花形は魔球打倒のため、自動車工場で巨大な鉄球を鉄バットで打ち返す命懸けの特訓に没頭。一徹はなりふり構わぬ花形の殺気を察知。「かっこよさ」を捨てた宿敵が、飛雄馬の前に最大の壁として立ちはだかる。

花形が花形でなくなったのですな、と解説は気の利いたことを言ったつもり。
反してアトムズ戦の飛雄馬は絶好調。
(アトムズとは、今のヤクルトのこと。手塚治虫が球団後援副会長だったので鉄腕アトムをキャラクターに使っていたが、虫プロが倒産したので、73年にスワローズになったのだ)

「花形君、すごうやつれましたな・・・」
再び花形が打席が立ち、解説者、花形のフォームが後ろにずれていると指摘する。
藤本監督は代打を宣言。
――ついにくるべきときがきました、花形はこのままスターの座を去るのでありましょうか・・・
そこへ花形父から球場へ電話。

「なんという醜態です」
「花形家の人間はああいう様を姿を見せてはいかん。ミツルハナガタ2000が代打を出されてしまう人間と同じ名とはな」
「売れ行きが落ちたのですか」
花形は心配そうな声になる。
「花形の名のつくものは栄光に輝いていなければならん」
花形、ドアを閉めると、
「ミツルハナガタ2000、ドンドン生産してください」
「信じよう、花形家に流れる栄光の血をな!」
再び神宮に戻り、8回裏、飛雄馬の大リーグボール快進撃に速水はあせる。
「俺の輝きがなくなっていく・・・!」
そこで、花形の名を出さずに、特訓のことを川上に話してみる。
川上、顔色を変えて、
「速水、いったい何を元にしてそんなことを・・・よもや現実に誰かがそれをやっているというのか」
「と、とんでもない、空想です。思いつきです」
「だとすれば、お前の野球センスを見直さねばならん・・・しかしもはや誰かが実行しているかもしれん。だとするとおそろしいことが起こる…」

速水は小躍りを抑えて、
「ふっふっふっ、これはうれしい話を聞いたぜ!」
何も知らずに完封した飛雄馬を遠目に見て、
「ふん、お前の野球生命は風前のともしびよ!ふたりとも命とりだ、残るスターは俺一人!」
やっぱり性格が悪いのである。

「今や君は巨人の星」と持ち上げられて、
思わずジーン
タバコ屋から電話した一徹に、飛雄馬は「明日の朝の新聞を見てほしいんだ」と言う。
「どんな記事じゃい、へなへな大リーグボールの欠点でもすっぱ抜いてあるのか!」

なんだい、ムード壊れるなあ…
「輝きわたる巨人の星、破竹の9連勝ってね」
「変な奴じゃのう、大騒ぎすることもあるまい」
と話しながら涙が止まらない一徹である。

「それでも何か、巨人軍の朝飯でお前が梅干を食うから巨人の星か、それとも洗濯物を物干し竿に干すので巨人の星かっ・・・!」
「飛雄馬のやつ…なまいきに寿司など…」

サビがききすぎておるな…
首位攻防戦の巨人対阪神戦。飛雄馬の登板に合わせて花形が執念の代打出場を直訴。「努力を隠す」美学を捨て、血まみれの手を見せてまで勝負を望み、マウンドで対峙する飛雄馬に対し、彼は伝説の本塁打予告を突きつけた。(第80回|巨人・阪神の死闘)


