができず、自然に途中離脱した。井上真央が予想以上に輝いていたり、同窓会ミステリー(タイムカプセル物)として最後まで見届けたい気持ちはあったものの、考察合戦が始まっており、しらけたという感が強い。

同様に、『未来のムスコ』『黒崎さんの一途な愛がとまらない』『パンダより恋が苦手な私たち』『人は見た目じゃないと思ってた。』『探偵さん、リュック開いてますよ』などは、興味は持ちつつも追う時間がとれなかった。『未来のムスコ』はクライマックスの展開に観るべきところがあったようだったので、ちょっと悔しい。だが結果的に、これらは「自分が今観るべきドラマではない」と判断したことになる。

おなじみ「時間の無駄ドラマ」

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俺たちバッドバーバーズ

逆に、今期最大の失望作として挙げざるを得ないのが『俺たちバッドバーバーズ』である。中島歩主演という時点でかなり期待し、実際、序盤は勢いもあったのだが、回を重ねるごとに悪ふざけが先行し、結局途中で離脱してしまった。なぜああなってしまったのか。

初回で見切った作品も少なくない。
本命じゃなきゃよかったのに』『AKIBA LOST』『プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮』『この愛は間違いですか〜不倫の贖罪』『ぜんぶ、あなたのためだから』『おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-』『顔のない患者-救うか、裁くか-』などである。これらは「2話目を見る理由」が見つからず、時間の無駄だったということになる。
大半は深夜ドラマで、開始時点でもっと厳選しなければならないとはわかっているのだが、こうしたドラマの中でも思わぬ傑作が出てきた実績があるので、なかなか難しいのだ。

総じて2026年1月期は、圧倒的な代表作というより、「限られた時間の中で何を選び、何を切り捨てるか」がいつになく問われたクールだった。その中で最後まで印象に残ったのは、『東京P.D.警視庁広報2係』と『テミスの不確かな法廷』であり、そして良くも悪くもツッコミながら見続けてしまった数本のドラマたちだった。

ドラマ

キンパとおにぎり〜恋するふたりは似ていてちがう〜

赤楚は挫折した駅伝選手で、全体にメソメソしていてもどかしい。片岡凛の彼氏がパチンカスだったりするのも不穏な感じ。おそらく最終的には別の人生を歩むオチになる気がする。
ドラマ

リブート

ながら見で頭がパンクする人が続出している模様。ややこしい脚本を書いているのは黒岩勉で、主人公が人知れず誰かになりすましているという設定は、日曜劇場ではお馴染み。
ドラマ

再会〜Silent Truth〜

「同窓会物」に分類されるドラマ。これまでで一番美しく見える39歳の井上真央も何らかの秘密を抱えている。実は本作は2012年にも単発ドラマ化されているのだが、キャストを書くと怪しいのは誰かがバレてしまいそうだ。
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ドラマ

未来のムスコ

未来のムスコは、2026年1月13日からTBS系「火曜ドラマ」枠にて放送。主演は志田未来。未来のムスコの感想ヒロインの「崖っぷち女子」は28歳で、役者を諦めるリミットの30歳を目前に挫けつつあるという設定だ。同じ未来の名をもつ志田は実際には...
ドラマ

冬のなんかさ、春のなんかね

今泉監督の目論見通りと言っていいだろう。「何も起きない日常会話を、杉咲花という稀代の女優がどう演じるか」を楽しむ作品であることは間違いない。「ながら見」には向かない。
ドラマ

身代金は誘拐です

キャストは地味なのだが、かえって真犯人と黒幕がつかみにくく、今季の考察合戦をメインドラマになりそうだ。
ドラマ

本命じゃなきゃよかったのに

いつもの、こいつら会社に何しに来てるんだドラマ。2時半に出てタクシーで帰るのに満喫に入る意味がわからない。
ドラマ

AKIBA LOST

北山宏光は仕事を選んでいると思っていたが、本作はゲームの制作過程の物語化という、とんだ飛び道具的ドラマ。
ドラマ

黒崎さんの一途な愛がとまらない

豊嶋花(いつも驚いているが、まだ18歳なのだ)が、かなり仕上がってきた。不思議な魅力を持つ顔になりつつある。
ドラマ

終のひと

柿澤勇人が原作主人公に見た目を寄せていてすごい。
ドラマ

京都人の密かな愉しみ Rouge-継承-

石丸幹二と結婚するためにパリに旅立った常盤貴子のその後を描く、文字通りの続編である。ファーストシーズンからは渡辺謙の教授も出ていて、「京都人は何に縛られているのか」と穂志に謎かけをする(これがシリーズテーマ)。
ドラマ

東京P.D.警視庁広報2係

広報のお仕事ドラマではなくシビアな展開。そういえば「64」も警察広報の話だった。記者会見や情報管理、捜査幹部との折衝、記者と捜査部署との折衝など、上層部との板挟みになるのでドラマのネタとしては十分だ。
ドラマ

プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮

岡崎紗絵の演技がすごく気に障るのだが、どういう計算で演出しておるのか。
ドラマ

この愛は間違いですか〜不倫の贖罪

今季の不倫物の一つ。飽きもせずよく続けるわ。足立梨花にちょっと似ている宮本茉由はドラマ初主演とのことだが、映画化された太宰「斜陽」のヒロイン(かず子)を演じたりしていて、ちょっと気になる。
ドラマ

ぜんぶ、あなたのためだから

なんだこれ…花嫁がバイオリン演奏中に血を吐いて倒れるのだが、死んだのかどうしたのかが伏せられている。なぜ説明しなくていいと思ったのか、問いただしたい。
ドラマ

略奪奪婚

2話目以降の予約を取り消す気満々で見始めたが、演出のセンスが良いので残すことにした。展開はメチャメチャなのだが、棄てられておかしくなった内田理央の内面を描写しているように見えるところがミソだ。
ドラマ

パンチドランク・ウーマン -脱獄まであと××日-

絶望感漂う画面作りがなかなか凝っている。第1話では篠原涼子のルールが3度も復唱された。いずみ吉紘の脚本はなかなかかっこいい。
ドラマ

浮浪雲

ジョージ秋山は絶頂期に引退を宣言して3か月後に復帰し、青年誌で本作連載を始めた。時代は70年代だが、皮肉なことに、現代にこそ通じるメッセージがある(反「働いて働いて働いて」、そして反・不寛容)。
ドラマ

替え玉ブラヴォー!

北香那の代表作になるかも、と思ったが、これまでもこの人は毎回新しい顔を見せる、今どき珍しい意欲的な女優なのだった。
ドラマ

おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-

資料調査課は本当に「コメ」と呼ばれているそうで、結局、ただそれだけのドラマである。
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