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桜の塔の感想
「3年A組-今から皆さんは、人質です-」でメジャーになった武藤将吾のオリジナル第3弾で、広末涼子は前作の「ニッポンノワール」からの引き続き。
プロファイリングの天才が事件を操作しながら警視総監レースを勝ち上がっていくという筋書きが、どうしてこんなにつまらなくなるのかよくわからん。
録画をためて保留にしていたが、2話まで見て続きを見る気がなくなったのだが――
桜の塔 見どころ
「警視総監の椅子をめぐる権力闘争」を描いた警察組織内の群像劇で、サスペンス・家族ドラマ・ラブストーリーの要素も交えたエンターテインメント。警察組織を巨大な“企業”と捉え、内部政治と人間関係を軸に構成されている。官僚制や年功序列、出世レースの理不尽さを反映した「現代の出世物語」である。
- 警察組織を舞台にした「出世×復讐」劇
本作の主人公・上條漣(玉木宏)は、警視庁捜査一課のエースにして、父を自殺に追い込んだ警察組織に復讐しようと誓った男。「警察組織のトップ=警視総監」を目指し、徹底した計算と野心を武器に、組織内の派閥争いに挑むという、出世と復讐が表裏一体となったプロットだ。
物語が進むにつれて、「漣は本当に正義のために動いているのか?」という道徳的ジレンマが浮かび上がり、単なる“下克上もの”ではなくなってくる。 - 三大派閥の対立と「政治ドラマ」的構図
劇中には警察庁内の三大派閥が登場する。- 東大派:頭脳と論理の保守派
- 叩き上げ派:現場主義の実力派
- 薩摩派:政治力と伝統を重んじる旧家閥
3つ目に思わずずっこけるのだが、企業ドラマや政界ドラマ的な人事の裏側・忖度・密約などの生々しい描写がなされ、この多層的な構図の中で、主人公がいかにして“漁夫の利”を得てのし上がっていくのかという話である。盤面を読み切る力と裏切りの連鎖が緊張感を煽る。
- 予測を裏切る構成とキャラクター造形
伏線の張り方や裏切りの配置は一応巧妙である。
主人公・漣だけでなく、周囲を取り巻くキャラクター(上司で“最大の障壁”である吉永(光石研)、漣の幼なじみで刑事の水樹(広末涼子)、政治的野心家の千堂(椎名桔平)といった面々)も、善悪で測れない深さを内包している。最終盤にかけて「誰が味方で誰が敵か」が変化していく構成は盛り上がる。
桜の塔 巷の考察・感想
巷の評判は上々。
- 物語の随所に伏線が張り巡らされ、最終回で一気に回収される構成にはまった
- 主人公・上條漣が5年もかけて練った復讐計画の緻密さに脱帽
- 漣が千堂の娘・優愛と結婚したのも計画の一部で、その関係性の複雑さにしびれた
- 千堂を演じる椎名桔平の「悪のカリスマ」の演技が迫真
- 漣と爽の関係が物語の中で超重要!
- 富樫が重要な証拠を提示する場面に引き込まれたが、その後の展開に対しては賛否が分かれる
- 武藤将吾んの緻密なストーリーテリングが考察を促した
- 演出が没入感を高めた
桜の塔のあらすじ
全国で活動する警察官25万人の頂点に君臨する警視総監。警視庁刑事部捜査共助課理事官・上條漣警視はその椅子に座ることを目指す野心家である。総監になるためにはどんな手段も選ばない冷酷な姿勢を、漣の幼馴染である警視庁刑事部捜査一課主任・水樹爽警部補は危機感を感じながらも彼を気にかける。漣がそこまでして総監の座を狙う理由は、幼少期に起きた父親で元刑事の上條勇仁の死にあった。その真相を明らかにするには警察組織で一番の権力を持つ警視総監にならなければいけなかった。警視庁内に存在する「東大派」「薩摩派」「外様派」の派閥争いや凶悪犯罪などに巻き込まれながらも「桜の塔」を駆け上がっていく漣の戦いが始まった。
桜の塔を観るには?
桜の塔 キャスト
上條漣(「外様派」のキャリア組) – 玉木宏
水樹爽(捜査一課主任) – 広末涼子
■警視庁
○刑事部
千堂大善(「外様派」のトップ) – 椎名桔平
土門義郎(刑事部長) – 野間口徹
牧園隆文(ノンキャリア) – 関智一
富樫遊馬(キャリア) – 岡田健史
高杉賢剛(捜査一課水樹班主任) – 長谷川朝晴
轟啓一(捜査一課水樹班の刑事) – 駒木根隆介
屋敷武雄(係長) – 桜井聖
八雲総司(捜査共助課の刑事) – 菅原健
○警務部
吉永晴樹(東大派) – 光石研
馳道忠(東大派) – 渡辺大知
○警備部
権藤秀夫(薩摩派) – 吉田鋼太郎
新垣広海(薩摩派) – 馬場徹
別府明(新垣の部下) – 杉昇真
○警視庁本部
荒牧雄彦(薩摩派) – 段田安則
矢上彰文(警視総監) – 尾美としのり
■その他
千堂優愛(千堂大善の一人娘) – 仲里依紗
刈谷銀次郎(元警察官) – 橋本じゅん
小宮志歩(銀座のクラブママ) – 高岡早紀
及川明深(銀座のクラブホステス) – 井本彩花
上條勇仁(漣の父) – 岡部たかし
水樹鉄朗(爽の父) – 小松和重
蒲生兼人(銀行強盗事件の容疑者) – 森崎ウィン
桜の塔 スタッフ
演出 – 田村直己(テレビ朝日)、星野和成、片山修(テレビ朝日)
音楽 – 村松崇継
主題歌 – 宮本浩次 「sha・la・la・la」(ユニバーサルシグマ / Universal Music Japan)
挿入歌 – Rolling Stones「悪魔を憐れむ歌」(第1話)
警察監修 – 古谷謙一
ゼネラルプロデューサー – 内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー – 中川慎子(テレビ朝日)、中沢晋(オフィスクレッシェンド)
制作協力 – オフィスクレッシェンド
制作著作 – テレビ朝日
『桜の塔』は、伏線回収が快感の玉木宏主演の警察内部ドラマです。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。