007 スカイフォールってどんな映画?
ネタバレあらすじ
トルコでの任務中、ボンドは仲間の誤射により峡谷へ落下して行方不明に。数ヶ月後、MI6本部が爆破されてNATO工作員の情報が流出した。ボンドは復帰を決意し、主犯格を追って上海、マカオ、そして廃墟の島へと向かう。
黒幕はMに深い恨みを持つ元エージェントのシルヴァ。ボンドは彼を捕らえるが、シルヴァは脱走し、公聴会に出席中のMを襲撃。ボンドはMを護衛して自身の生家「スカイフォール」へと誘い込む。猟場管理人キンケイドの協力で罠を仕掛けて迎え撃つが、激戦の末にMは重傷を負い、ボンドの腕の中で息を引き取った。
新たなMにはマロリーが就任。ボンドはマネーペニーとなったイヴらと共に、再びエージェントとしての任務へと戻っていく。
母なるMを挟んだボンドとシルヴァの葛藤
午後ローでクレイグ版007を連続で放送するというので観る気になったのだが、「カジノ・ロワイアル」からではなく3作目の本作からで、しかも143分を92分にカットするいつもの鬼編集で、かなり萎える。おかげでせっかくのボンドガール(ベレニス・マルローエ)の存在意義がほとんどわからなかった。
本作はイスタンブールでのサービス過剰とも言えるアクションシーンから始まり、ボンドが落下して死んだと思われるシークエンスから始まる。シルヴァの犯行開始で復帰するのだが、後遺症で手が震え、射撃テストの点数がギリギリという設定は、イアン・フレミングの原作でアル中になったボンドのくだりを踏襲しているらしい。
とにかくそういうわけでテーマは「ボンドの復活」であり、これが英国の復活に重ねられる。情報国防委員会の公聴会では、ジュディ・リンチ演じる非情なMが率いるMI6が時代遅れの極みと槍玉に上げられ、ジュディ・リンチはテニスンの「ユリシーズ」を引用してMI6の意義をむなしく強調する。44歳のダニエル・クレイグにも肉体の衰えが感じられる(転がる際の立ち上がりが少し怪しい)。
それでも最後には新しいM、マネーペニー、Qとともに007が復活することなるのだが、そこに至るには、母なる存在Mの死を乗り越える必要があったという逆説的な構成になっている。
本作の悪役シルヴァ(ハビエル・バルデム)はボンドと同じ英国諜報員だが、返還前の香港でMの許可なく中国にサイバーテロを仕掛けたため、身柄を確保されていた5人の諜報員と引き換えに中国に引き渡された。同じようなことはボンドも経験しているはずだが、シルヴァは歯に隠した毒で死のうとして失敗し、口の中にがボロボロになっていて、Mへの恨み骨髄なのである。しかしMに対する想いは複雑怪奇に屈折しまくっており、結局、彼とボンドは母なるMを抱く兄弟なのだ(MはMで、スコットランドの自然を前にボンドの母親であるかのような台詞を吐く)。
なお、タイトルバックのアデルの主題歌「スカイフォール」は紛れもない名曲で、冒頭から感動した。この1曲を聴くだけでも本作は観る価値がある。
007 スカイフォールを観るには?
007 スカイフォール 作品情報
キャスト
M(MI6のボス) – ジュディ・デンチ
ラウル・シルヴァ(サイバーテロリスト) – ハビエル・バルデム
ギャレス・マロリー(情報国防委員会の委員長) – レイフ・ファインズ
イヴ(MI6のフィールドエージェント) – ナオミ・ハリス
セヴリン – ベレニス・マーロウ
キンケイド(スカイフォールの番人) – アルバート・フィニー
Q(秘密兵器開発担当主任) – ベン・ウィショー
ビル・タナー(Mの補佐を務める幕僚主任) – ロリー・キニア
パトリス(傭兵) – オーラ・ラパス
クレア・ダワー(大臣) – ヘレン・マックロリー
スタッフ
脚本 – ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ジョン・ローガン
原作 – イアン・フレミング
製作 – マイケル・G・ウィルソン、バーバラ・ブロッコリ
製作総指揮 – アンソニー・ウェイ
音楽 – トーマス・ニューマン
主題歌 – 「スカイフォール」アデル
撮影 – ロジャー・ディーキンス
編集 – スチュアート・ベアード
製作会社 – イーオン・プロダクションズ、ダンジャック、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー、ユナイテッド・アーティスツ、コロンビア ピクチャーズ
配給 – イギリス・アメリカ: ソニー・ピクチャーズ リリーシング、日本: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公開 – イギリス: 2012年10月23日(ロンドン・プレミア)・2012年10月26日、アメリカ: 2012年11月9日、日本: 2012年12月1日
上映時間 – 142分58秒



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