推しを召し上がれ〜広報ガールのまろやかな日々〜の感想
女優としての鞘師里保を最初に見たのは「俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?」(2022)の脇役だったが、ほとんどピンとこなかった。今回はいよいよヒロインである。
ハロプロ時時代の鞘師の「すごさ」を知らない人にとっては、ますますピンとこないと思われるのだが、真剣に見ていると、タダモノでないことは伝わってくるものの(ちょっと中毒性がある)、なぜこうしたドラマに出ているのかは腑に落ちない。
生駒里奈の推し活を応援するなんて自虐的すぎないか。タイトルバックでダンスしなくていいのか。
原作は、石原さとみでヒットした「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子あ」を書いた人の小説で、一応、今回も広報のお仕事物ということになっているのだが、本作も原作者のほかの仕事(少し読んでみた)も、まったくピンとこない。若い人だからかと思ったらアラフィフだった。わからないづくめである。
普通に明治が舞台だとわかるタイアップ風味がますますチャチで、橋本さとしの“乳酸菌”(これが語り手なので、外すわけにいかない)が出てくると、ガックリきてしまう。
推しを召し上がれ〜広報ガールのまろやかな日々〜 見どころ
アイドルグループの広報担当者が、推し活と食を通じて成長していく姿を描いた、心温まるグルメラブコメディ。
「推し活」というライフスタイルを軸に、仕事とプライベートのバランス、自己肯定感、そして食を通じて人と人が繋がる温かさがテーマ。
- 「推し活」のリアルな描写
主人公の由寿が、日常生活の中でいかに推しに熱中し、その存在が心の支えになっているかをリアルに描く。グッズ集め、SNSでの情報収集、ライブ参戦など、推し活あるあるが満載。推しへの愛が、仕事のモチベーションに繋がっていくポジティブな側面も。 - 鞘師里保の主演
元モー娘。の鞘師里保が連続ドラマ単独初主演。アイドル出身だからこそ表現できる推しに夢中になるオタクの熱量、仕事に奮闘する社会人の顔を等身大で演じる。表情豊かな演技が由寿の感情の機微を繊細に伝えた。 - FANTASTICS中島颯太の「推し」役
劇中のアイドルグループ「TOKYO SWEET PARTY」のメンバー神尾涼介を演じるのは、FANTASTICS from EXILE TRIBEの中島颯太。現実のアイドルである彼が「推し」のキャラクターを演じることでリアリティが増した。 - 「食」を通じた心の繋がり
由寿が働く食品メーカーが舞台のため、毎回美味しそうな料理が登場。推しを思いながら料理をしたり、仕事で食と向き合ったりする中で、食が心を満たし、人との繋がりを深めるツールとして描かれる。 - 仕事とプライベートのバランス、そして成長
由寿は推し活に熱中する一方、広報の仕事でも一人前になろうと奮闘。推しとの距離が近づくことで生まれる葛藤や、公私混同の危機を乗り越えながら、社会人として、人間として成長していく姿が描かれた。
推しを召し上がれ〜広報ガールのまろやかな日々〜 あらすじ
朋太子由寿は、就活中にヨーグルトを題材にした小説にハマり、ブルガリア菌のファンに。乳酸菌(ブルガリア菌20388株)がパッケージから飛び出し、由寿に見えない存在として彼女を見守る。由寿は老舗食品メーカー「株式会社明和」に就職し、大阪勤務となる。伝説の営業社員「おでん先輩」の話に感銘を受け、仕事に邁進。しかし、人事異動で本社広報部に。慣れない環境で苦戦しつつ、「明和ヨーグルト」50周年特集の社内報記事を担当。乳酸菌を愛する気持ちを胸に、新人広報ガールとしての奮闘が始まる。
推しを召し上がれ〜広報ガールのまろやかな日々〜を観るには?
推しを召し上がれ〜広報ガールのまろやかな日々〜 キャスト
朋太子由寿 – 鞘師里保
吾輩 / ブルガリア菌20388株 – 橋本さとし
緑川逸美 – 明日海りお
飯野朝子 – 生駒里奈
■株式会社明和
足祐幸来 – 野村麻純
金城剛 – 水間ロン
石川肇 – 宇野祥平
おでん先輩 / 三条誠 – バッファロー吾郎A
■その他
林泰然 – 好井まさお
■由寿の関係者
岡林 – 滝沢カレン
朋太子野恵 – 中島ひろ子
朋太子迦寿 – 永田崇人
■乳酸菌
プロキシ – 橋本淳
推しを召し上がれ〜広報ガールのまろやかな日々〜 スタッフ
脚本 – 阿相クミコ、波多野都
音楽 – 田井モトヨシ、鈴木俊介、田井千里
オープニングテーマ – wowdow「ブルーステップ」
エンディングテーマ – 鞘師里保「alchemy」
監督 – 片桐健滋、佐藤洋輔、藤田結衣
プロデューサー – 阿部真士、元村次宏、藤田結衣
企画協力 – 株式会社明治、株式会社 明治アドエージェンシー
推しを召し上がれ〜広報ガールのまろやかな日々〜 原作
商品誕生に秘められたドラマ、新入社員の由寿の奮闘が始まる!
吾輩は乳酸菌である。名前はブルガリア菌20388株。
学生時代に読んだネット投稿小説がきっかけでブルガリア菌が「推し」となった朋太子由寿(ほうだいし・ゆず)の日々を温かく見守っている。
「株式会社 明和」に就職した由寿は、配属となった大阪支店量販部で、阪神・淡路大震災のときに活躍した「おでん先輩」のエピソードを聞き感銘を受ける。
入社して一年後、広報部で由寿は社内報の制作を担当することになり、「明和ブルガリアヨーグルト五十周年」特集のために関係社員にインタビュー取材を行ってゆくのだが……。
協力=株式会社 明治
装画=まめふく
装丁=名久井直子