ドラマ

ダブル・キッチン

3.5
山口智子(ダブル・キッチン) ドラマ
山口智子(ダブル・キッチン)
ダブル・キッチンは、1993年4月16日~6月25日の毎週金曜21:00-21:54にTBS系「金9ドラマ」枠で放送。二所帯住宅の難しさとそこに巻き起こるドタバタ騒動を、ホームドラマチックにコミカルに描く、当時ホットな話題であった嫁姑同居を取り上げた連続ドラマ。

ダブル・キッチンの感想

西荻弓絵か、と思いながら見始めるが、第2話全編を占める通夜のウェルメイドな脚本に思わず唸らされる。1993年には、ドラマはまだちゃんとしていたのだ。

29歳の山口智子はやっぱり可愛い。このドラマを経て翌年に「29歳のクリスマス」を主演し、2年後に「ロンバケ」に出て、ブランクに入る。

ダブル・キッチンの見どころ

山口智子と高嶋政伸は、前年の日本テレビ『いとこ同志』でも夫婦役で共演していたが、視聴率が振るわず失敗作とされていたため、本作の企画段階ではプロデューサーの貴島誠一郎が編成から大きな反発を受けたという。しかし「今回は山口智子を前面に押し出す」という条件で説得し、結果として平均視聴率22.3%、最終回30.7%(関東・ビデオリサーチ調べ)を記録する大ヒット作となり、1990年代のTBSドラマを代表する一本となった(ただしソフト化は1993年に全4巻でVHSが発売されたものの長らく再販されず、2007年にDVD-BOXになるまで顧みられなかった)。

1994年にはスペシャル版『ダブル・キッチンお正月スペシャル 花岡家ハワイに行く』が放送され、布施博(『スウィート・ホーム』で山口とダブル主演している)や賀来千香子が特別出演する豪華な内容であった。

本作は、二世帯住宅で暮らす若夫婦と姑の同居生活を描き、日常の些細な衝突が笑いと共感を生む作り。毎回ラストで山口智子が部屋の物に当たり散らす姿と、野際陽子が鼓を打つ姿が交互に映る“お約束の演出”が名場面として人気を博した。この演出手法は同じく貴島プロデュースの『トリプル・キッチン』や『地獄の沙汰もヨメ次第』(江角マキコ主演)にも受け継がれた。

貴島誠一郎は、前年に社会現象を起こした『ずっとあなたが好きだった』を手がけており、野際陽子はそこでも陰険な姑を演じていたが、貴島は野際を再び起用し、今度は明るくちょっとおせっかいな姑役にした。同様に、「冬彦さん」を演じた佐野史郎も、頼りないがお調子者の男性という正反対のキャラクターに挑戦し、前作とのギャップが大きな見どころになっている。

野際陽子は、その後もTBSドラマ『長男の嫁シリーズ』(浅野ゆう子主演)や『理想の結婚』(常盤貴子主演)、『地獄の沙汰もヨメ次第』などで似た立ち位置の姑役を演じ、“姑ドラマ”の定番キャラクター像を確立していく。

ダブル・キッチンのあらすじ

出版社に勤めるキャリアウーマンの都は保険会社に勤務する忍とスキューバダイビングで知り合って結婚。忍の両親、啓三、真知子夫妻、二人の妹、静、るみと二世帯住宅で同居することになった。現代的な嫁と古風な姑はことあるたびに対立し、さらに妹の静の夫で売れないミュージシャンの寺田ユウノスケが加わり、問題はさらに複雑化していくが、都と忍の間に長男が誕生し、都が子育てと仕事の両立をしなければならなくなった頃より、都と真知子が和解していくようになる。

ダブル・キッチンを観るには?

ダブル・キッチンのキャスト

花岡家
 花岡都 – 山口智子
 花岡真知子 – 野際陽子
 花岡忍 – 高嶋政伸
 花岡るみ – 坂井真紀
 花岡啓三 – 伊東四朗
寺田家
 寺田(花岡)静 – 横山めぐみ
 寺田ユウノスケ – 佐野史郎
 寺田トシ子 – 原知佐子
その他
 松井修一 – ルー大柴
 倉本綾子 – 阿知波悟美
 小島小夜子 – 細川ふみえ
 三枝正樹 – 五十嵐光樹(現:林光樹)
 藤原春子 – 岩本多代
 谷村八重子 – 赤座美代子
 下村カヨ – 野村昭子(ゲスト出演)
 小松政夫(ゲスト出演)
 深田貴子 – 佐々木すみ江(ゲスト出演)
 菅原波子 – 大方斐紗子
 園子 – 山本道子
 奥村公延(ゲスト出演)
 羽場裕一(ゲスト出演)
 山田雅人(ゲスト出演)
 草村礼子(ゲスト出演)

ダブル・キッチンのスタッフ

脚本 – 西荻弓絵
プロデューサー – 貴島誠一郎
プロデューサー補 – 植田博樹
演出 – 吉田秋生桑波田景信伊佐野英樹北川雅一
演出補 – 伊佐野英樹、木村政和、佐々木雅之、藤田修、小沢通子
音楽 – 小林武史
主題歌 – PRINCESS PRINCESS「だからハニー」(ソニーレコード)
協力 – 緑山スタジオ・シティ
製作著作 – TBS
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