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スペースカウボーイ

マーシャ・ゲイ・ハーデン(スペースカウボーイ) 映画
マーシャ・ゲイ・ハーデン(スペースカウボーイ)
2000年公開のアメリカ映画。原題は「Space Cowboys」。主演・監督・製作はクリント・イーストウッド。その他の出演はトミー・リー・ジョーンズ、ドナルド・サザーランド、ジェームズ・ガーナーなど。
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スペースカウボーイの感想

2000年、70歳になったイーストウッドが向き合うのは老いである。
驚くほどあっさりと一匹狼であることを諦めて、トミー・リー・ジョーンズドナルド・サザーランドジェームズ・ガーナーと自らの4人によるチームプレイによってそれが表現される(撮影中、サザーランドは誤って後ろに倒れて膝にひびが入ったし、ガーナーも別のシーンの撮影中に転倒して肩を脱臼した。ボロボロである)。

前半はこうした老人たちによるコメディである。

後半は、石油採掘のスペシャリストが宇宙空間で小惑星を爆破させる「アルマゲドン」と同じようなSFアクションとなり、4人もまた完全なプロフェッショナルとして行動する。しかし結局、膵臓癌を患い死期が近いトミー・リーのスタンドプレーを静かに見守るしかないという結末だ。

彼を愛したマーシャ・ゲイ・ハーデンの涙が哀切で、ラストシーンのシナトラの「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」が沁みる。

スペースカウボーイの見どころ

冷戦時代、宇宙飛行士になる夢を諦めざるを得なかった4人のベテランパイロットたちが、老齢になってから宇宙へ行くチャンスを得て、地球の危機を救うために奮闘する映画。

  1. 豪華レジェンド俳優たちの共演
    • クリント・イーストウッド: 渋さとユーモアを兼ね備えた魅力的なキャラクター、かつての夢を諦めきれなかったフランク・コービン
    • トミー・リー・ジョーンズ: 不器用で一匹狼だが、操縦技術は天才的なホーク・ホーキンス
    • ドナルド・サザーランド: お調子者で女好きだが、天才的な物理学者ジェリー・オニール
    • ジェームズ・ガーナー: チームの中で最も冷静沈着なタンク・サリバン

    この4人のベテラン俳優たちが、宇宙という未知の領域で「カウボーイ」の名にふさわしい活躍を見せ、観る者に勇気と感動を与える。

  2. 「人生に遅すぎることはない」というメッセージ
    若き日に夢を諦めざるを得なかった男たちが、還暦を過ぎてから再び夢を追いかける姿。年齢を重ねてもなお、挑戦し続けることの素晴らしさ、そして友情の尊さが描かれる。
  3. SFアクションとしての面白さ
    古いロシアの衛星が地球に落下するのを阻止するというSF的な危機と、それを解決するための宇宙でのミッション。宇宙空間での修理作業や、トラブル発生時の緊急対応など、宇宙飛行士たちの知恵と経験が試される。
  4. ユーモアとシリアスの絶妙なバランス
    年齢を重ねた彼らならではの、ジョークや自虐ネタが随所に散りばめられており、観客を笑わせます。宇宙での危険なミッションや、仲間との友情、そして人生の選択といったシリアスなテーマも深く描かれ、そのバランスが秀逸。
  5. ノスタルジーと希望
    50年代の航空宇宙開発の黎明期から、現代の宇宙開発まで、アメリカの宇宙開発の歴史を背景とする物語。若かりし頃の彼らが夢を追いかけた情熱と、老いてなお輝きを放つ姿がノスタルジーと未来への希望を感じさせる。

トリビア・撮影裏話など

  • クリント・イーストウッドは当初、出演のみの予定だったが、宇宙旅行の撮影が困難だと考えた他の監督候補が辞退したため、自身で監督も務めることになった
  • リアリティを追求するため、NASAが全面協力。ジョンソン宇宙センターやケネディ宇宙センター、ケープカナベラル空軍基地でロケが行われたほか、ミッションコントロールセンターのセットは、実際の管制室の設計図を元に作られた
  • NASAは、無重力状態を再現できる「嘔吐彗星」と呼ばれる航空機(アポロ13号の撮影でも使用)の提供を申し出たが、イーストウッド監督は高齢の俳優たちが体調を崩すことを懸念し、申し出を断った。宇宙でのシーンは、ほとんどがCGとミニチュアモデル、そして役者の顔をデジタル合成することで表現された
  • 冒頭の1958年のシーンでは、若い頃のフランクたちを別の若い俳優が演じているが、セリフは、それぞれの俳優によって吹き替えられている
  • テレビ番組「ザ・トゥナイト・ショー・ウィズ・ジェイ・レノ」のホスト、ジェイ・レノが本人役でカメオ出演(老スペースカウボーイたちにインタビューするシーン)

スペースカウボーイの人物相関図

スペースカウボーイ あらすじ

1958年、アメリカ空軍のテストパイロットチーム「ダイダロス」は、宇宙飛行士の夢を断たれ、NASAの設立によりチンパンジーが選ばれた。40年後、メンバーの一人フランクは、旧ソ連の通信衛星「アイコン」の修理に協力依頼を受ける。衛星はフランクが設計したシステムを使用しており、彼はチーム・ダイダロスの宇宙行きを条件に承諾。仲間たちと訓練を始めるが、上層部は彼らを宇宙に行かせるつもりはなく、フランクは激怒。さらに、仲間のホークが膵臓癌で宇宙に行けないことを知り、一度は宇宙行きを断念しようとするが、仲間の尽力により全員が宇宙へ。しかし、アイコンが核ミサイル搭載のミサイル衛星と知り、修理を拒否。誤作動で地球への落下を阻止後、ホークは月へ向かうことを選び、フランクたちは地球に帰還。ホークは月に辿り着き、物語は幕を閉じる。

スペースカウボーイを観るには?

スペースカウボーイのキャスト

フランク・コーヴィン:クリント・イーストウッド
ホーク・ホーキンズ:トミー・リー・ジョーンズ
ジェリー・オニール:ドナルド・サザーランド
タンク・サリバン:ジェームズ・ガーナー
ボブ・ガーソン:ジェームズ・クロムウェル
サラ・ホランド:マーシャ・ゲイ・ハーデン
ジーン・デイヴィス:ウィリアム・ディヴェイン
イーサン・グランス:ローレン・ディーン
ロジャー・ハインズ:コートニー・B・ヴァンス
バーバラ・コーヴィン:バーバラ・バブコック
ヴォストフ将軍:ラデ・シェルベッジア
アン・カルザース医師:ブレア・ブラウン
フランク(青年時代):トビー・スティーブンス
ホーク(青年時代):イーライ・クレイグ
ジェリー(青年時代):ジョン・マロリー・アッシャー
タンク(青年時代):マット・マッコーム
ボブ(青年時代):ビリー・ウォーリー
ジェイソン:クリス・ワイルド
若いパイロット:ジョン・ハム
ジェイ・レノ

『スペースカウボーイ』は、ベテラン俳優たちの魅力が存分に発揮された、笑いと涙、そして興奮が詰まったエンターテイメント作品です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。

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