グリーン・ゾーン

エイミー・ライアン(グリーン・ゾーン)
エイミー・ライアン(グリーン・ゾーン)

ブライアン・ヘルゲランド脚本、ポール・グリーングラス監督のスリラー映画。原題は「Green Zone」。ジャーナリストであるラジャフ・チャンドラセカランの2006年の著書『インペリアル・ライフ・イン・ザ・エメラルド・シティ』が元になっている。出演はマット・デイモン、エイミー・ライアン、グレッグ・キニア、ブレンダン・グリーソンら。製作は2008年1月のスペインで開始され、その後モロッコに移された。2010年3月12日に公開。「グリーン・ゾーン」とは、連合国暫定当局があったバグダード市内10km四方にわたる安全地帯(イラク暫定政権下の正式名称は「インターナショナル・ゾーン」)。アメリカ占領下のグリーン・ゾーンで起こるミステリー作品である。

グリーン・ゾーンのあらすじ

ロイ・ミラー率いるMET隊(移動捜索班)は、WMD(Weapon of Mass Destruction;大量破壊兵器)の隠された倉庫があるという情報で出動したが、そこは何もないただの廃工場だった。作戦の失敗はこれで3度目であり、ミラーは情報に誤りがあるのではないかと主張したのだが、上官はそれを無視しようとする。納得できないままの次の作戦の途上、イラン・イラク戦争を経験したイラク人フレディの情報提供をきっかけに、断片的な情報が段々と繋がっていく。アメリカ政府の高官パウンドストーンの妨害に合いながらも、戦争の原因たる情報の提供者「Magellan(マゼラン)」に同じく怪しさを感じるCIA捜査官や記者を味方につけ、隠された真実を追う。

グリーン・ゾーンの感想

ネオコンと反フセインのシーア派が画策し、ブッシュJrが2003年に始めたイラク侵攻は、すでに2004年10月には「大量破壊兵器は存在しない」という調査団の最終報告書が出て大義を失った。2010年に公開された本作は、原作に基づくセミフィクションでありながら、「ボーン」シリーズの監督と俳優による陰謀暴露エンタテインメントとして作られたため、「大量破壊兵器はデッチアゲ」とオチをつけられても、「それ知ってるし」という今さら感満載の残念な映画になってしまった(マイケル・ムーアは本作をホメながら、「愚かにも、アクション映画として公開されてしまった」と言っている)。

主人公(マット・デイモン)はアメリカ軍MET隊(移動捜索班)の上級准将で、バグダッドで大量破壊兵器の捜索を続けるも空振りばかりで、情報の信憑性を疑い始める。そもそも大量破壊兵器の情報をもたらしたのは暗号名マゼランで、エイミー・ライアン演じるウォール・ストリートジャーナルの記者(チェイニー副大統領の自作自演を垂れ流し、「大量破壊女」と呼ばれたNYタイムズの記者ジュディス・ミラーがモデル)はマゼランから入手したという政府高官の情報を裏も取らずに記事にしていた、というところから、マゼランが誰なのかを探り始めるというストーリーである。

夜のバグダッドでデイモンがマゼランを追い、それをさらに特殊部隊が追うというクライマックスは、暗い上にほとんどが手持ちキャメラによる撮影にもかかわらず、神がかり的な編集によって、観客には何が起こっているのかわかる、奇跡を実現している。

グリーン・ゾーンのキャスト

ロイ・ミラー – マット・デイモン
クラーク・パウンドストーン – グレッグ・キニア
マーティ・ブラウン – ブレンダン・グリーソン
ローリー・デイン – エイミー・ライアン
ファリド・ラーマン – ハリド・アブダラ
ブリッグス – ジェイソン・アイザックス
大佐 – アントニ・コロン
ムハンマド・アル=ラーウィー将軍 – イガル・ノール

グリーン・ゾーンのスタッフ

監督 – ポール・グリーングラス
脚本 – ポール・グリーングラス、ブライアン・ヘルゲランド
原案 – ラジーフ・チャンドラセカラン
製作 – ティム・ビーヴァンエリック・フェルナーロイド・レヴィン、ポール・グリーングラス
製作総指揮 – デブラ・ヘイワードライザ・チェイシン

グリーン・ゾーンを観る

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