飛雄馬は王貞治との真剣勝負を志願。謎の球は天才打者の体勢を見事に崩し、川上監督は即座に練習を非公開にする。陰で見守っていた一徹は魔球の誕生を確信し、息子の成長に歓喜の咆哮を上げる。
息せきって帰ってきた一徹、「なぜテレビをつけとかん!」
テレビを点けるとアナウンサーの声。
――今日の巨人軍のピッチャーは二軍から昇格した・・・
「ムムッ!」
――・・・倉田であります。
一徹(がっかりして)「倉田・・・だと・・・?」
しかし、翌朝の新聞によれば、倉田は相手打線を無事抑えたようだ。
それでも心が晴れない一徹、「いつあの球を見せてくれるのじゃ」とその日もツルハシをふるうのだった。
そして、ついに星と伴が試合に呼ばれる。
川崎スタジアム(当時の大洋本拠地である)、巨人-大洋戦である。
投手を心配する記者に、「ご心配なく」とON。

「じゃあそろそろ着替えるんで失礼」

バタンとドアが閉まり、記者たち「何かありそうだなあ…」(と去る) すると・・・

ONが星と伴に変身!?

一方、今日も走って帰る一徹
明子「テレビついてますよ」←昨日怒られたから点けておいた
無言で座る一徹。
明子「ピッチャー、飛雄馬じゃないわよ」
「飛雄馬が出ないなら、なんだ!」
明子「おかしなお父さん、そんなことは監督さんが決めることでしょ」
左門の打撃、相変わらず絶好調である。
――左門にまつわる心暖まるエピソードをご紹介しましょう…
ということで、アナウンサーが左門の弟妹を紹介する。
――どうですか、この喜びよう。兄に招かれて、今宵は初めてのナイター見物なのです…

ベンチでテレビを見る飛雄馬
「この子たちだったのか、俺を泣かせたけなげな弟や妹たちは・・・」
左門の苦労を、まるで見てきたように回想する飛雄馬である。
飛雄馬「監督さんも見ていたんですか」
川上「故郷も同じ熊本、この川上の生い立ちとよく似ておる!」←熊本の人はみんなビンボみたいな言い方
それから、プルペンで投げておけと飛雄馬に命じる。

……余談だが、野球に疎い者(球場に行ったことがない)としては、このプルペンというのは謎である。ここでは地下室みたいな場所だが、実際にはファウルゾーンにあったりするらしい??
そして7回裏、アウト1、ランナー1・3塁でバッター左門というピンチに、川上はピッチャー菅原に代えて星を宣言。

一徹「で、出るか!」(滝のような汗)
川上「星、わしらの度肝を抜いたように球界をあっと言わせてみい!」
左門の弟妹の応援を背に、身の上話と勝負は関係ない!と飛雄馬を牽制する川上であった。
左門「星君が相手なら、ホームランば打って打順を7番から6番に上げてみせるたい」

左門のひとりごとを聞いていた森
森はわざわざマウンドまでやってきて、「あいつ言いたいこと言っとるぞ」と飛雄馬に耳打ちする。
飛雄馬「どうやら鬼になりきれる、非情の鬼に!」

ギン!

当たった!

見たぞ、飛雄馬、見せてもらったぞ!

皆が16番をポンポン叩く
川上「親父さんに会ったら、川上がこう言っていたと伝えてくれ。今夜、このマウンドに私は史上最大の幻の名三塁手の姿をはっきり見たとな!」
一方、中継は狐につままれたようになっている。
――それにしても左門選手は不運です、避けそこねたバットにボールが当たってしまうとは・・・
左門「わしの不運? 星君の幸運ですたい!」
別当監督「巨人はよほど苦しいと見えるな、まぐれのボールをああ喜ぶとは」
誰もまだこれが魔球とは思っていないのであった。
一徹「いや、まぐれではない!」
次の打者は松岡。
飛雄馬また大リーグボール、王が前進して取り、バックアップに入った飛雄馬が捕球して1塁アウト。
別当「ま、まさか…」
観客は「星、どこへ投げてる」と大騒ぎ。
別当はタイムを宣言、代打に金光を起用。
(オイオイ、もう3人アウトになってるぞ)
また大リーグボール、キャッチャーフライである。
球場はシーンとなる・・・
――さて・・・ここで打順はトップに戻って江尻・・・
(巨人の攻撃はどうなった?)
江尻はバットをぐるぐる回すが大リーグボールの餌食になり、セカンドフライ。
ここへ来てようやく球場は、飛雄馬が投げている魔球に気がつくのだった。
――なんと申しましょうか、これはまさに真夏の夜の夢!
一徹、「いや、これは夏の夜空に輝く彗星」
どっちでもいいわww
そのまま試合は進行して1-7で巨人の勝ち。取材陣が巨人ベンチにおしかける。

川上は得意満面

大リーグボールを解説する飛雄馬
「どう動くかわからない相手の動きを、当然のことのように予測している人たちがいるんです。例えばボクサー、剣道、拳銃で犯人を狙う警官です」
あのう、警官はポンンポン犯人を撃たないからww
「目隠しのバッターが無意識に振り回すバットを狙うところから練習を始めたんです」

そこで僕の出番だ、と王
「なにげなく見送ったボールがガーンと当たってさしもの僕もバランスを崩した。ところが金やんが騒ぎ出して・・・」

「ほい、どいてんか!」
金やん「大リーグの専売特許だった新変化球の実現を日本人の手でついになしとげたか、と言うたんや」

そこでわしが名づけて、
「大リーグボール1号」
いや、その名前はもう付いていたからww ていうか、なんで「1号」ww
飛雄馬「この大リーグボール1号を父ちゃ…いや父と姉、金田さん、チームの先輩と親友・伴に捧げる」

いやあね、父ちゃんだなんて…
一徹も「わしの飛雄馬…!」と静かに涙。
明子「私、野球のことはよくわからないけど、飛雄馬は勝ったのね・・・」
・・・この家に生まれ暮らして、野球に詳しくならずにいるには、相当に強い意志が必要なのではないだろうか?
花形は「大リーグボール1号」の弱点を見抜いたと豪語し、投球直前にバットを隠す奇策で揺さぶるが、飛雄馬は筋肉の動きから花形の意図を完璧に予測。精密な制球で「バット隠し」も「バント作戦」もことごとく封じ込め、花形が完敗を喫する。(第76話|宿敵・花形との対決)


