Dr.倫太郎

蒼井優(Dr.倫太郎)
蒼井優(Dr.倫太郎)

2015年4月15日から6月17日まで毎週水曜日22:00-23:00に日本テレビ系「水曜ドラマ」枠で放送。主演は本作が日本テレビの連続ドラマ初主演となる堺雅人で、中園ミホのオリジナル脚本。

Dr.倫太郎のあらすじ

精神科医・日野倫太郎(堺雅人)は名医として知られる医師だったが、「恋愛とは一過性の精神疾患のような状態である」と語り、自分自身の恋愛には消極的だった。だが、そんな中で、芸者・夢乃(蒼井優)に出会うことで、倫太郎は次第に彼女へ好意を持つようになっていく。
夢乃は、母親の虐待により、別の人格を作り出すことになり、解離性同一性障害を発症していた。そんな彼女の治療を担当する倫太郎は、あくまでも医師と患者という立場で、一線を超えまいとしていた。だが、叶わぬ恋に諦め、立ち去ろうとする夢乃を倫太郎は引き止め、抱きしめる。
倫太郎の愛情を受けた夢乃は、病状が快方に向かう。倫太郎は、夢乃にプロポーズするが、断られる。夢乃は、倫太郎を愛しているにも関わらず、「幸せになってもらいたい」と、幼なじみの水島百合子(吉瀬美智子)に託す。倫太郎は、患者である夢乃と結婚するため、医師であることを辞めようとしていた。夢乃は、「私だけの先生ではなく、日野先生は、多くの患者さんを救う必要がある」とも考え、倫太郎との結婚を諦めたのだった。
大学の講義をしていた倫太郎は、「恋愛とは一過性の精神疾患のような状態である」という持論を口にすることはなく、「患者への共感だけでなく、人への愛情こそが重要」であると語っていた。その様子を、水島は微笑みながら聴いていたのだった。

Dr.倫太郎の感想

なぜかBSで再放送。見返したいと思っていた水田伸生作品で、脚本は中園ミホのオリジナルである。全編、手持ちカメラが追う蒼井優が素晴らしい。
松重豊遠藤憲一が両方出てくるという禁じ手を使っているのだが、高畑淳子の毒親など客演も申し分がない。最後まで見ることにした。

モフモフ犬を見て思ったのだが、いまだ映像化されていない「MASTERキートン」を堺雅人主演でやったらどうか。

おそらく初回視聴後の感想

テレビドラマでなぜかネタがかぶることは時々あり、マーケティングの結果なのだと思う。今季、「心がポキッとね」「アイム・ホーム」、本作、とメンタルヘルス系のドラマが揃うのも(まだ他にも出てきそうだ)、社会がそれを必要としているという読みがあるからなのだろう。キモチ悪いことである。

woman」のスタッフに女優は蒼井優、とゴージャスなドラマになりそうだし、ベテラン中園ミホの野心作でもあるのだろうが、持ち前のテンポがやや犠牲になっているきらいがあり、早いうちに展開を明らかにする必要がある。

その後、断続的に追記

ドラマの骨格がようやくわかってきた。蒼井優の毒親である高畑淳子はたぶん妄想上の存在であろうと予想。

なんとも意図がわからぬままに見続けていて、他のドラマのような見方をはっきり拒む作り方をしている。例えば今回シンヤ君の発語を一瞬しか映さないのは、他のドラマではあり得ない。高畑淳子が実在しないのではないかという思いは強まる一方だが、それを打ち消す展開が続いている。

遠藤憲一と松重豊を同じフレームに映すという禁断の挑戦をしている。頭がグラグラするドラマと言える。

雅人をはじめ、そして蒼井優と高畑淳子による、とてもドラマとは思えない演技も、「mother」「Woman」の水田伸生による演出も素晴らしい。そう、中園ミホの脚本を除いては…(>_<) 精神科医と患者の逆転移の物語としては、なだいなだに「れとると」という必読の素敵な短編がある。昭和42年に出た本に収録され、芥川賞の候補にもなった佳作だが、中園はきっと読んでないだろう。

さらに22/2/15追記(9話まで再見)

何が気に食わなかったのか、上記では中園ミホをやたらとディスっているが、再見の感覚では、中園はある種の実験を試みつつ、ドラマとしての整合性をちゃんととっていて、さすがだと思う。


Dr.倫太郎のキャスト

慧南大学病院
 日野 倫太郎(精神科医) – 堺雅人
 水島 百合子(外科医) – 吉瀬美智子
 桐生 薫(看護師) – 内田有紀
 川上 葉子(研修医) – 高梨臨
 福原 大策(研修医) – 高橋一生
 宮川 貴博(精神科主任教授) – 長塚圭史
 蓮見 榮介(副病院長兼脳外科医主任教授) – 松重豊
 矢部 街子(精神科医) – 真飛聖
 円能寺 一雄(慧南大学・慧南大学病院の理事長) – 小日向文世
新橋 置屋
 夢乃(新橋の置屋の売れっ子芸者) – 蒼井優
 小夢(夢乃と同じ置屋所属の芸者) – 中西美帆
 益田 伊久美(夢乃がいる置屋のお母さん) – 余貴美子
その他
 荒木 重人(開業医) – 遠藤憲一
 中畑 まどか(倫太郎の妹) – 酒井若菜
 池 正行(行政府報道長官) – 石橋蓮司
 三枝(池の秘書) – 住田隆
 相澤 るり子(夢乃の母) – 高畑淳子

Dr.倫太郎のスタッフ

脚本 – 中園ミホ相内美生
原案 – 清心海『セラピューティック・ラブ』(KADOKAWA)
音楽 – 三宅一徳
演出 – 水田伸生相沢淳
精神科医協力 – 和田秀樹
VFXスーパーバイザー – オダイッセイ
OPタイトル – 影山達也
日舞・所作監修 – 花柳糸之
芸者監修 – 柳瀬真知子
邦楽監修 – 西川啓光
精神科医療監修 – 高橋祥光、古賀良彦、平安良雄
外科医療協力 – 松尾成吾
心理療法指導 – 田中あず見
外科医療監修 – 新村核
スーパーバイザー – 霜田一寿(ザ・ワークス)、大垣一穂(ザ・ワークス)
チーフプロデューサー – 神蔵克
プロデューサー – 次屋尚大塚英治(ケイファクトリー)
制作協力 – ケイファクトリー
製作著作 – 日本テレビ

Dr.倫太郎を観た人の感想

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