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まさか「めまい」のオマージュ?(薔薇の素顔の感想)
例によって午後ローなので編集は度外視して見始めたものの、すぐに、どうもおかしいと気づく。ジェーン・マーチ(「愛人/ラマン」の美少女だ)とブルース・ウィリスの濡れ場が濃厚すぎ、初めからシーンがカットされて公開されたというのだが、そのシーン(裸エプロンなどもある)になるといつも同じBGMがかかるのが「[エマニエル夫人」ぽくて、いかにも駄作であり、実際、ラジー賞の「最低作品賞」を受賞してしまった(マーチは最低助演男優賞と最低女優賞)。
NYの精神分析医ウィリスは診療中にクライアントが自殺したため心因性色盲になったという設定(この伏線は一応回収される)。静養のため同業友人がいるカリフォルニアにやって来るが、友人は殺され、患者5人のグループセラピーを引き継ぐことになる。5人はセックス依存症・潔癖症・妻子を殺されたPTSD・被害妄想症・自閉症で、ここまでは面白そうなのだが、これらはこの後の展開とほぼ無関係。やがて出会った美女ジェーン・マーチといい仲になるのだが、彼女は実は解離性同一症で…という話(邦題はネタバレになっている)。
ラストはちょっと「めまい」風。てゆか、まさか全体に「めまい」のオマージュなのか??
薔薇の素顔 見どころ
ブルース・ウィリスが精神科医、ジェーン・マーチが謎めいた多重人格の女性を演じたサイコ・サスペンス映画だが、公開当時、濃厚なラブシーンが過激すぎて、公開時は多くのシーンがカットされた(カットされたシーンは、VHSやDVDなどで観ることができるが、現在日本ではどちらも絶版)。役者陣の体当たりな演技にも関わらず、観客からの評価は乏しく、その年のゴールデンラズベリー賞のほとんどの部門にノミネートしてしまい、その内「最低作品賞」を受賞してしまった。
- ブルース・ウィリスの異色な役どころ
ブルース・ウィリスが精神的なトラウマを抱えた精神科医ビル・キャパを演じる。目の前で患者が自殺したショックで、血の赤色を認識できなくなる「心因性色盲」を患っているという設定で、アクションを封印し、繊細な内面を表現しようと努めている。 - ジェーン・マーチの妖艶な魅力と多重人格
『愛人/ラマン』で鮮烈なデビューを果たしたジェーン・マーチが、謎の美女ローズを演じ、妖艶で魔性の魅力でキャパを翻弄する。彼女が多重人格であることが明らかになるにつれて物語が複雑で危険な様相を呈する。 - エロティックな描写とサイコ・サスペンス
官能的なシーンが多いことでも知られ、キャパとローズの愛欲に溺れていく関係が、猟奇殺人事件というサスペンス要素と絡み合う。 - 先の読めないミステリー展開
キャパの友人の精神分析医が惨殺される事件から始まり、犯人は誰なのか、そしてなぜローズが事件に関わっているのかという謎が深まる。多重人格という要素が加わることで、誰が真犯人なのか、何が真実なのかが最後まで読めない展開。 - 映像美と不穏な雰囲気
スタイリッシュな映像と、ドミニク・フロンティアによる音楽が、物語の持つ不穏でミステリアスな雰囲気を盛り上げる。「赤色が見えない」という設定が映像表現にどう影響したかも見どころ。
トリビア・撮影裏話など
- アメリカでの公開時に、NC-17指定を受ける可能性があったため、一部編集されてR指定で公開。しかし後に監督のリチャード・ラッシュの意図が反映された約20分長い「ディレクターズ・カット版」がDVDなどでリリースされている
- 当時人気絶頂だったブルース・ウィリスと、映画デビュー作から話題作に出演していたジェーン・マーチという異色の組み合わせが注目を集めた
- 主人公が「心因性色盲」で赤色が見えないという設定は、物語のキーポイントとなるかと思いきや、あまり活かされておらず残念
- 批評家からは必ずしも高い評価を得ているわけではなく、「ストーリーがご都合主義的」「異常者の行動理由が納得しがたい」といった声も。その一方、官能的な描写やミステリー要素を楽しめるという意見も
薔薇の素顔の人物相関図
薔薇の素顔 あらすじ
神分析医のキャパ(ウィリス)は、治療中の患者に自殺され精神的に打撃を受ける。同業で友人のボブを訪ねてLAへ赴いたキャパは、五人のグループ・セラピーに立ち会うが、ボブはその中の誰かに命を狙われているとキャパに話す。そして数日後、ボブは38ヶ所を刺された死体で発見される。セラピーを引き継ぐことになったキャパは、軽い接触事故を起こしローズ(マーチ)と知り合う。彼女との関係に心を癒されるキャパだったが、彼女にはセラピーの全員とも関係する大きな秘密があった。
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(なぜか「ハスラー2」の紹介文がついていて、正しいかどうか不明。注意!)
薔薇の素顔のキャスト
ローズ / リッチー – ジェーン・マーチ
マルティネス – ルーベン・ブラデス
ソンドラ – レスリー・アン・ウォーレン
ボブ・ムーア – スコット・バクラ
クラーク – ブラッド・ドゥーリフ
バック – ランス・ヘンリクセン
ケイシー – ケヴィン・J・オコナー
デール・デクスター – アンドリュー・ロウリー
アンダーソン – エリク・ラ・サル
ラリー・アシュランド医師 – ジェフ・コーリー
ミッシェル – キャスリーン・ウィルホイト
イーディス・ニーデルマイヤー – シャーリー・ナイト
薔薇の素顔のスタッフ
製作:バズ・フェイトシャンズ、デヴィッド・マタロン
製作総指揮:アンドリュー・G・ヴァイナ
脚本:マシュー・チャップマン、ビリー・レイ
原案:ビリー・レイ
撮影:ディートリッヒ・ローマン
音楽:ドミニク・フロンティア
『薔薇の素顔』は、ブルース・ウィリスのいつもとは違う顔と、ジェーン・マーチの妖艶な魅力、そして衝撃的なサイコ・サスペンスが融合した、賛否両論を巻き起こした異色の作品です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。