2002年公開のオドレイ・トトゥのフランス映画。原題は「À la folie… pas du tout」。
愛してる、愛してない…のあらすじ
美術学校の生徒アンジェリクは、妻のいる心臓外科医ロイックと恋人同士だった。アンジェリクは彼にバラの花を送ったり、彼の隣人の家に留守番として住み込むなどして、彼に近づくことができた。だが、夫妻が離婚のために訪れた裁判所で寄り添っているところをアンジェリクは目撃した。
裏アメリと呼ばれる映画(愛してる、愛してない…の感想)
「愛してる、愛してない…」の原題は「A la folie…pas du tout」である。フランスの花占いには、Il m’aime un peu(彼は私のことを少し好き)/beaucoup(大好き)/passionnement(すごく)/a la folie(死ぬほど)/pas du tout(全然)と5つの分岐があるという。最良の「死ぬほど」を1枚めくると「全然」という最悪の結果になる(「好き」にならない確率は日本の花占いの 2.5倍だ!)という遊戯性が、この映画の前半と後半の対比を表しているわけだが、しかし、仏版予告編を見ると、日本公開時のように、それを意外性のあるどんでん返しとしてプロモーションをしようという意図はあまり感じられない。
オドレイ・トトゥ人気を生んだ「アメリ」(ジャン=ピエール・ジュネのマニアックさをポジティブに転化した無邪気な現実逃避映画)もまた思い込みのはげしい少女の物語だったわけで、だからこの映画をオドレイファンが「裏アメリ」と呼ぶのはもっともで、いかにも狙ったふうなキャスティングということになるのだが、実際には、「映画の中の狂気」という卒論を書いたという26歳のレティシア・コロンバニ監督がオドレイを起用したのは「アメリ」のクランクアップ後らしい。
オドレイ・トトゥの相手役サミュエル・ル・ビアンという男優はアメリカ人ふう、ダヴィッド役のクレマン・シボニーはいかにもフランス人である。パリジェンヌがアメリカ男性にぞっこんになるというのは映画によくある話だという気がするが、サミュエル・ゴールドウィンがこの映画のリメイク権を買ったらしいと聞くと、この映画からパリという舞台とフランス娘の要素を置き換えてしまうと何が残るのか心配になる。
愛してる、愛してない…のキャスト
アンジェリク – オドレイ・トトゥ
ロイック – サミュエル・ル・ビアン
ダヴィッド – クレマン・シボニー
ラシェル – イザベル・カレ
エロイーズ – ソフィー・ギルマン
愛してる、愛してない…のスタッフ
監督 – レティシア・コロンバニ
脚本 – レティシア・コロンバニ
製作 – シャルル・ガッソ
製作総指揮 – ドミニク・ブリュネ
音楽 – ジェローム・クーレ
撮影 – ピエール・エイム
編集 – ヴェロニク・パルネ
公開 – フランス 2002年3月27日 日本 2003年4月26日
上映時間 – 96分