フィラデルフィア物語

キャサリン・ヘップバーン(フィラデルフィア物語)
キャサリン・ヘップバーン(フィラデルフィア物語)

1940年制作のアメリカのロマンティック・コメディ映画。原題は「The Philadelphia Story」。フィリップ・バリーが手掛けた同名のブロードウェイ作品を原作とし、結婚前夜の上流階級の令嬢と、その前夫と雑誌記者による喜劇を描いている。1940年(第13回)アカデミー賞で主演男優賞(ジェームズ・スチュワート)、脚色賞を受賞した。
キャサリン・へプバーン演じる令嬢は、フィラデルフィアの社交界で浮名を流し、後に原作者バリーの友人と結婚したヘレン・ホープ・モントゴメリー・スコットをモデルにしている。へプバーンは本作の大ヒットによりスター女優となり、それまで映画興行主から着せられていた「ボックス・オフィス・ポイズン(金にならないスター)」の汚名を返上した。
1956年の『上流社会』はこの作品のミュージカル版。

フィラデルフィア物語のあらすじ

フィラデルフィアの上流階級の令嬢トレイシーは、石炭会社の重役であるジョージとの結婚を控えていたが、大のマスコミ嫌いだった。結婚式をスクープしようと考えた「スパイ」誌の社長キッドは、2年前にトレイシーと喧嘩別れした前夫デクスターを利用してヘイヴン邸内部の取材を計画。キッドに指示されたコナーとエリザベスは、「トレイシーの兄の友人」と偽りヘイヴン邸に乗り込む。二人の正体を察知したトレイシーは二人を追い出そうとするが、デクスターから「父セスの愛人スキャンダルを雑誌に掲載する」と脅され、掲載取り下げと引き換えに結婚式の取材を引き受けることに。ロード一家は渋々「上品な上流階級」を装うが、気が強くプライドの高いトレイシーはエリザベスのカメラを落としてネガを台なしにする。

フィラデルフィア物語の感想

それはもちろん「上流社会」のグレース・ケリーのほうが美しいに決まっているのだが、元の舞台から演じているキャサリン・ヘップバーンの「男を理解せず、男に理解されない、フィラデルフィアの我儘な上流階級の女」は素晴らしい。

映画は名場面の宝庫で、ジョージ・キューカーの面目躍如である。

傲慢なケイリー・グラント、不良なジェームス・スチュワート、知的なルース・ハッセイ、芸達者な子役ヴァージニア・ウェイドラー(17歳で引退した)など脇役もすべて完璧で、たいへん贅沢な映画である。

フィラデルフィア物語のキャスト

C・K・デクスター・ヘイヴン:ケーリー・グラント
トレイシー・サマンサ・ロード:キャサリン・ヘプバーン
マコーレイ・”マイク”コナー:ジェームズ・スチュワート
エリザベス・イムブリー:ルース・ハッセイ
ジョージ・キットリッジ:ジョン・ハワード
ウィリアム・Q・トレイシー(ウィリー叔父さん):ローランド・ヤング
セス・ロード:ジョン・ハリディ
マーガレット・ロード:マリー・ナッシュ
ダイアナ・”ダイナ”・ロード:ヴァージニア・ウェイダー
シドニー・キッド:ヘンリー・ダニエル

フィラデルフィア物語のスタッフ

監督 ジョージ・キューカー
脚本 ドナルド・オグデン・スチュワート
原作 フィリップ・バリー
製作 ジョセフ・L・マンキウィッツ

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