『フライングハイ』ってどんな映画?
集団食中毒によって操縦不能に陥った旅客機を舞台に、偶然乗り合わせていた元軍人の青年が飛行機を不時着させるために奮闘する。『ケンタッキー・フライド・ムービー』の制作陣がメガホンをとり、『大空港』などの1970年代のパニック映画のパロディとして制作されたコメディ。約350万ドル(当時の日本円で約7億7000万円)の予算で制作され、北米だけで8345万ドル(約184億円)を記録する大ヒットとなった。
見どころは、緊迫した状況下で繰り広げられる、真面目な顔をした登場人物たちによるおかしな掛け合い。機内に居合わせた医師(レスリー・ニールセン)、客室乗務員(ローナ・パターソン)らが機内のパニックに対応し、地上からは管制官(ロイド・ブリッジス、スティーブン・スタッカー)、主人公テッドの元上官(ロバート・スタック)らが登場。
本作はニールセンがコメディ作品に出演するきっかけとなった作品であり、後に同一スタッフが制作した『フライング・コップ 知能指数0分署』とその続編『裸の銃を持つ男』シリーズで主演を張ることとなる。
制作者たちは全米脚本家組合賞の最優秀脚色賞を受賞し、ゴールデングローブ賞作品賞(ミュージカル・コメディ部門)や英国アカデミー賞脚本賞にもノミネートされた。また、後にアメリカン・フィルム・インスティチュートのアメリカ喜劇映画ベスト100の10位に選ばれ、ストライカーとルーマックの遣り取り、
ストライカー 「Surely you can’t be serious.」(まさか本気じゃないよね)
ルーマック医師「I am serious… and don’t call me Shirley.」(私は本気だ。あと私のことをシャーリーと呼ぶのはやめなさい)(seriousと女性の名Shirleyの発音が似ていることを使ったダジャレ)
がアメリカ映画の名セリフベスト100で79位にランクイン(「緊迫したパニックの状況下で、老医師が無表情にくだらない聞き間違いで返す」というシュールさがウケて、アメリカ映画史に残る名セリフとなった)。テレビ局Bravoの”100 Funniest Movies”でも6位にランクインした。
パニック映画の定番展開をユーモアで塗り替えた、全編にギャグを詰め込んだコメディ映画の名作。
あらすじ
元軍人のパイロットであるテッド(ロバート・ヘイズ)は、自分を振った元恋人の客室乗務員エレイン(ジュリー・ハガティ)を追いかけて旅客機に乗り込むが、飛行中、機内食の魚料理が原因でオーバー機長(ピーター・グレイブス)やマードック副操縦士(カリーム・アブドゥル=ジャバー)ら操縦士たちを含む乗客・乗員が次々と激しい食中毒を発症。過去のトラウマから操縦を拒むテッドだったが、乗客の命を救うため操縦桿を握ることになる。
キャスト
エレイン・ディッキンソン – ジュリー・ハガティ
ルーマック医師 – レスリー・ニールセン
クラレンス・オーバー機長 – ピーター・グレイブス
スティーヴ・マクロスキー管制官 – ロイド・ブリッジス
レックス・クレーマー機長 – ロバート・スタック
ランディ – ローナ・パターソン
ジョニー・ヘンショー=ジェイコブズ管制官 – スティーブン・スタッカー
ロジャー・マードック副操縦士 / 本人 – カリーム・アブドゥル=ジャバー
ヴィクター・バスタ – フランク・アシュモア
ガンダーソン – ジョナサン・バンクス
ポール・キャリー – クレイグ・ベレンソン
黒人英語を話す老婦人 – バーバラ・ビリングスレー
ハメン夫人 – リー・ブライアント
デイヴィス夫人 – ジョイス・バリファント
ジョーイ – ロス・ハリス
クレーマー夫人 – バーバラ・スチュアート
日本の将校 – ジェームズ・ホン
黒人英語を話す乗客 – アル・ホワイト
ピーター・グレイヴスが…!
アーサー・ヘイリーの「0-8滑走路(Flight into Danger)」という小説(食中毒で操縦不能となった旅客機を舞台に、素人の元軍人パイロットが命がけの着陸に挑むというストーリー)のカナダのテレビドラマ脚本から、「恐怖のエアポート(Zero Hour!)」という未公開映画(1957)が作られているらしく、本作は、それを下敷きにして、70年代のヒットシリーズ「大空港」「エアポート’75」などのお約束をごちゃ混ぜにしてコメディに仕立てたらしい。
※つまり「恐怖のエアポート」はカナダのテレビドラマ(1956)のリメイクで、そのテレビドラマの脚本を書いたのがアーサー・ヘイリーということらしい。詳しくはこちらのnoteを参照のこと。
脚本は「ケンタッキー・フライド・ムービー」やレスリー・ニールセンの映画で有名なデヴィッド&ジェリー・ザッカー、ジム・エイブラハムズ(略称ZAZ)。監督をしているのはジムである。
今回、私は無謀にも高校生といっしょに本作を見たのだが、「君去りし後」「地上より永遠に」のパロディなんかやってるのを面白がることができるかと不安に思っていたら、意外と笑い転げている。
映画というよりも、まあ言ってみればTVコントなのだが、たしかに個々のギャグは今見ても面白い。「スパイ大作戦」のピーター・グレイヴスを久しぶりに見てしまった。
『フライングハイ』を観るには?
『フライングハイ』作品情報
脚本 – ジム・エイブラハムズ、デヴィッド・ザッカー、ジェリー・ザッカー
製作 – ジョン・デイヴィソン
音楽 – エルマー・バーンスタイン
撮影 – ジョゼフ・バイロック
編集 – パトリック・ケネディ
配給 – パラマウント映画
公開 – アメリカ:1980年7月2日、日本:1980年12月13日
上映時間 – 88分




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