笑うマトリョーシカ

水川あさみ(笑うマトリョーシカ)
水川あさみ(笑うマトリョーシカ)

早見和真の小説(2021年11月5日文藝春秋刊)を原作に、2024年6月28日よりTBS系「金曜ドラマ」枠で放送中。主演は水川あさみ。官房長官に出世した青年代議士と秘書。そんな彼らに違和感を抱いた女性記者が、隠された過去を暴くために奮闘する姿を描く。

笑うマトリョーシカの原作

早見 和真 「笑うマトリョーシカ」 (文春文庫) Kindle版

早見 和真 「笑うマトリョーシカ」 (文春文庫) Kindle版

あらすじ

新聞記者・道上香苗は若手政治家の清家一郎とその秘書・鈴木俊哉について取材をしていた。ある日、彼らには隠された過去があることを知り、それを暴くために彼女は奮闘する。

笑うマトリョーシカの原作を読んだ人の感想

原作著者インタビュー

早見和真『笑うマトリョーシカ』/山本周五郎賞受賞第一作! 政治の世界を舞台に「人間」の闇を描く(小説丸)

ドラマ 笑うマトリョーシカ

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あらすじ

  1. 2022年、4月。リベラルな言動が国民の支持を集め、未来の総理候補と目される若手議員・清家一郎(櫻井翔)が厚生労働大臣として初入閣。
    東都新聞文芸部の記者・道上香苗(水川あさみ)は、清家の自叙伝を紹介するため愛媛県・松山の清家の母校を取材。担任は、当時の清家は現在とかけ離れており、鈴木俊哉(玉山鉄二)というブレーンの存在を語った。鈴木は清家を指導して生徒会長に押し上げ、政治家となった今もなお秘書として清家を側で支えているという。それほど重要な人物のことをなぜ自叙伝に書いていないのか。
    するとかつて社会部の敏腕記者だった父・兼髙(渡辺いっけい)から電話があった。しかしその瞬間、兼髙は突然の交通事故で絶命してしまう。
    人気政治家と秘書の奇妙な関係。兼髙の突然の死。人間の欲望と謎が絡み合う、スリリングな物語が幕を開ける!
  2. 父の死は、「BG株事件」を闇に葬りたい鈴木が仕組んだのではないか、鈴木に操られている清家は助けを求めて自分に近づいてきたのではないか、と考えた道上が清家を訪れようとした矢先、道上の部屋に何者かが侵入し、BG株事件に関する兼髙の資料や取材ノートが盗まれた。道上はますます鈴木に対する疑惑を深める。
    清家がかつて私設秘書を務めていた代議士・武智(小木茂光)も不慮の交通事故で命を落としていたことがわかる。しかも武智の死後、清家は彼の地盤を引き継ぎ、27歳の若さで初当選していた。
  3. 道上は、自叙伝で仮名になっている大学時代の恋人・美恵子(田辺桃子)が清家を操っていると考え、清家に話を聞こうとしたが、今後一切の取材を拒否すると宣告されてしまう。当時の同窓生を取材し、美恵子が当時、三好美和子と名乗っていたことをはじめ、出身大学や将来の夢などを調べる。大学時代の清家や鈴木、美和子を調べる中で、清家が師事していた武智議員の元政策担当秘書・藤田(国広富之)のもとを訪れた道上は、さらなる驚くべき事実に直面する。
  4. 鈴木の協力もあり、美和子が書いたシナリオ「最後に笑うマトリョーシカ」を手に入れた道上。その作者欄には“真中亜里沙”とあり、美和子という名が偽名だったと判明。しかも、美和子(真中亜里沙)の関係性になぞらえたシナリオには、道上が予想だにしなかった“ある人物”が登場していた。
    謎がさらに深まる中、新聞社に圧力がかかり、道上は会社を辞めることを決断。フリーのジャーナリストとして美和子(真中亜里沙)の実家を訪れた道上は、ある人物から彼女に関する重要な事実を聞く。
  5. 清家の実母・浩子(高岡早紀)は、元夫・清家嘉和(梨本謙次郎)の死亡事故、さらに武智議員(小木茂光)の死亡事故を仕組んだのではないか、という疑惑が持ち上がる中、浩子が道上の実家の小料理屋を訪れていた。浩子の行方を探して再び愛媛を訪れた道上は、鈴木が浩子と面識があったのに知らないと嘘をついていたことを知る。
    鈴木はなぜ浩子との関係を隠そうとしたのか。そのとき、鈴木は高校時代に清家の実家を訪れた日のことを思い出していた。
  6. 次期官房長官として清家に白羽の矢が立つ。ヒトラーの危険思想を持つ浩子が清家をコントロールしていると確信し、道上は、このまま清家に権力を持たせてはいけないと危機感を募らせる。とある場所で浩子と遭遇した道上が後を追い、清家のこれまでの発言につながる新たな事実をつかんだ。
    そんな中、清家がついに官房長官に就任。2人の悲願の達成に胸を熱くする鈴木だったが、浩子の影が忍び寄る。
  7. 清家から切り捨てられた鈴木は、清家をコントロールしてきた本当のハヌッセンは自分ではなく、浩子であることに愕然とし、廃人のようになる。清家は官房長官としてより存在感を高め、放ち、組閣早々不祥事続きの新内閣の支持率維持に貢献していた。浩子の行方を追っていた道上は、街頭演説の場で久々に対面した清家から思わぬ言葉をかけられる。
    道上からBG株事件に関わっていた可能性がある政治家たちの資料を託された鈴木は、与党ナンバー2で外務大臣の諸橋(矢島健一)に関する新たな疑惑をつかむ。
  8. 姿を現した浩子に、道上はこれまでの不審な事故死を問い詰めたが、浩子は多くを語らず、道上の息子・勇気(森優理斗)の案ずる意味ありげな言葉を発すると、「夫が待っている」とその場を去った。浩子の夫は意外な人物だった。再婚を不気味に思った道上は、浩子への疑念をさらに募らせる。
    さらに、清家が地元・松山に帰っていると知った道上は、佐々木(渡辺大)の店で、「くれぐれも無茶はしないで」という清家の伝言を受け取る。
    そんな中、浩子の銀座ホステス時代を調べていた山中(丸山智己)は、ある驚きの新事実を持ち帰る。
  9. 浩子の母で、清家が政治家になるきっかけとなった祖母が、「劉英華(リュウインファ)」という中国人だった。英華は生前「復讐」という意味の中国語をよく口にしていたという。
    そんな中、清家が「首相公選制」採用を提案。国民から絶大な人気を誇る清家が自ら総理となる布石ではないかと考える道上は、裏で手綱を引く浩子の存在を改めて感じた。
    一方、鈴木は、BG株事件への関与が疑われる諸橋大臣の失踪中の元秘書・富樫(吉岡睦雄)が裏社会の人間であるという情報をつかむ。BG株事件への諸橋の関与を隠蔽したのは富樫と考える道上たちは行方を追うが…。
  10. 道上は愛媛県愛南町で浩子から過去の出来事を聞く。中国出身の母のもとで生まれ、和田島(加藤雅也)と出会い、清家を産んで政治家にした浩子。しかしハヌッセンは浩子なのか、そして浩子とBG株事件との関連など肝心なことはわからない。清家が書いたハヌッセンの論文を鈴木に送ったのは自分ではないと浩子は言うのだった。
    論文を送ったのは誰かを知るため、道上は浩子の今の夫・小松(堀内正美)を訪れる。
    一方、清家は「首相公選制」実現に向けて憲法改正案を提案するなど、官房長官としては前代未聞の言動をとり始めていた。
  11. 浩子は清家(櫻井翔)を操るハヌッセンではなかった。そしてBG株事件には、前外務大臣の諸橋だけでなく、総理大臣の羽生(大鷹明良)も関与していた――。衝撃の事実が明らかになった矢先、清家から「僕のブレーンになってほしい」という突然の提案を受けた道上は、そばにいることで謎を突き止められると考えて受け入れる。ことあるごとに道上に意見を求め、道上の考えを吸収して自分の言葉にする清家を目の当たりにし、道上はある種の充実感を抱き始めた。
    そんな中、山中から一刻も早く羽生と諸橋がBG株事件に関与していた証拠を公開し、2人を失脚させるべきだと促され、政権と敵対すると清家のブレーンを降りることになると考えた道上は悩む。
  12. 感想

    いきなり、櫻井翔をカラッポのキャラクターとして謎提議する初話から始まり、あっけに取られる。思えば「カラッポなのかそうでないのか」という狭間にずっと立ち続けてきたのが櫻井という人だと思うからだ。もちろんこれは当て書きではなく、いまいち盛り上がらなかった春ドラマ「95」を書いた人の原作があるのだが、禁断のキャスティングのように思えた。

    数えきれないほどのドラマや映画に出てきた水川あさみだが、謎を解明するヒロインとしてどこか違和感がある。田村正和の役に立たない助手を演じた「地方紙を買う女」(2016)でも同じ違和感を感じたのだが、「ナイルバーチの女子会」(2021)のようなタガの外れた役のほうが合っていると思う。

    キャスト

    主要人物
     道上香苗 – 水川あさみ
     鈴木俊哉 – 玉山鉄二
     清家一郎 – 櫻井翔
    道上の関係者
     山中尊志 – 丸山智己
     青山直樹 – 曽田陵介
     道上香織 – 筒井真理子
     道上兼髙 – 渡辺いっけい
     旗手健太郎 – 和田正人
     旗手勇気 – 森優理斗
    清家の関係者
     佐々木光一 – 渡辺大
     和田島芳孝 – 加藤雅也
     坂本一紀 – 中山麻聖
     美恵子 – 田辺桃子
    その他
     謎の女 – 高岡早紀
     凜々 – 咲耶
     羽生雅文 – 大鷹明良
     諸橋育夫 – 矢島健一
     武智和宏 – 小木茂光
     藤田則永 – 国広富之
     一色清彦 – 東根作寿英

    スタッフ

    原作 – 早見和真『笑うマトリョーシカ』(文春文庫)
    脚本 – いずみ吉紘神田優
    音楽 – 大間々昂
    主題歌 – 由薫「Sunshade」(Polydor Records)
    政治監修 – 須山義正、武田一顕
    法律監修 – 岡本直也
    児童福祉監修 – 永野咲
    警察監修 – 石坂隆昌
    医療監修 – 中澤暁雄
    演出 – 岩田和行(共同テレビ)、城宝秀則(共同テレビ)、小林義則(共同テレビ)
    編成 – 杉田彩佳
    プロデューサー – 橋本芙美(共同テレビ)
    製作 – 共同テレビ、TBS

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