フェイクマミーの感想
ファーストインプレッション
TBSの新人脚本家発掘プロジェクトの大賞受賞作との由。
ベースとなる設定は、大企業を辞め転職活動中の波留が、不採用を言い渡された女社長に見込まれて、娘のお受験の家庭教師を引き受けることになり、さらにニセ母親として面接を受けざるを得なくなる、というものである。
天才児のカテキョとしての「お受験物」、元ヤンのしごデキ「社長奮闘記」、SPY×FAMILYばりの「ニセ家族」(池村碧彩はミュージカル版のアーニャ役だ)、そしておそらく最終的には母親の意味を問う「母性もの」など、それぞれの要素が結構盛りだくさんなのだが、そんな中に、そもそも波瑠がなぜ転職活動をしなければならなくなったのかという爆弾もしれっと埋め込まれていた。
要は、波瑠は多様性推進のリーダーとして成果を出し表彰までされたにも拘らずワーママの昇進の踏み台にされたのであり、そうした反リベラル的な現実がやや唐突気味に指摘されているのだった。
そうした要素を、二人の女優の演技ときめ細かい心理描写で違和感なく積み上げ、最終的に「ニセ母親」という突飛な設定に持ち込んでいるのがうまい。これは脚本だけでなく、女優と演出あっての成功だと思う。
この先も、秘密バレのサスペンスを中心に、「ママ友地獄」、「初恋相手(受験先の教師)との再会」に加え、謎の新社長(波瑠が辞めた原因の黒幕か?)など、やはり複数の要素が絡んでくる展開となるようである。
フェイクマミーのあらすじ
東大卒で大手企業を辞め転職に苦戦する花村薫(波瑠)は、ベンチャー企業「RAINBOWLAB」の面接で社長・日高茉海恵(川栄李奈)と出会う。茉海恵は元ヤンキーで高卒ながら成功したカリスマ社長で、シングルマザーとして娘・いろはを育てている。薫は高待遇でいろはの家庭教師を引き受けるが、名門・柳和学園小の受験では親子面接が必須。仕事で両立できない茉海恵は薫に「自分の代わりに母親として面接を受けてほしい」と依頼。違法行為の危険を前に、薫は葛藤する。
フェイクマミーを観るには?
フェイクマミー キャスト
日高茉海恵(ベンチャー企業「RAINBOWLAB」社長) – 川栄李奈
■茉海恵の関係者
黒木竜馬(「RAINBOWLAB」副社長) – 向井康二(Snow Man)
日高いろは(茉海恵の一人娘) – 池村碧彩
町田大輝(「RAINBOWLAB」社員) – 若林時英
藤崎渚(「RAINBOWLAB」の虹汁の旗艦店「Itteki」の店員) – 浅川梨奈
■薫の関係者
野口俊彰(転職エージェント社員) – 津田篤宏(ダイアン)
高梨由実(薫の元同期のワーママ) – 筧美和子
上杉雅仁(三ツ橋グループ社員) – 朝井大智
花村聖子(薫の母親) – 筒井真理子
謎の男(三ツ橋食品社長) – 笠松将
■柳和学園小学校
●教員
佐々木智也(薫の初恋相手) – 中村蒼
野添達也(学年主任) – 宮尾俊太郎
樫村謙一郎(校長) – 利重剛
●保護者
本橋さゆり – 田中みな実
九条玲香(保護者組織「三羽烏」会長) – 野呂佳代
園田美羽(「三羽烏」書記) – 橋本マナミ
白河詩織(「三羽烏」会計) – 中田クルミ