ラスト・フレンズの感想
「記憶」の再放送が終わって、2008年の話題作(といっても自分は知らなかったが)の再放送が始まった。
長澤まさみも上野樹里もかなり新鮮で(長澤は松下奈緒のようにすら見える)、これを踏まえずに現在の二人について語ることはできないだろうと思わせる野心作と期待させる。
脚本は浅野妙子。
ラスト・フレンズの見どころ
雑誌『ザテレビジョン』の「第57回ドラマアカデミー賞」(2008年春クール)で作品賞・助演男優賞(錦戸亮)・助演女優賞(上野樹里)など6冠を達成した本作は、友情・恋愛・トラウマなど若者の心に潜む“現代の闇”を描き出した群像ドラマで、その魅力はプロット展開とキャラ描写の緻密さにある。
シェアハウスという閉鎖空間に、5人の若者(美知留、瑠可、タケル、エリ、及川)が集い、友情・恋・暴力・秘密が交錯する設定。この舞台装置により、主人公たちの問題が自然な流れで露出し、視聴者に「自分の隣人だったら?」と感じさせるリアリティを感じさせた。
冒頭、美知留(長澤まさみ)が妊娠して里帰りしているシーンから始まり、回想形式で物語が展開。この構造により、観客は「結末を知りつつも、その感情の経緯を辿る」という形で没入することになる。単なるミステリーではない“感情のドキュメンタリー”を追体験する構成は巧妙だ。
長澤まさみの美知留はDV被害者であり、上野樹里の瑠可は性同一性障害・性的アイデンティティが揺らいでおり、瑛太のタケルはセックス恐怖症と、入居者たちが抱える極端な問題に踏み込むストーリーは、当時の連ドラでは非常に珍しく、観る者を揺さぶった。
その中で、美知留とDV男・宗佑(錦戸亮)、美知留と瑠可との友情、瑠可とタケルの微細な絆が複雑に絡み合い、予測できない展開になっていく。
DV加害者の宗佑の“狂気と愛情”の狭間など緊張感が続く。宇多田ヒカルの主題歌がクライマックスに挿入されて、DV描写や決断の場面とシンクロして視聴者の感情移入を誘った。
最終話は「全面的な解決」ではなく、「生きることを選ぶ」というもの。“モヤっとした余韻”に賛否が分かれた。
ラスト・フレンズのストーリー
家や職場でも居場所が得られず、恋人からのDVに苦しむ藍田美知留、モトクロス選手として全日本選手権優勝を目指す一方、性別という誰にも言えない悩みを抱える岸本瑠可、女性達の良き相談相手でありながら、過去のトラウマからセックス恐怖症に悩む水島タケル。
悩み傷ついた3人がひょんなことからシェアハウスで共同生活を始め、共に暮らすうちに、人と人との関わりの大切さを知り、前向きに生きようとする。
ラスト・フレンズを観るには?
ラスト・フレンズのキャスト
藍田 美知留 – 長澤まさみ
岸本 瑠可 – 上野樹里
水島 タケル – 瑛太
滝川 エリ – 水川あさみ
及川 宗佑 – 錦戸亮
藍田美知留の関係者
平塚 令奈 – 西原亜希
三田 小百合 – 蘭香レア
岡部 まゆみ – 平野早香
藍田 千夏 – 倍賞美津子
遠藤 健一郎 – 北見敏之
長谷 シズエ – 大森暁美
岸本瑠可の関係者
林田 一巳 – 田中哲司
岸本 修治 – 平田満
岸本 陽子 – 朝加真由美
岸本 省吾 – 長島弘宜
奥寺医師 – 内倉憲二
及川宗佑の関係者
樋口 直也 – 澁谷武尊
直也の母 – ひがし由貴
水島タケルの関係者
白幡 優子 – 伊藤裕子
モデル – 蒲生麻由
その他
小倉 友彦 – 山崎樹範